体の細胞の酸化は、老化や生活習慣病の原因の1つとなっています。これを食い止め、健康を維持すためのカギとなっているものが抗酸化物質です。この記事では、抗酸化物質の効果や働きについて詳しく解説し、多く含まれる食品を紹介していきます。

目次

活性酸素ってなに?

抗酸化物質を説明するにあたって、はじめに知っておきたいのが活性酸素についてです。活性酸素自体は体内に自然に存在し、感染防御や血流の確保といった生理機能に関与しています。

このため、活性酸素が体内に存在すること自体は悪いことではないのですが、過剰に増えすぎてしまったときにはさまざまな問題が生じてくると考えられています。

活性酸素の過剰が原因となって引き起こされる疾患や症状

動脈硬化、しみ・しわ、糖尿病、高血圧、腎不全、がん

活性酸素が過剰に作られやすい状態

激しい運動、過度の飲酒、喫煙ストレス乱れた食生活紫外線薬品大気汚染

活性酸素の増加は、自分で気をつけることができる場合もありますが、大気汚染など防ぐことが難しいものもあります。

抗酸化物質ってなに?多く含まれる食品は?

抗酸化物質とは、活性酸素の増加を抑制したり、発生そのものを抑えたりする働きを持つ物質のことをいいます。

抗酸化物質にはさまざまな種類があり、機能性成分と呼ばれるポリフェノールやカロテノイド、ビタミンAビタミンCビタミンEが代表的です。

抗酸化物質は、ポリフェノールだけでも5,000種類以上あるといわれているので、日常的に摂取するのは難しいことではありません。食品として考えると、野菜や果物に多く含まれており、色素や匂いの成分となっています。

ポリフェノールは水溶性なので体に吸収されやすいというメリットがありますが、その分効果に持続性はありません。他の成分についても、一度に大量に摂取するよりも、少量をこまめに摂取する方が効果を期待できます。

抗酸化サプリメントは効果ある?

体に良いものであれば、効率よく手軽なサプリメントから摂取したいと考えるのは自然なことです。しかし、抗酸化サプリメントの使用については効果が明らかになっていない部分が多く、ほとんどの臨床試験においても健康効果が実証されていません。

このことからも、抗酸化サプリメントは健康を増進させ病気を予防するどころか、効果がないので使用は控えた方が良いとの見方がされています。

サプリメントが一般食品と違うのは、一度に高用量の成分が体にとりこまれるということです。そのため、サプリメントの摂取によって副作用が現れたり、かえって健康を害する可能性が否定できないので、使用には十分な注意が必要です。

特に、持病があったり、妊娠中・授乳中など体が特別な状態の場合には、使用を避けるか、どうしても使用したい場合は必ず医師に相談するようにしましょう。

まとめ

抗酸化物質は、さまざまな病気の原因となる過剰に増えた活性酸素の働きを抑制する効果が期待されています。しかし、抗酸化サプリメントについては効果がないと考えられているので、使用の際は注意が必要です。まずは普段の食生活で野菜や果物を増やせるように努め、自己判断でサプリメントを摂取するのは控えた方が賢明といえるでしょう。