子供の感染症っていろいろありますよね。インフルエンザなど有名なものは、学校や幼稚園を休まなくてはならないことは皆さんもご存知だと思います。

では、とびひ。これについてはどうでしょう。そもそもどんな病気なのか、感染はするのか。治療はどのようなものなのか。学校や幼稚園には行っていいのか。わからないことが一つでもある方は、この機会にぜひ頭に入れておきましょう。

目次

とびひとは?

正式には伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)といい、細菌による皮膚の感染症のことです。

原因となる菌は黄色ブドウ球菌やレンサ球菌で、前者が大半を占めます。黄色ブドウ球菌は、健康な人間にも常に存在している菌ですが、皮膚のバリア機能が弱っているときなどに悪さをして症状を引き起こします。

アトピー性皮膚炎がある場合は特に感染しやすい傾向にあります。

暑い夏の時期に多く、乳幼児に多くみられます。かゆみを伴うので、乳幼児などは我慢できずに掻き壊してしまうことも多いです。

感染経路や症状など、詳しくは「あちこちに水疱が!とびひってなんで起こるの?」の記事をご覧ください。

とびひの治療法は?

黄色ブドウ球菌による感染は「水疱性膿痂疹」、レンサ球菌による感染は「痂皮性膿痂疹」となることが多いとされています。

そのため、症状が出たらそれぞれの菌に対して効果のある抗菌薬を使用します。

抗菌薬の種類

塗り薬・飲み薬の処方が一般的です。発熱があり、皮膚の深いところまでの強い炎症がみられる場合には、入院して点滴による抗菌薬を使用することもあります。

その他

症状の状態に応じて、かゆみ止めや炎症を抑えるステロイド薬を使用することもあります。

そして重要なのは、皮膚を清潔に保つことです。患部は無理にこすらず、よく泡立てた石鹸などで優しくよく洗い、ぬるいシャワーやお湯で綺麗に洗い流して清潔に保つようにします。

学校や幼稚園へは行っていいの?

とびひはいわゆる接触感染でうつります。菌のついた手でほかの傷口などを触ると、簡単に感染していきます。

しかし、傷口のない皮膚やバリア機能の弱っていない健康な皮膚に触れたからといってすぐに感染するわけではありません。

そのため、とびひでは皮膚がすでに乾燥している場合や、じゅくじゅくしていてもガーゼなどで覆うなどの対応をとれば、学校や幼稚園など出席停止の制限はありません。

基本的には、発熱などがなく元気であれば登校・登園は可能ですが、学校や幼稚園によって規則や制限があるので、念のため確認したほうがいいでしょう。

プールは、乾燥して痂皮(かさぶた)となるまでは控えるべきとされています。

普段の生活で気を付けることは?

子供用プール

まずは皮膚を清潔に保つことが大切です。

兄弟などがいる場合、とびひに感染したお子さんの入浴は最後にし、タオルも分けて使ってください。

夏場は特に汗をかきやすいため、こまめな入浴で皮膚を清潔に保ち、傷口など引っ掻いてしまわないように爪も短くしておくと良いでしょう。

まとめ

とびひは、その名の通り感染するとすぐに皮膚に「飛び火」していきます。そのため、まずは日ごろから皮膚を清潔に保つことを心掛けましょう。何か異変を感じたときや皮膚にとびひの症状が出たときはすぐに病院へ受診し早期治療を行うことで、症状悪化を防ぐようにしてください。