野菜は体にいいものというイメージがありますが、実際には1日にどのくらい摂取すればよいのかご存知でしょうか?日本では食生活の変化から野菜の摂取量が減ってきています。野菜を食べることのメリットや理想的な摂取量について解説します。

目次

1日の野菜の摂取目安量は?

野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が多く含まれています。もちろん各栄養素の摂取目標量というものもあるのですが、栄養素単位で計算して管理するのはなかなか無理があります。そこで、野菜の摂取量についてはわかりやすく350gという数字が目標値として設定されています。

それでは実際に、普段私たちがどのくらいの野菜を摂取できているのか確認してみましょう。平成28年度の国民健康・栄養調査の結果では、成人男性における1日の野菜の摂取量は平均283.7g、成人女性では270.5gとなっており、どちらも目標値の350gという数字に対して下回っていました。

また、年代別でみると60代70代は男女とも野菜の摂取量が300g付近と多いのに対し、20〜40代では低めです。まずは病気予防が重要とされるなかで、若い世代の野菜摂取量が低いというのは気になる点ではないでしょうか。

350gってどのくらい?

実際に350gといわれても、どのくらいの量なのかピンと来ないという人も多いですよね。量を把握するためにはレシピを見て作るのが一番ですが、家族の分も一緒に作ったり作り置きから食べたり、そもそもレシピを見て料理を作るのもなかなか面倒な作業だったりします。

350gを把握するためには、農林水産省が作成した食事バランスガイドの考え方を用いるのが良いでしょう。食事バランスガイドは「何を」「どれだけ」食べたら良いのか、食事をバランス良く食べるための考え方をわかりやすくまとめたものです。

食事バランスガイドの副菜というグループには、野菜・きのこ・芋・海藻類が属しています。1日あたりのカロリーが2,200±200kcal(成人女性・活動レベルふつう)の場合は、小鉢5〜6皿分が適量とされています。1食あたりでは1〜2ですね。

朝はバタバタして食事を用意できない、夜は疲れて簡単なものになってしまう…など、野菜が不足してしまう背景にはさまざまなものがあります。しかし、「野菜を食べよう」と意識するだけでも変わりますので、お弁当を選ぶとき、外食をするとき、家で食事をするとき、さまざまな場面で野菜のおかずを目の前に置くことを心がけていきましょう。

野菜が摂れない…野菜ジュースでも代わりになる?

野菜不足を補う必殺技といえば野菜ジュースですよね。しかし、本当に野菜の代わりになるのでしょうか。

結論からいうと、野菜ジュースは野菜の代わりにはなりません。野菜ジュースには野菜と同じくビタミンやミネラルなどの栄養素が含まれていますが、野菜の機能はそれだけではないのです。

【野菜の機能】

  • 固い野菜をしっかり噛むことで咀嚼機能を発達・維持できる
  • ボリュームが出るのでお腹にたまり、満足感を得られる
  • 四季の移り変わりや色彩によって見た目も楽しめる

確かにジュースだけを飲んでもお腹をいっぱいにすることは難しいですよね。また、野菜ジュースにはデメリットもあります。

  • 果汁入りのものはエネルギー過多に繋がる
  • 塩分が添加されているものがある
  • 野菜と比べて栄養成分が少ないと報告されている

野菜ジュースには1日分の野菜が摂れると表記されているものありますが、これは恐らく加工前の状態であり、洗浄や加熱といったさまざまな過程を経てできあがった野菜ジュースは、栄養素が損失している可能性も考えられるのです。

野菜は体に良いというイメージだけで毎日たくさんの量を飲んでいると、体重増加や血圧上昇の原因にもなりかねません。糖尿病や高血圧といった疾患を持っている人は特に注意が必要です。

まとめ

野菜はさまざまな機能を持ち健康づくりには欠かせないものですが、人によっては主食や主菜に比べて摂るのが難しいものでもあります。もう一度野菜の魅力を見つめ直し、野菜のある彩りの良い食卓を目指しましょう。