「目の調子が悪いな」と思ったときに行くのが眼科。でも、どんなことを診てもらえるのか正確に理解できていますか?また、コンタクトや眼鏡を作るときに、なぜ眼科へ行くべきなのでしょうか?

目次

眼科とは

眼科はその名の通り、目を対象とした診療科です。

眼はわずか直径約24mm程度の小さい器官ですが、その内部は非常に緻密なつくりになっています。
例えば、ピント調節や、見た映像を脳へ伝えるシステムなど、挙げればきりがありません。

このような構造を元に、私達は多くの情報を目から取り入れています。

眼科では病気を治すことももちろん重要ですが、目の機能を維持することも非常に重要です。

できるだけ失明する方をなくし、生活の質を高めるような医療を提供するのが眼科の役目です。

どんな症状を診てもらえる?

眼科では主に次の症状を扱っています。

  • 視力低下
  • 視野異常
  • 充血・めやに
  • 目の痛み、腫れ
  • ゆがんで見える
  • 2つに見える
  • かゆみ
  • かわき
  • 目が疲れる

など、様々な症状があります。これ以外でも目に気になる症状が見られた場合には、まずは眼科を受診するのがよいでしょう。

何を検査してもらえる?

目

眼科でできる主な検査は次のものです。

視力検査

ランドルト環という、黒いCの隙間がある方向を当てるおなじみの検査です。裸眼視力だけでなく矯正した視力も大切です。

近視・遠視・乱視・老眼(老視)・弱視などがわかります。

屈折検査

気球の写真を見る検査を受けたことはありますか?実はあれは目の屈折を測っているのです。

物をハッキリと見るには、ピントがあっていなければなりません。この時に重要なのが目の屈折です。場合によっては調節をとりのぞく目薬を点眼して、より精密な屈折検査を行うこともあります。

視野検査

視野の広さを測定するもので、見える範囲に光が見えたら合図をします。

視野に異常が起こる病気は様々ですが、例えば緑内障では見えない部分が大きくなっても、視力が変化しないことがあり、自覚では異常に気付きにくいため、非常に大切な検査となっています。

眼圧検査

空気が眼に「プシュッ」と吹き付けられる機器がありますよね。あれが眼圧検査計です。

眼の中は、房水という液体で満たされています。房水は、一定の圧を保ちながら循環しています。この眼球内の圧力を「眼圧」といいます。

眼圧は、様々な病気によって高くなることがあります。

眼底検査

目の奥の方の組織である眼底を検査します。医師が眼底鏡とよばれるレンズとライトを持ち観察します。緑内障などの目の病気だけでなく、糖尿病、高血圧など全身の病気でも眼底に異常がでてくることがあります。

OCT(光干渉断層像)検査

近赤外線を利用して、網膜の断面の画像を得る検査です。OCTにより、より正確に網膜の断面を観察できるようになり、網膜や神経の診断をより正確に診断できるようになりました。加齢黄斑変性、黄斑円孔や網膜浮腫などの様々な診断に用いられます。

 

これらは眼科で行う検査のほんの一部です。
これ以外にも、症状によって色々な種類の検査を行っています。

コンタクトレンズは眼科に行かないと買えない?

コンタクトレンズは、心臓ペースメーカーなどと同じ高度管理医療機器に分類されます。

これは、コンタクトレンズが目に直接装着するデリケートなものだからです。そのため、医師による適切な指示と定期的な検査が必要なのです。

コンタクトレンズを購入する際には、必ず医師の検査を受けて処方されたものを買うようにしましょう。

レンズは度数やデザインだけで決められません。一人一人の目や、その時の状態に合ったものを選ぶ必要があるのです。

眼科に行かずに眼鏡を作っても大丈夫?

「視力が落ちたな」と感じたときに「眼鏡を作ろう」と思ってまず眼鏡屋に行く人は多いのではないでしょうか?

しかし、まずは目に病気がないか、眼科の検査を受けましょう。もし目に病気があった場合でも、眼鏡で矯正して見え方が一時的に改善して安心し、放置してしまうと、目の病気が進行してしまう可能性があります。例えば緑内障になっていても、眼鏡で矯正をすると視力が良くなることがあります。そのため、病気が見落とされてしまうおそれがあるのです。

検眼はあくまでも医療行為です。なので、適切な眼科検査もないまま、眼鏡を作ることは非常に危険だといえます。

眼鏡を作るときには、まず眼科で検査を受けてから、眼鏡店で作ってもらうようにしましょう。また、現在は様々な眼鏡店がありますが、眼鏡店を選ぶときには良心的で信頼できるお店で作ってもらうことがとても大切です。

まとめ

目は非常に大切な器官ですが、ちょっとした異変に気づきにくい器官でもあります。「調子がよくないかも?」と感じた時以外でも定期的に検診に行って、病気を未然に防ぐようにしましょう。