髪に付け毛する「エクステンション(エクステ)」が女性の間で人気となり、その後は髪の毛だけでなくまつ毛エクステも流行しています。

まつ毛を長く、濃くすることで目元の印象を変えられる点などが魅力の要因ですが、正しく施術しないと眼に影響を与えかねません。ここではまつ毛エクステと眼障害の関わりについて詳しくみていきましょう。

目次

まつ毛エクステとは

まつ毛エクステとは、もともと生えているまつ毛に専用の接着剤(グルー)を使って人工毛を着ける技術・方法のことです。まつ毛の根元から1、2ミリ離して装着するため、皮膚に直接着けるものではありません。まつ毛エクステは法律で美容行為と定められていて、お店で施術できるのは美容師免許を持っている人に限られます。

眼球に近い部分で行うため高い技術が必要となりますが、担当者の知識・経験が足りなかったり、無資格の人が施術したりすると眼に被害が及ぶ可能性があります。

店舗でまつ毛エクステを受けた人の中で、免許が必要なことを知っていた人は70%いる一方、施術者が免許を持っているか実際に確認した人は50%に満たないというデータもあります(国民生活センターより)。

まつ毛エクステと眼障害

まつ毛エクステの流行に合わせて問題となってきたのが、施術後に起きる眼障害です。まつ毛エクステでけがや病気を受けた情報が消費生活センターに2010年度から5年間で599件も寄せられています(国民生活センターより)。

眼の周辺は刺激に敏感で、感染症にかかるリスクもあります。まつ毛エクステのトラブルで起こる眼障害には次のようなものがあります。

眼瞼(がんけん)皮膚炎

トラブルの中で一番多いのが眼瞼皮膚炎です。まぶたの縁やその周辺に炎症が起こる眼瞼縁炎、接触性皮膚炎と合わせると約45%を占めます(厚生労働省より)。

グルーがまばたきや洗顔、汗などで少しずつ流れてまぶたに付いて炎症を起こし、赤みやかゆみ、かさつきなどの症状が現れます。蒸散して散るときにも影響を及ぼします。グルーの成分は法律の規制対象外なので、ホルムアルデヒドなど刺激の強い成分が配合されているものもあります。

角膜障害

人工毛やグルーの刺激で角膜表面に傷がついた状態です。異物感、まぶしさ、痛み、充血、流涙などの症状が現れます。また、角膜の傷に細菌感染が起こると角膜潰瘍を起こすこともあります。これは、角膜疾患としては重症で、治療後も角膜の濁りが残って視力が低下する可能性もあります。失明を招く場合もあるので、早めの対策が必要です。

結膜炎

グルーが何らかの原因で目に入ってしまい、結膜に炎症を起こした状態をいいます。充血目ヤニなどの症状が出ます。

 

 

まつ毛エクステを受ける際は、これらの眼障害の危険性について説明してもらってから臨みましょう。

治療法とは

目薬をさす女性

まつ毛エクステ後に眼のトラブルが起きた場合は、速やかに眼科を受診します。眼科では眼障害に対して点眼薬や眼軟膏による治療が行われます。

また角膜や結膜に症状が出たときは、コンタクトレンズが症状を悪化させたり隠してしまったりすることがあります。まぶたのトラブルの際も、眼軟膏がレンズに触れてしまうと曇りや汚れの原因となるため、治療中のコンタクトレンズの使用は控えましょう。

眼障害に遭わないためには

手軽にまつ毛エクステを受ける人がいますが、眼に及ぼす影響を考えると知識を持たないのはとても怖いことといえます。眼障害に遭わないためにも次のことに注意しましょう。

  • 美容師免許を持った人が施術を担当するか。
  • 施術前に眼障害などについて説明がきちんと行われているか。
  • トラブルが起きたときの説明もされているか。

上記のことは必ず知っておきたい重要事項です。これら3つをしっかり説明してくれる施設を選ぶことが、眼障害のリスクを下げるポイントといえるでしょう。

まとめ

まつ毛エクステは女性のおしゃれとして年代を問わず注目されています。安全にまつ毛エクステを楽しむには正しい施設選びに加え、まずは自分自身が正しい知識を持つことが大切です。