今ではおしゃれする手段の一つとして広く知られている「カラーコンタクトレンズ(カラコン)」。10~20歳代を中心に、幅広い年代にとって人気のアイテムとなっています。カラコンと、カラコン使用の危険性について簡単に説明し、併せてカラコン使用者が知っておきたい、注意すべき5つのポイントを紹介します。

目次

カラコンとは

コンタクトレンズには近視や遠視・乱視・老眼といった視力矯正を目的とした視力矯正コンタクトレンズ、角膜を保護する目的の治療用コンタクトレンズ、病気などで茶目(虹彩)に欠損がある場合などに使用する色がついた虹彩付コンタクトレンズなどがあり、カラコンはこの虹彩付コンタクトレンズに該当します。

カラコンはソフトコンタクトレンズ(ソフトレンズ)に正常眼より大きく虹彩が描かれています。カラコンを着けると「黒目がち」に見せたり、瞳の色を変えたりできるため、視力矯正を必ずしも必用としない方にも、見た目やおしゃれ、つまり美容目的で用いられます。

視力矯正効果のない、外見を変える効果だけを持つものは「度なし」カラコンと呼ばれています。

カラコンは高度管理医療機器

カラコンを入れる女性

カラコンを使用する前にその危険性を理解しておく事は重要です。

カラコンに限らず、ソフトレンズは装用感が良いので、つい着けている事を忘れてしまいがちです。ただいくら装用感が良くても目にコンタクトレンズという異物を入れている事に変わりはありません。つまり、間違えた使い方をすることで目のトラブルに繋がる恐れがあります。そのためコンタクトレンズは高度管理医療機器(に指定されています。

※高度管理医療機器とは…「副作用・機能障害を生じた場合、人の生命・健康に重大な影響を与える恐れがある」ので「その適切な管理が必要なもの」と薬事法で定められています。

ところが、視力矯正を目的としない度なしカラコンは、以前は「疾病の診断、治療若しくは予防に使用される」わけではないので医療機器ではないとされ、薬事法の規制の対象ではありませんでした。そのため当時度なしカラコンは「かつら」などと同じ雑貨品として、雑貨店や文具店でも扱われていました。

しかし、「消費者」が薬事法によって安全管理されていない異物を、目の形に合うかではなく、デザインを基準に選んで「適切な管理」の方法も必要性も知らないまま扱っていれば、いろいろトラブルが起きても不思議ではないでしょう。実際、カラコンによる眼障害が多数報告されてきました。

海外製のカラコンには粗悪品もあり、カラコンの色素が溶出したり、レンズ表面に露出していたりするものがあります。使用者側にも、酸素透過性が低いレンズや目の形に合わないレンズを無理して使用する、レンズケアの方法や使用期限を守らないなどの問題がある場合もあります。

度なしカラコンに関連した、角膜・結膜の障害、視力障害が頻発したため、厚労省は2009年に度なしカラコンも高度管理医療機器に指定しました。

カラコンを含め、コンタクトレンズは適切に使用しないと目の病気を招いてしまう恐れがあることを覚えておきましょう。コンタクトレンズを使用する際の注意点については「つけっぱなしでも大丈夫?コンタクトレンズ使用時の注意点」の記事もご確認ください。

カラコン使用上の注意

カラコン使用時の注意

カラコンは高度管理医療機器です。正しい扱い方を守り、安全かつ快適に使いましょう。カラコン使用者が注意すべき5つのポイントをご紹介します。

装用時間や使用期限を守る

カラコンの場合は通常のコンタクトレンズよりも酸素透過性が低いものが多いので、装用時間が長くなりすぎないように注意する必要があります。

装用時間が長ければ角膜に対する負担も大きくなるため、帰宅後などカラコンをしている必要がない場合は極力レンズを外し、角膜を休めてあげましょう。使い捨てレンズなど使用期限が決まっているものについては、使用期限を守りましょう

正しいケア方法を守る

カラコンなどのソフトレンズは水道水が使用できないため、専用の液ですすぎ・洗浄・消毒・保存を行わなければなりません。現在ではこれら一連の流れを1本の液で行えるMPS(マルチパーパスソリューション)が主流となっています。ソフトレンズのケア方法にはMPSの他に、過酸化水素タイプ、ヨウ素タイプもあります。

カラコンによっては、使えないケア方法があると明記しているものも存在します。カラコンとケア用品の取扱い説明書を読んで確認してください。コンタクトレンズのケアでは必ず適切なケア用品を正しく使用するようにしましょう。

レンズを他人に貸さない

おしゃれアイテムとして使用している度なしカラコンを友達と貸し借りして使う人も中にはいるようです。

涙は体液の一種です。歯ブラシや下着の貸し借りと同類のことと思って下さい。新品ならよいというわけではありません。仲良しの友達どうしでも、目の形はそれぞれ別です。人に貸したり人から借りたりということは絶対にやめましょう。

夜間の運転には注意

カラコンは中心の瞳孔部分が透明で、虹彩(茶目)部分は輪の形に着色されています。しかし暗い所などで瞳孔は開いて大きくなるため、着色部分が瞳孔にかかって見づらくなる可能性があります。夜間に運転するときには安全のためにカラコン装用を避けましょう。

定期検診を必ず受ける

度なしカラコンを使用している人の中には、眼科で診察を受けずに、安易にインターネットや雑貨店などで購入している人がいます。つまり高度管理医療機器を適切に管理できているかどうか、チェックを受ける機会を逸したまま使っていることになります。

角膜のカーブや大きさは人により様々です。自分の目に合っていないレンズを装用するとズレやすかったり、異物感があったり、時には涙の交換が行えず角膜や結膜を傷つけたりするなど、トラブルを引き起こしてしまう場合もあります。

カラコン使用の際は必ず眼科医による診察を受け、カラコンが自分の目に合っているかを調べてもらいましょう

またソフトレンズ使用者は、目に傷がついても気付きにくいため、カラコンを使用していて問題がないと思っていても定期的な検診を受けるようにしましょう。

まとめ

カラコンは高度管理医療機器です。誤った使用をした場合の影響は大きいですが、正しい使用方法を守れば、おしゃれアイテムとして安全に利用できます。適切に使用して、少しでも目に異常があれば早めに眼科医の診察を受けるようにして、快適なカラコン生活を送りましょう。