マグネシウムは細胞内に分布し、さまざまな生理作用に関わる働きをしています。骨といえばカルシウムでできているというイメージが強いのですが、実はマグネシウムも骨を構成する重要な栄養素となっています。
それでは、マグネシウムにはどのような働きがあるのか、摂取目安量や欠乏症についても解説していきます。
マグネシウムの働きは?
マグネシウムは成人の体内に約19g含まれています。約3分の2が骨に存在しており、カルシウムとともに骨を健康に保つ働きをしています。
マグネシウムは全ての細胞に含まれるため、生体内で起こるほとんどすべての生合成反応や代謝反応に必要なミネラルです。300種類以上の酵素反応に関与しています。
また、筋肉細胞ではカルシウムの量を調節して筋肉がスムーズに収縮できるように働いており、これによって不整脈や心臓発作を防いでいます。
その他にも神経の伝達、体液の平行維持、ホルモン分泌などに関与し、生命を維持するためには欠かせない栄養素です。
マグネシウムを多く含む食品と摂取基準
マグネシウムを多く含む食品
食品 | 1食あたりの量 | マグネシウムの含有量 |
そば(乾) | 80g(1杯分) | 80mg |
蒸し大豆 | 45g(2/5カップ) | 50mg |
絹こし豆腐 | 150g | 83mg |
ながこんぶ(煮干し) | 10g | 70mg |
ひじき(乾) | 5g(大さじ1) | 32mg |
キンメダイ | 100g | 73mg |
するめ(加工品) | 30g | 51mg |
ほうれん草 | 80g(1/4束) | 55mg |
バナナ | 150g | 48mg |
アーモンド(フライ) | 10g(10粒) | 27mg |
出典:「改訂新版 栄養の教科書」を元にいしゃまち編集部が作成
マグネシウムの推奨量
単位mg
男性 | 女性 | |
1~2(歳) | 70 | 70 |
3~5(歳) | 100 | 100 |
6~7(歳) | 130 | 130 |
8~9(歳) | 170 | 160 |
10~11(歳) | 210 | 220 |
12~14(歳) | 290 | 290 |
15~17(歳) | 360 | 310 |
18~29(歳) | 340 | 270 |
30~49(歳) | 370 | 290 |
50~69(歳) | 350 | 290 |
70歳以上 | 320 | 270 |
妊婦(付加量) | +40 | |
授乳婦(付加量) | – |
出典:厚生労働省|日本人の食事摂取基準 2015年版を参考にいしゃまち編集部が作成
マグネシウムは精製・加工していない食品に多く含まれており、特に野菜や大豆製品、玄米、種子類に多く含まれます。アルコールやカフェイン入りの飲み物を飲んだ時や、ストレスが溜まっている時にもマグネシウムは消費されますので、精製されていない食品を意識してとるようにしましょう。
マグネシウムが不足するとどうなるの?
健康な人であれば、マグネシウムの欠乏は起こりにくいとされています。しかし、小腸での吸収がうまく行われなかったり、食事からの摂取が不足するとマグネシウム不足が起こります。マグネシウムの欠乏症には、骨粗鬆症、神経過敏症、精神疾患、不整脈、心疾患、筋肉収縮異常などが起こるとされています。
また、マグネシウムはカルシウムとの比率が大切で、カルシウム2に対し、マグネシウムが1未満は好ましくありません。このバランスが崩れると、虚血性心疾患の発症が増加するとされています。
まとめ
マグネシウムは全ての細胞に含まれ、多くの生体内反応に関与しています。神経の伝達や心臓の収縮などに関わる重要な栄養素です。ストレスを感じている時や、お酒、カフェインをよく摂る人は欠乏しやすいので注意しましょう。