カルシウムといえば骨の健康。子供の成長や、骨粗鬆症予防のためには特に欠かせない栄養素です。しかし、日本人は慢性的にカルシウムが不足しているとのデータがあります(平成27年度 国民健康・栄養調査結果の概要)。いつまでも元気に過ごすためにも、日頃からカルシウムの摂取を意識することが大切です。
カルシウムは牛乳や小魚に多く含まれていますが、1日の摂取目安量やその他に含まれる食品も知っておきたいですよね。
この記事ではカルシウムがどのような働きをするのか詳しく解説し、どのような食品に多く含まれているのかを1日の摂取目安量とともに紹介していきます。
カルシウムの働きは?
骨や歯を作る
成人の体においては、カルシウムは約1kg存在しており、99%が骨や歯の構成成分となっています。骨はカルシウムの貯蔵部位としても機能し、破壊や再生を繰り返しながら血中のカルシウム濃度を常に一定に保っています。
神経や筋肉の働きを正常にする
残りの1%のカルシウムは、細胞や血中に存在しています。心臓や筋肉が正常に収縮したり、神経刺激が正常に伝達されるように働いており、血液凝固や酵素の活性化などのさまざまな働きにも関与しています。
カルシウムの欠乏症・過剰症について
欠乏症
血中のカルシウム濃度は常に一定に保たれています。そのため、血中のカルシウム濃度が低下すると、骨のカルシウムが血中に溶け出してしまい、骨の形成が阻害されます。
子供においてはくる病、大人では骨軟化症や骨粗鬆症の原因となります。
くる病:成長不全・骨変形(がに股)
骨軟化症:筋力低下・骨痛
骨粗鬆症:骨がもろくなり、骨折しやすくなる。寝たきりの原因になることも。
過剰症
高カルシウム血症の状態は、ミルク・アルカリ症候群と呼ばれます。軟組織にカルシウムが沈着しやすくなり、腎臓結石や軟骨組織石灰化症を引き起こし、腎不全の原因にもなります。また、血中のカルシウムが動脈壁にしみ込むと、動脈硬化を促進させることもあります。
カルシウムを多く含む食品と、摂取基準
カルシウムを多く含む食品
食品 | 1食あたりの量 | カルシウムの含有量 |
ドジョウ(水煮) | 80g | 960mg |
干しエビ(加工品) | 10g | 710mg |
イワシ(丸干し) | 50g(2尾) | 220mg |
イワシ(缶詰) | 50g | 185mg |
牛乳 | 180g(コップ1杯) | 198mg |
プロセスチーズ | 20g(1切れ) | 126mg |
ひじき(乾) | 5g(大さじ1) | 50mg |
水菜 | 50g(1/10束) | 105mg |
モロヘイヤ(茹で) | 60g(1/4束) | 102mg |
木綿豆腐 | 150g | 129mg |
出典:「改訂新版 栄養の教科書」を元にいしゃまち編集部が作成
カルシウムの摂取基準
単位mg
男性 | 女性 | |
1〜2(歳) | 450 | 400 |
3〜5(歳) | 600 | 550 |
6〜7(歳) | 600 | 550 |
8〜9(歳) | 650 | 750 |
10〜11(歳) | 700 | 750 |
12〜14(歳) | 1,000 | 800 |
15〜17(歳) | 800 | 650 |
18〜29(歳) | 800 | 650 |
30〜49(歳) | 650 | 650 |
50〜69(歳) | 700 | 650 |
70歳以上 | 700 | 650 |
出典:「改訂新版 栄養の教科書」を元にいしゃまち編集部が作成
まとめ
カルシウムは骨の健康だけではなく、筋肉や神経の働きなど、さまざまな機能に関わる重要な栄養素です。骨密度は加齢とともに減少していくため、若い頃からのカルシウムの摂取が骨粗鬆症予防、寝たきり防止にはとても大切です。カルシウムが不足しないように、日頃から乳製品や魚などの摂取を心がけましょう。