おりものは、体調や生理周期によって状態が変わるため健康のバロメーターにもなります。そんなおりものが、ある日突然茶色くなっていたらどんなことが考えられるのでしょうか?この記事では、茶色いおりものが出る原因などについてお話ししたいと思います。

目次

おりものとは

おりものは、子宮内膜や子宮頸管、腟などから出る分泌物のことです。おりものが分泌されることで腟内の粘膜のバリア機能が向上し、汚れを外に追い出したり、ばい菌の侵入や子宮への感染を防いだりすることができます(自浄作用と言います)。おりものは女性のからだにはなくてはならない存在です。

生理周期で状態が変わるおりもの

おりものは生理周期によって性状が変わってきます。
個人差はありますが、各時期のおりものの一般的な性状は以下のとおりです。

卵胞期(生理開始からの約2週間)

生理が終わった直後はおりものがほとんど出ません。その後、排卵期に向けて量が増加します。

排卵期(排卵が起きる2〜3日)

排卵日前後になると、生卵の白身のような透明でとろみのあるおりものが出ます。この時期に性交渉を行うと、おりものが精子を子宮内に受け入れやすくし、受精の手助けをしてくれます。

黄体期(排卵後から次回生理前までの約2週間)

次の生理に向けて、おりものの量は減りますが、粘り気のある黄白色のおりものに変化します。生理前には再び量が増え、匂いも強くなることがあります。生理の数日前から少量の出血が混じることもあります。

※年齢によっても変化が

このほか、おりものは年齢によっても変化します。
初潮を迎える10歳代は、おりものの量は少ないですが、20・30歳代はおりものの量がピークとなり、周期も安定します。40歳代になると、女性ホルモンの分泌が減少するためおりものの量も減り、閉経を迎えるとほとんど分泌されなくなっていきます

茶色いおりものが出る原因は?

茶色いおりものは、古い出血がおりものに混じることで発生します。そのため、茶色いおりものも「不正出血(おりものに血が混じるなど、生理以外で出血する状態)」ととらえます。
具体的にどこから出血しているのかは、出血の状態だけではわかりません。

原因も検査してみないとわからないのですが、以下のようなものが考えられます。

ホルモンバランスの乱れによるもの

ストレスや過労、極端なダイエットなどによってホルモンバランスが乱れると、生理周期が乱れ、不正出血の原因となります。不正出血の量によっては、おりものに血が混じって茶色っぽくなることもあります。

ホルモンバランスは年齢によっても不安定になることがあり、特に思春期や更年期に起こりやすいです

生理周期によるもの

生理の前後では、子宮内膜の一部が茶色い出血として少量出る場合があり、心配ないことが多いです。

また、排卵の際に少量の出血が起きることがあり、ピンクっぽいおりものや茶色いおりものとして排出される場合があります。排卵出血と呼ばれ、通常2〜3日で治ります。

感染症やがんなどの病的なもの

子宮頸管炎、子宮頸管ポリープ、子宮腟部びらん、子宮内膜炎、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮頸がん、子宮体がんといった病気でも不正出血が起きることがあります。

こういった病気では、必ずしも大量の血が出るとは限りません。この機会に検査を受けてみると良いでしょう。

妊娠によるもの

妊娠初期には出血が起きることがあり、茶色いおりものが妊娠による出血だったということもあります。

また、妊娠中の方では流産や切迫流産、子宮外妊娠などによる出血の可能性もあるため注意が必要です

まとめ

茶色いおりものは、鮮血のような赤さはなく、量も少ないかもしれません。ですが、どこかからの出血の可能性がありますので、量や色に関わらず、症状が続く時には早めに婦人科を受診しましょう。