髪をくしでとかしていたら、一部だけ毛の生えていない場所が…。円形脱毛症は、健康に直接被害があるわけではありませんが見た目が気になりますし元に戻るのか気になりますよね。突然できた円形脱毛症は、どのようなことが原因として考えられるのでしょうか?また、毛は再生するのでしょうか?この記事では円形脱毛症の原因と回復率について見ていきます。

目次

円形脱毛症の種類…全身に及ぶことも

毛は根本の、毛包というところで作られて伸びていきます。この毛包がなんらかの炎症によって破壊され、毛が生えなくなってしまう状態を円形脱毛症と言います。

前兆もなく突然に毛が抜けてしまうことが特徴で、脱毛疾患の中では最も良く見られるものです。重症の場合には、脱毛が頭髪すべてや、全身に及ぶこともあります。

円形脱毛症は、脱毛の広さや形によって以下のように分類されています。

  • 単発型…1箇所だけ円状に脱毛した状態
  • 多発型…複数箇所が円状に脱毛した状態(脱毛箇所が繋がって円形に見えない場合も)
  • 全頭型…頭全体の毛髪が抜けた状態
  • 汎発型…全身の毛髪が抜けた状態
  • 蛇行型…頭髪の生え際が、帯状に抜けた状態

原因はストレスだけではない?

以前はストレス原因と考えられていましたが、現在では、毛包組織を自分の免疫が攻撃する、自己免疫疾患と考えられています。

遺伝的な免疫異常がベースにあり、疲労や感染症などの肉体的・精神的なストレスが引き金となって発症すると考えられていますが、明らかな誘因がない場合もあり、現在も研究が進められています。

また、甲状腺の病気である橋本病や、尋常性白斑、SLE、関節リウマチ、Ⅰ型糖尿病、重症筋無力症などの自己免疫疾患やアトピー性疾患の患者さんに、円形脱毛症が発症することが多いことがわかっています。

脱毛した部分は元に戻る?

髪が抜けてしまうと見た目が大きく変わるため、元のように毛髪が生えるか非常に気になるところですね。

内分泌疾患やアトピー性疾患の既往のない人が単発型、あるいは少数の円形脱毛症になった場合、存続時間が1年以内であれば毛髪が回復する確率は80%程度と報告されています日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドラインより)。そのため、症状が出てから1年間は経過を見るだけのこともあります。

ただし再発率が高く、脱毛範囲が広くなると、回復の見込みが低くなることがわかっています。

全頭型や汎発型など脱毛範囲が広い場合や、15歳以下で発症した場合、蛇行型の場合には、回復率が低くなっています。

まとめ

円形脱毛症は、皮膚科での診断と治療が必要です。治療で多くの人は回復しますので、早めに皮膚科を受診しましょう。

治療法は内服や外用薬、注射など多数ありますので、自分に合った治療を受けることが治癒への近道です。詳しくは「早めに皮膚科で相談しよう!円形脱毛症の治療法とは」の記事をご覧ください。