豆腐はカロリーが低く、ダイエット中の方でも安心して食べられる食品です。味にクセがなく、料理のバリエーションが豊富な点や、手頃な値段で買うことができるのも嬉しいポイントですね。
豆腐の原材料は大豆で、栄養成分も大豆とほぼ同じとされています。その上大豆よりも消化が良く、タンパク質やミネラルを摂りやすいというのが豆腐の魅力です。栄養たっぷりの豆腐について、詳しく解説していきます。
豆腐ってどんな食品?
豆腐は「畑の肉」と呼ばれるタンパク質を多く含む大豆からできています。しかし、生の大豆は青臭かったり、食物繊維が多く消化が悪いというデメリットがあります。この大豆のデメリットをカバーするのが豆腐で、大豆よりも消化吸収がよく、手軽に使えるというメリットがあります。
豆腐は豆乳に凝固剤(にがり)を加えて作られます。木綿豆腐と絹ごし豆腐があるのは、製造方法の違いによるもので、木綿豆腐は粗い感触から、絹ごし豆腐は組織がきめ細かく滑らかになることからそのように呼ばれています。原材料は同じ大豆でも、製造方法が違うことによって水分の含有量が異なり、カロリーやタンパク質、ビタミンの量などに差が見られます。
木綿豆腐と絹ごし豆腐の食品成分の比較(100gあたり)
木綿豆腐 | 絹ごし豆腐 | |
エネルギー(kcal) | 72 | 56 |
タンパク質(g) | 6.6 | 4.9 |
脂質(g) | 4.2 | 3.0 |
カリウム(mg) | 140 | 150 |
カルシウム(mg) | 86 | 57 |
マグネシウム(mg) | 130 | 55 |
鉄(mg) | 0.9 | 0.8 |
ビタミンB1(mg) | 0.07 | 0.10 |
ビタミンB2(mg) | 0.03 | 0.04 |
葉酸(μg) | 12 | 11 |
食物繊維(g) | 0.4 | 0.3 |
出典:農林水産省「食品成分データベース」を元にいしゃまち編集部が作成
絹ごし豆腐は木綿豆腐よりも水分を多く含んでいるので、カロリーは低くなります。ほとんどの項目が木綿豆腐の方が優れていますが、ビタミンB1や、ビタミンB2は絹ごし豆腐の方が多めに含まれているのが特徴です。
豆腐に含まれる栄養素とその働き
イソフラボン
イソフラボンは大豆に含まれるポリフェノール成分の一種であるフラボノイドです。このイソフラボンには様々な働きがあり、大豆製品が健康に良いとされる理由の一つです。イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)に似たような働きをします。そのため、女性ホルモンの分泌が減少してくる更年期以降は、特に大豆製品の摂取が勧められています。
- 更年期障害の緩和
- 骨粗鬆症の予防・改善
- コレステロールや中性脂肪を減らす効果
- ガン・生活習慣病予防
- アンチエイジング
タンパク質
タンパク質は、筋肉や臓器、皮膚など、体の組織を作る材料となる大切な栄養素です。タンパク質には肉や魚などの「動物性」のものと、大豆製品からの「植物性」のものがあります。必須アミノ酸のバランスを示す、アミノ酸スコアは、動物性の食品の方が高いとされていますが、大豆のアミノ酸スコアは100とされています。脂質が少なく、良質のタンパク質を摂取できる大豆製品は、ダイエット中にもオススメの食品ですよ。
大豆イソフラボンの摂取量について

イソフラボンは、特に女性に嬉しい作用をしてくれますが、摂れば摂るほど良いというわけではありません。国内外の様々な試験データにより、イソフラボンの1日の摂取上限量は70~75mgとなっています。(食品安全委員会新開発食品専門調査会)イソフラボンの過剰摂取は、乳がんや子宮内膜増殖症のリスクを高める可能性も示唆されており、安全性が確立されていない部分もあるため、摂りすぎにはくれぐれも注意しましょう。
豆腐に含まれるイソフラボンの量は、100g(1/4〜1/3丁)あたり約20mgです。この数字だけを見れば影響は少ない気がしますが、日本人は味噌汁や豆乳を飲む機会が多いので、豆腐だけに限らず、大豆製品全体の摂取量を意識するようにしましょう。
まとめ
大豆は栄養満点の食品ですが、レシピのバリエーションも少なく、消化もあまり良くありません。ですが、豆腐であれば、タンパク質やイソフラボンを手軽に、吸収されやすい形で摂ることができます。摂取量に気を付けながら、大豆製品をとり入れて、日々の健康づくりに活かしてくださいね。