タンパク質は炭水化物、脂質と並ぶ三大栄養素です。私たちが生きていくためには欠かせない栄養素であり、体の重要な働きを担っています。
タンパク質の働きやダイエットとの関係、摂取目安量について見ていきましょう。
タンパク質の働き
タンパク質は私たちの体を作る成分です。筋肉や臓器、肌、爪などほとんどの組織がタンパク質からできています。さらにホルモンや酵素、抗体といった身体の機能を調整する重要な成分の材料にもなるのがタンパク質です。
タンパク質はさまざまな種類がありますが、すべて20種類のアミノ酸が結合したものから構成されており、それぞれ性質が異なっています。タンパク質の体内での利用率はこのアミノ酸の組成によって異なっており、利用率の高いものを良質のタンパク質と呼びます。
タンパク質が不足すると免疫力の低下、疲労回復の遅れ、貧血を起こしたり、美容面にも影響が出たりする場合があります。
ダイエットとタンパク質の関係
ダイエットにはタンパク質が重要とされています。これは、タンパク質で構成されている筋肉の量が基礎代謝と関係しているからという考えに基づくものです。
通常エネルギー源としては糖質と脂質が使われていきますが、この2つの栄養素が不足したときには筋肉に含まれるタンパク質が分解され、アミノ酸がエネルギー源として利用されます。このため、過度な糖質制限や脂質制限は筋肉量を減らし基礎代謝を低下させ、結果的には痩せにくい体を作っていると考えられています。
タンパク質はどのくらいとればいい?
タンパク質の摂取量は、厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準に記載されています。推定平均必要量と推奨量の範囲では、成人男性が50〜60g、成人女性が40〜50gです。
また、スポーツ系のサイトでは、通常の人であれば体重1kgあたり0.8〜1.0g、日常的にスポーツをする人やダイエットをしている人は1kgあたり1.5 gというように、自分の体重からタンパク質の必要量を計算する方法を採用している場合もあります。
活動レベル | 体重1kgあたりに必要な タンパク質量(g) |
運動をしていない人 | 1.0 |
運動愛好家の人 | 1.5 |
アスリート | 2.0 |
出典: 明治ザバス 「プロテイン」基礎知識を参考にいしゃまち編集部が作成
タンパク質量を算出するための係数は各サイトや文献によって異なる場合があり、決められているわけではありません。この計算では、普段運動をしていない60kgの人であれば必要なタンパク質の量は60g、50kgの人では50gです。この計算方法からタンパク質量を算出しても、食事摂取基準の値とほぼ一致するようになっています。
また、ダイエットをしている場合は現在の体重ではなく、目標体重や標準体重に当てはめて考えると丁度よい量になります。
普段からタンパク質の量を意識するのはなかなか難しいですが、家庭でよく食べられている食品のタンパク質量をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
主なタンパク質源となる食品のタンパク質含有量
食品名 | 1食あたりの量 | タンパク質量(g) |
牛もも肉 (輸入・脂身付き) |
80g | 15.7 |
ぶたもも肉 (中型・脂身付き) |
80g | 15.6 |
ロースハム | 2枚(40g) | 6.6 |
ウインナー | 3本(45g) | 5.9 |
鶏もも肉 (若鶏・皮付き) |
80g | 13.3 |
木綿豆腐 | 1/6丁(5uin0g) | 3.3 |
卵 | 1個 | 6.2 |
牛乳 | 200ml | 6.6 |
白鮭 | 1切(80g) | 17.8 |
サバ | 1切(80g) | 16.5 |
まだら | 1切(80g) | 14.1 |
出典:文部科学省 食品成分データベースを参考にいしゃまち編集部が作成
加工品を購入する場合は食品表示の欄には必ずタンパク質量が記載されています。意識して見ていると、どの食品にどのくらいのタンパク質が含まれているのかが自然と知識が身に付いていきますよ。
まとめ
タンパク質は、私たちの体の組織やホルモンや酵素といった大事な物質の材料となる栄養素です。肉や魚など、主菜と呼ばれる料理に多く含まれていますので、単品料理ばかりしているとタンパク質が不足しがちになります。主食、主菜、副菜が揃ったバランスの良い食事を心がけ、健康な体を保ちましょう。