食中毒は大人だけに起こるものではなく、体の小さな赤ちゃんでも食中毒を起こすことがあります。小さな赤ちゃんでは、ときには症状が重くなる場合もあるので特に注意が必要です。ここでは、赤ちゃんを食中毒から守るための、ミルクや母乳の正しい保存方法などについて解説していきます。

目次

まずは衛生第一!哺乳瓶を清潔にしましょう

赤ちゃんを調整粉乳で育てている場合、ミルクを作ったり哺乳瓶を洗ったりという作業が毎回必要です。毎回作ったり洗ったりするだけでも大変なのですが、だからといって衛生管理を怠ってはいけません。

哺乳瓶を使ったあとは放置せず、すぐに洗う必要があります。ある程度汚れが落ちたら、そのあとに消毒と殺菌を行うのが大まかな流れです。哺乳瓶の乳首は、カーブしているので汚れが落ちにくい部分です。赤ちゃんの口に直接入るものですので、フィットするような専用のブラシでしっかりと洗いましょう。

消毒、殺菌の方法には、主に次の2つのパターンがあります。

・専用の消毒液を使用する

タブレット状になっているタイプや、液体状のタイプがあります。自分の使いやすさに合わせて選びましょう。水で希釈をして使用するタイプがほとんどなので、必ず説明に従って作るようにしましょう。

・煮沸消毒

消毒液よりも安く済ませたいのであれば、この方法がおすすめです。ガラス製の哺乳瓶は7程度煮沸してください。乳首とキャップは3程度鍋で煮立てる必要があります。調理器具や布巾が汚れていると、反対に汚れをつけてしまうことがあるので、専用のものを用意すると良いでしょう。

消毒をした後はほこりやゴミなどが入らないように、蓋が付いている保存容器に入れて清潔な場所で保管をしてください。

ミルクや母乳を安全に作るためのポイント

ミルクは栄養がたっぷりなので、細菌にとってもうれしい生育環境です。市販のミルクだから安心と思い込まずに、保存や取り扱いには十分気をつけて下さい。

  • ミルクを作った後はそのまま放置せず、すぐに飲ませる
  • ミルクを作るときには清潔なスプーンを使い、そのままスプーンを入れておかない
  • 消毒されていない湧水や井戸水を使わない
  • 説明書を読んで正しい方法で作る

最近は仕事をしているお母さんが増えたので、母乳をあらかじめ搾乳して保存する方法も一般的になっています。母乳を保存するときには次のような点に気をつけましょう。

  • 冷蔵保存するときは24時間以内に与える
  • 冷凍保存するときは専用の保存袋を使用しなるべく早く使い切る(家庭用の冷凍庫は温度変化が大きいため)
  • 搾乳するときは体や手を清潔にし、搾乳機を使用する時も清潔なものを使うように心がける
  • 母乳を解凍するときはぬるま湯に漬けて解凍してから哺乳瓶に移して、湯煎で適温まで温める

離乳食を作るときも衛生面を考えて!

5〜6ヶ月頃は離乳食が始まる時期です。まだまだミルクや母乳を併用しなければならないので手が回らない…なんてこともありますが、赤ちゃんのためにはミルクや母乳同様、安心して食べられる離乳食を準備してあげましょう。

まずは、調理をするとき、離乳食を盛り付けするときに使用する調理器具や食器は清潔に保ちましょう。お母さんの箸やスプーンで食べさせるのも避けた方がよいです。

また、離乳食は食べる分だけ作るのが望ましいですが、もし作りすぎた場合は冷凍することもあります。そのときには十分に再加熱をしてから食べさせるようにしてください。冷凍保存しているといっても、ずっと同じ鮮度が維持されるわけではありません。なるべく早めに食べるように心がけましょう。

その他、1歳未満の赤ちゃんにはボツリヌス症を予防するためにもはちみつを与えない、刺身などの生ものを与えないなどの注意しておきたい点があります。赤ちゃんの体を守るためにも、正しい知識を身につけて食中毒を予防していきましょう。

まとめ

食中毒を予防するためには、適切な保存と衛生管理が大切なポイントです。普段から清潔に対する意識を高め、安心できる環境づくりをしていきましょう。また、赤ちゃんに異変が起こったら、なるべく早めにかかりつけの病院へ連絡してください。いざというときに素早く行動ができるように、普段からもしもの場合に備えておくことが大切です。