更年期以降に女性に多く見られるのが骨粗鬆症です。女性ホルモンの分泌量が低下することも深く関わっていますが、食事で維持・予防することもできると考えられています。骨粗鬆症予防に効果的な食事について解説します。

目次

骨粗鬆症ってどんな症状?

骨粗鬆症は骨密度が低下して骨がスカスカの状態となり、骨折しやすくなる状態のことをいいます。加齢骨密度低下の原因の一つで、特に女性はホルモンの影響によって骨粗鬆症になりやすい傾向にあるようです。

骨粗鬆症の原因は、加齢の他にも食生活、運動習慣、お酒、タバコ、カフェインといったさまざまなものがあります。骨粗鬆症の症状は、骨がもろくなって骨折しやすくなるだけではなく、寝たきり生活の引き金となってQOLを低下させることもあるのです。

骨粗鬆症を予防するためには、他の病気予防と同様に、できるだけリスクを下げるように日常生活から気をつける必要があるでしょう。

カルシウムはどのくらい摂れば良いの?多く含まれる食品は?

骨や歯を丈夫にするために一番大切なのはカルシウムというミネラル成分です。日本人はカルシウムの摂取量が少ないとされているので、普段の食生活のなかで十分なカルシウムが補給できるように意識していきましょう。

カルシウムの推奨量(mg/日)

男性 女性
18-29歳 800 650
30-49歳 650 650
50-69歳 700 650
70歳以上 700 650

参照:日本人の食事摂取基準2015年版を参考にいしゃまち編集部が作成

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版では、骨粗鬆症予防のためには1日の推奨量にプラス100mgが良いとされています。また、カルシウムをサプリメントから摂る場合は1回に500mg以上摂取しないように気を付ける必要があるようです。

カルシウムを多く含む食品

食品と分量 カルシウム
の含有量
乳製品 チーズ
20g
126mg
牛乳
1カップ
231mg
魚介類 ワカサギ
4尾
450mg
煮干し
5尾
63mg
ひじき
8g
112mg
干しエビ
大さじ1
568mg
野菜 小松菜
1/4束
128mg
水菜
150g
315mg
大豆製品 豆腐
1/2丁
180mg

参照:骨粗鬆症を防ぐ食事と生活を参考にいしゃまち編集部が作成

カルシウムを多く含む食品のなかで、吸収率が比較的高いのは乳製品です。すべての量を乳製品で賄う必要はありませんが、1日のなかのどこかで1回は乳製品を摂取できると良いでしょう。

カルシウムの吸収率を高める食品は?

十分な量のカルシウムを摂取できていたとしても、カルシウムは体に吸収されにくいという心配な点があります。ミネラル成分は互いに吸収を妨げ合う性質を持っており、せっかくカルシウムを摂取しても全てが体に吸収されるわけではないのです。

カルシウムの体への吸収を高める成分には、ビタミンDやビタミンKがあります。ビタミンDは魚やきのこ類に多く含まれていますが、日光を浴びることによって体内で生成することも可能です。ビタミンKは、納豆やほうれん草、ブロッコリーに多く含まれています。

骨と骨を繋ぐという意味であれば、コラーゲンの生成も重要な役割があります。コラーゲンの劣化を防ぐビタミンBをしっかりと摂取すれば、骨質を良い状態に維持できるかもしれません。

しかし、食品を栄養素単位で意識して摂るのは難しいと思います。無理をして同じ食品に偏るのも良くはないので、まずはバランスの良い食事を目指すように意識しましょう。

カルシウムの吸収を高める食品がある一方で、妨げてしまうものもあります。その成分がリンとナトリウムです。どちらもインスタント食品や加工食品に多く含まれていますので、このような食事を減らしていけるよう努めましょう。

まとめ

カルシウムは骨を丈夫にし、骨粗鬆症の予防効果が期待できる成分です。乳製品やビタミンDとビタミンK、ビタミンB群を積極的に摂り、リンやナトリウムを控えるように意識をし、骨の健康維持に役立てましょう。