AGAとはAndrogenic alopeciaの略で男性型脱毛症のことです。爆笑問題の「お医者さんに相談だ」というテレビCMを覚えている方も多いかもしれません。

今回はその原因について書こうと思いますがまずはAGAについて簡単に説明しようと思います。

目次

AGAとは?

AGAは成人男性の髪が薄くなる状態です。頭頂部の髪が薄くなったり、おでこの生え際が後退したりするのが典型的です。もちろんその両方が同時に起きることもあります。

日本全国で約1200万人のAGA患者さんがいてそのうちの約半数の600万人が何らかのケアを行ったことがあると言われています。

基本的には進行していく病気ですので早めのケアが必要になります。

治療法の詳細について今回は触れませんが塗り薬や飲み薬、植毛手術などもあります。

ヘアサイクルについて

髪の毛は一本一本伸びては抜けてを繰り返していきます。この周期をヘアサイクルと呼びます。通常のヘアサイクルは数年単位で髪もその間にしっかりと育ちます。一方、AGAの場合はヘアサイクルが数ヶ月と短くなってしまい髪が太く長く育つ前に抜けてしまいます。結果として細く短い髪が増えることで薄毛が目立つようになります。

ヘアサイクルを短くする原因

AGAの原因がヘアサイクルの短縮にあることはわかりましたがその原因はなんでしょうか?

AGA患者さんの毛包ではジヒドロテストステロンという物質が増えておりそれが毛根にダメージを与えてヘアサイクルを短くしていると考えられています。ジヒドロテストステロンは体内で男性ホルモンであるテストステロンに5αリダクターゼという物質が働いて作られます。ここで大事なことは、テストステロンはジヒドロテストステロンになって初めてAGAを引き起こすということです。

よく男性ホルモンが強いと薄毛になるようなイメージをお持ちの方もいますが、そういうわけではありません。

AGA治療薬として有名なフィナステリドという薬は5αリダクターゼの働きを弱めてテストステロンからジヒドロテステロンができるのを減らすことでAGA改善効果を発揮します。

ハサみとくし-写真

AGAの原因

ここまでの話でAGAの原因はジヒドロテストステロンであることが分かりました。しかし、原因物質が分かってもそれだけでは実際の患者さんの役には立ちません。

より具体的にAGAの原因と考えられているものについて述べていきます。

1.遺伝によるもの

実際にいくつかの医学論文でデータを取っていますが、血族にAGAの方がいる場合やはりAGAになる確率は高いようです。

母型からもらうX染色体に原因があるとも考えられていますが、研究によっては父がAGAだった人の方がより高率にAGAになったという報告もあります。現在のところ遺伝子レベルで考えても一つの原因ではなく複数の原因があると推測されています。

いずれにしても「薄毛は遺伝しやすい」というのは事実と考えていいでしょう。

こればかりは本人の努力ではどうしようもないことですが、予測をすることでより早い治療に踏み切りやすいといえます。

2.社会的ストレス

社会的ストレスが原因で脱毛を起こすことはあるようですが、どちらかというと円形脱毛症との関連が多い気がします。円形脱毛症自体もどちらかというと毛包が自分の免疫によって攻撃されてしまう自己免疫病の一種でありストレスは主原因ではないようです。社会的なストレスは数値化しにくいため実際にどこまでAGAに影響を与えているかは正直分かりません。しかし、ストレスを溜めること自体は全身に良い影響は与えませんのでストレスを解消すること自体は悪くないと思います。

タバコを持つ手-写真

3.タバコ

喫煙はAGAに悪影響を与えることが知られています。親族にAGAの方がいるのと同じくらいにタバコはAGAのリスク高めるという報告もあります。諸説ありますがタバコを1日20本以上吸う人はAGAがより進行しやすいとう報告もあり要注意です。

タバコがAGAのリスクを高める原因としてはいくつか考えられており、頭皮の血流が下がる、直接の毒性、ホルモン産生バランスを崩す、酸化ストレス(体の中が酸化反応側に傾き、細胞などが障害される)などが挙げられます。

4.食事、生活習慣

これについても明確なデータがありませんが食習慣、生活習慣の乱れは生活習慣病の原因となります。生活習慣病により酸化ストレスが増えていることが多いのでAGAにも良い影響はないと思います。

まとめ

AGAの原因は生活習慣やストレス、喫煙など自分である程度コントロールできるものと遺伝のようにコントロールできないものがあります。

原因がなんにせよAGAの治療は早期から開始することが最も有効です

過度にナーバスにならず違和感を覚えたら早めに医師に相談するとよいでしょう。