「筋肉の付いた体」というとボディビルダーのような体を想像してしまいそうですが、決してそのような体になることが大切だというわけではありません。筋肉は老若男女誰においても重要で、健康を維持するためには欠かせないものです。筋肉をつけたいときには運動するというのは常識ですが、運動だけではなく食事も大きく関わっていると考えられています。ここでは筋肉をつけるための食事のポイントを紹介していきます。

目次

筋肉が衰えるとどうなる?

子供の頃は体を使った遊びをしたり、体育の授業や部活など自然と体を動かす機会がありました。しかし、大人になると意識しなければ体を動かす時間を確保するのが難しくなります。筋肉量の低下は、単純に体を動かす機会が減ることが大きく関わっているといえるでしょう。

また、十分に運動をしていたとしても食事の量が少なければ、エネルギー消費が上回り筋肉が減ってしまいます。エネルギー源となる栄養素は糖質や脂質ですが、この2つが枯渇してしまうと筋肉の構成成分であるたんぱく質からアミノ酸を分解してエネルギーを作る働きが起こるのです。

筋肉量が減ってしまうと、つまずいて転びやすくなったり、姿勢が悪くなったりします。さらに、運動機能が低下して、要介護状態や寝たきりの原因になることもあります。筋肉量をどれだけ維持できるかというのは、健康寿命を延ばすという点において重要な課題です。

1.最も重要なのはたんぱく質!おすすめはちょこっと足し

筋肉をつけるために重要な栄養素はたんぱく質です。たんぱく質は筋肉を合成するための必須栄養素であり、糖質・脂質とともに三大栄養素と呼ばれています。

たんぱく質を多く含む食品は、主に肉・魚・卵・豆腐といったメイン料理に使われるものです。1日のたんぱく質の推奨量は、成人男性で60g、成人女性では50gで、1食分に換算すると20gほどとなっています。この数字をクリアするのは簡単なようで実は難しく、朝食を欠食したり、麺類やチャーハンのような単品料理が続いたりするとたんぱく質をなかなか続けて摂ることはできません。

主菜に魚や肉のメイン料理を用意するだけではたんぱく質不足か、摂れてもギリギリとなる可能性が高いので、おすすめは副菜にたんぱく質を摂り入れる方法です。しかし、単純に厚焼き卵や冷奴などたんぱく質メインの副菜を付ければ良いというわけでもなく、それでは反対にカロリーオーバーになるリスクがあります。

副菜にたんぱく質を摂り入れるのであれば、野菜サラダにツナやチーズをトッピングしたり、味噌汁に豆腐を入れたりと、サブの具材としてプラスワンする方法がおすすめです。

2.たんぱく質は組み合わせとタイミングを考えて

ビタミンB6と一緒に摂る

たんぱく質は身体に入るとビタミンB6によって分解や合成が促進されます。そのため、ビタミンB6を多く含む食材を一緒に摂ることでたんぱく質の合成が効率良く進むでしょう。

ビタミンB6はマグロの赤身やカツオ、赤ピーマン、キウイやバナナといった食品に多く含まれています。マグロやカツオであれば、1つの食品でたんぱく質とビタミンB6を一緒に摂れますし、果物なら食後のデザートとして簡単に摂り入れることができますね。栄養素の働きは単体で見るよりも、組み合わせで考える方が大切であるといえるかもしれません。

運動後に摂る

筋肉は破壊と修復が繰り返されて強くなります。運動をしたあとは筋肉が合成されやすい状態になっていますので、運動後スポーツ選手はプロテインを飲むことが多いですが、牛乳やチーズなど、身近な食品でも十分効果を発揮してくれるでしょう。筋力アップは運動だけでもなく食事だけでもなく、二つを組み合わせることが大切なのです。

まとめ

筋力アップに欠かせないたんぱく質の役割や効果的なたんぱく質の摂り方について紹介しました。姿勢が悪くなった、つまずきやすくなったというのは筋力低下のサインです。筋力の低下が進む前に、まずは「たんぱく質の量を意識する」ということから始めてみましょう。