普段何気なく食べている加工食品のほとんどには賞味期限や消費期限が記載されています。自分や家族の健康を守るだけではなく環境保全のためにも、この2つの期限の定義や違いを知ることが大切です。賞味期限と消費期限の違い、食品保存のポイントについて解説していきます。

目次

2つの期限の定義と違いは?

賞味期限とは?

賞味期限は、食品を買ってから保存方法を守って保存した場合に食品の品質を維持しておいしく食べられる期間のことです。スナック菓子、カップ麺、缶詰、ペットボトル飲料などの比較的いたみにくい食品に記載されています。

賞味期限をオーバーしたとしてもすぐに腐ってしまったり、食べられなくなったりするわけではありません。賞味期限が切れてしまったものは、開封してから匂いや色をチェックして異常がないか確認してみましょう。もし異変がなければ食べることができます。

消費期限とは?

消費期限は賞味期限に比べていたみやすい食品に記載されています。代表的な食品はお弁当やサンドイッチ、肉、ケーキです。食品によって期限の長さに差はありますが、ほとんどが5日以内となっています。

食品の保存は賞味期限と同じく、記載されている方法を守っていることが前提です。いたみやすい食品に記載されているということからも、消費期限を過ぎたら食べないようにしましょう。

期限はどうやって決めているの?

期限は食品を製造して包装を行った業者によって決められます。だいたいの予想で付けているわけではなく、科学的な根拠やガイドラインに基づいて決められているものなので安心しましょう。

期限表示は食品を購入した消費者が記載されている通りの保存をしてくれるとは限らないので、ギリギリの期限ではなく余裕を持って設定されています。想定される日数に安全係数というものをかけて期限が決められますが、この係数は0.8が適切とされているようです。

例 賞味期限が10日の場合
10日×0.8(安全係数) = 8日

食品の安全性を高めるためには?

日本では鮮度や賞味期限についての意識が高く、普段から新鮮さを意識して購入をしています。しかしここで問題とされているのが、スーパーで食品を買うときに新しいものを優先し、少し日付が古いだけでも売れ残ってしまうという現象です。

食品は必ずしも日付が新しければ新鮮というわけではありません。製造方法や包装、流通、原材料の鮮度の違いで品質に差が出てきてしまうのです。消費者のこのような傾向は食品ロスにも繋がります。

食品の安全性は日付だけではなく、店舗や流通時の取り扱い、家庭での保存状況、購入した食品を家に持って帰るまでの状態といった条件によっても変わります。

生鮮品においては、冷蔵庫保存が必要な食品だと理解していても温度までは知らないという人がほとんどです。同じ冷蔵庫への保存でも、設定温度によって日持ちの期間が2倍の差になることもあるので注意が必要です。食品に保存温度の記載がある場合にはその温度を守るようにしましょう

冷蔵庫の使い方

  • 買い物から帰ってきたらすぐに食品を入れる
  • 庫内の設定温度を調節する
  • 食品を詰め込みすぎない
  • 肉や魚は袋に入れて下の棚に入れる
  • 調理済の食品は早めに食べきる
  • 定期的に庫内を掃除する
  • 冷蔵庫を開けるときは静かに素早く行う

まとめ

賞味期限と消費期限は対象の食品が異なり、いたみやすいかそうではないかといった基準で大きく分けられています。しかし、この期限は家庭で正しい保存方法が守られているということが条件です。

普段から食品の安全性に対する意識を高め、購入時だけではなく家庭で正しい保存ができるように心がけることが大切です。食品購入を計画的に行うことは、食品ロスを減らして環境保全にも繋がります。冷蔵庫のチェックとこまめな買い物を心がけ、安全で環境に優しい生活をしていきましょう。