オーガニックとは日本語に翻訳すると「有機」となります。「有機」という言葉はよく聞くけれど、いったい何? 体にやさしいんですよね?「オーガニック」は値段が高いですよね? 等、いろいろな疑問が出てくると思います。「オーガニック」とは何か、分かりやすく説明します。

目次

オーガニックって何?

「オーガニック」と聞くと、大自然の草原を思い出してしまうのは私だけではないと思います。オーガニックとは日本語に翻訳すると「有機」です。「有機です」と言われてもその有機が分からない、という人も少なくないでしょう。有機とは、土壌中の微生物による分解などでできる「堆肥(たいひ)」を使ってできた農作物のこと。化学肥料を使わず、もともと自然界に存在しているものを栄養源としていることが「オーガニック」の特徴です。

オーガニックの目的

植物は「無機の栄養素」を取り込んで、有機化合物を作ることによって成長していると考えられていました。そのため、無機の栄養素で作った肥料を多用して生産性を上げようとしていた時代がありました。思惑とは逆に、自然破壊がどんどんすすんでしまい、昔ながらの有機肥料を使った農業の方法が環境にやさしいのではないかと考える人たちが現れました。
これが「オーガニック」の礎です。
オーガニックとは、自然環境を守るためのものなのですね。

オーガニックは体にやさしい?

このようにオーガニックは人体への影響を考えて始められたことではありません。太陽や動植物、微生物などを利用した方法であるため、結果的に安全性が高まったように感じられますが、オーガニックの農産物は一般の農作物に比べれば危険が低いという程度にとらえるほうがよいようです。もちろん、一般の農作物も安全性について厳しくチェックされていますので、食べると危険だというわけではありません。オーガニック以外の農産物も安心して食べていただいて問題ありません。

ただ、味については、オーガニックの食品は自然の肥料を使っているせいか「自然に近い味」がして美味しいという人が多いようです。野菜嫌いな人がオーガニック食品は美味しいと言って食べるという話もめずらしくありません。実際、一部の野菜を用いた実験結果で一般の野菜よりも栄養分が多かったという結果が出ているものもあるようですが、これもまだまだごく一部。オーガニックだから栄養価が高いと結論付けるにはまだ早いという段階です。

とはいえ、一般の農作物と安全性や栄養価に差がないとしても、自然にやさしく、美味しいと感じられるのであれば、オーガニックを選ぶ価値はあるのかもしれませんね。

オーガニックにはマークがある

日本国内で「オーガニック」と称して商品を販売する場合、栽培方法、使える肥料、製造方法、使える食品添加物などが細かく定められていて、この基準に合致していることを登録認定機関の審査・認証を受けた生産者や加工業者のみが表示できることになっています。これらの詳細は、JAS法によって定められており、認証マークは「有機JASマーク」と呼ばれています。「有機JAS」の認定を受けていない農産物や加工食品に、「有機」、「オーガニック」などの名称の表示や、これらと間違えやすい表示をすることは法律で禁止されています。

まとめ

以上のように「オーガニック」は自然にやさしい農産物を生産する方法です。我々人間も、自然の一部である以上、自然にやさしい食物を食べて自然にやさしい生活を送ることが、健康のためにもよいようには感じます。
とはいえ、「オーガニック」=「安全、安心」と考えるのは、若干、短絡的すぎます。

オーガニックの本来の意味をきちんと理解した上で、オーガニックの商品を生活の中に取り入れていきたいものです。