暖かくなると外でバーベキューをする機会が増えますね。バーベキューは仲間や家族と過ごすことのできる楽しいイベントの一つですが、気をつけておきたいのが食中毒です。せっかくの楽しい時間を楽しい思い出にできるよう、食中毒対策をしっかり行いましょう。
どうして起こる?バーベキューでの食中毒リスクとは
夏にかけて暖かくなる季節は屋外で食事を楽しむ機会が増えます。キャンプやピクニックなどのイベントと合わせてバーベキューを行う人もいれば、家族や友人とのパーティーとして行う人もいるでしょう。
バーベキューと普段の食事の大きな違いは「屋外で食べる」ことです。家の中はある程度の温度管理ができていますし、冷蔵庫のように食品を適切に保管する環境も整っています。
しかし、屋外での食事は温度管理が難しく、さらにじめっとした日本特有の夏の気候は、食中毒菌の増殖に適した環境だといえます。さらに、バーベキューを行う場所にもよりますが、必ずしも清潔であるとは言い切れません。
このように、屋外という環境自体が衛生を保つのが難しいこと、空調を整えることが難しいため食中毒菌が発生しやすい環境が揃ってしまうことが、根本的な原因といえるでしょう。
食中毒の原因となる細菌と症状は?
肉についている食中毒菌の種類と潜伏期間、症状のまとめ
食中毒菌 | 潜伏期間 | 症状 |
腸管出血性大腸菌 (牛) |
3〜5日 | 発熱、腹痛、下痢。 重症化で溶血性尿毒症症候群や 脳症を併発する。 |
サルモネラ菌 (牛、豚、鶏、羊) |
8〜48時間 | 悪心、嘔吐、下痢、腹痛。 重症化で意識障害や けいれんが起こる。 |
リステリア菌 (牛、豚、鶏) |
平均3週間 | 発熱、頭痛、嘔吐。 重症化で意識障害や けいれんが起こる。 |
カンピロバクター (牛、豚、鶏) |
2〜5日 | 下痢、腹痛、発 熱、悪心、 おう吐、頭痛、悪寒、倦怠感 。 重症化すると脱水が起こる。 |
出典:厚生労働省医薬食品局食品安全部 基準審査課|正しい知識で食中毒対策を! 肉はよく焼いておいしく食べよう を参考にいしゃまち編集部が作成
平成15~24年における食中毒の発生状況は、件数、患者数ともにカンピロバクターが1番多くなっています。また、牛・豚・鶏のなかで食中毒菌の付着が多いのは鶏肉です。
食中毒の症状が出るまでにはある程度時間を要するため、忘れた頃に症状が出るということもあります。子どもやお年寄りが食中毒になると強い症状が出やすいので注意しましょう。
バーベキューで食中毒を起こさないためには?
食中毒予防の3原則は、「付けない・増やさない・殺す」ことです。食品を口に運ぶまでのすべての工程で、常に食中毒予防を意識しておくことが大切です。
1.食品を低温保存する
食品は購入したら調理するまでの間は10℃以下で保存するのが望ましいです。保冷剤を入れたクーラーボックスを用意し、日陰などの涼しい場所で保管しましょう。また、肉や魚はビニール袋に入れて、他の食品と接しないようにしてください。
2.手や調理器具はアルコール消毒を
生肉や生魚には食中毒菌がいる場合がありますので、扱ったあとにそのまま生で食べる食品を触らないようにしましょう。水道が近くにあるのが理想ですが、ない場合はウェットティッシュを使い、こまめにアルコール消毒をしてください。調理器具も同じです。
3.食品はしっかり加熱をする
大体の食中毒菌は加熱すると死滅します。中心部が75℃以上、1分以上の加熱が目安です。
3.箸やトングを使い分ける
生肉を扱った箸やトングで焼き上がった食品を触ると、食中毒菌が付着することがあります。箸は人数分よりも多く用意して、工程ごとに分けて使用しましょう。
まとめ
バーベキューは大人数で行うことが多いので、集団感染をする可能性もあります。食品の取り扱いには十分に注意し、安全で衛生的なバーベキューを楽しみましょう。