髪の毛のフケが多くなってきた、シャンプーもしっかり毎日行っているのに、中々フケが減らない。頭がかゆい。家族や友人にも指摘されて恥ずかしい思いをしている。
こんな症状でお悩みの方は、もしかすると脂漏性皮膚炎の前段階かもしれません。単なるフケと思っていると治療が遅れることもあります。今回はフケが起こる原因や、フケ症と脂漏性皮膚炎の違いについて説明します。
フケ症とは?
フケは頭皮が新陳代謝を行うための生理的な現象です。頭皮の古い角質細胞が角質片となってはがれ落ちたものがフケです。
この角質片は小さく量も少ないので、定期的に頭を洗っていれば気になるものではありません。しかし、何らかの原因ではがれ落ちる量が増えるとフケが目立つようになり「フケ症」と呼ばれるようになります。
フケ症のチェックシート
症状や体質をチェックしてフケ症であるか確認をしましょう。
- フケの量が増えた
- 洗髪をしてもフケが減らない
- 頭がかゆい
- 皮脂の分泌が多い
- 髪の生え際の皮膚がむけている
何が原因でフケ症になるの?
フケは、頭皮の古い角質細胞がはがれ落ちる生理的なものですが、
フケのタイプ
乾燥型
水分が不足して頭皮が乾燥し、角質がはがれ落ちやすくなって、フケが多くなります。乾いたフケがパラパラ落ちます。
脂漏型
汗や皮脂が増えると、常在菌であるマラセチア菌が増えて脂性のフケのもとをつくります。べとべとしたフケが爪にはさまれるように取れます。
脂漏性皮膚炎とは?
健康な皮膚の表面は、毛穴から分泌された皮脂でおおわれています。脂漏とは、体質やストレスなどで皮脂の分泌が多くなった状態のことをいいます。
皮脂腺の働きが活性化することによって発症し、頭だけではなく、
頭皮の脂漏性皮膚炎の症状は?

頭皮が炎症を起こして、
フケに限った症状だけでなく、地肌が赤くなったり、かゆみや皮膚のかさつきを繰り返すときは、脂漏性皮膚炎を疑ってみましょう。
脂漏性皮膚炎はどんな人に多いの?
乳児
乳児の肌は新陳代謝が活発なため、皮脂が多く分泌し、肌に刺激が生じることが多くあります。
中高年の男性
男性ホルモンが皮脂腺の分泌活性を高めます。汗をかきやすく脂がうきやすい体質の男性は特に皮脂の分泌が活発になります。
また、働き盛りの男性は、仕事が忙しくてストレスがたまりやすい生活を送っているので、脂漏を起こしやすい場合があります。
何が原因で脂漏性皮膚炎になるの?
マラセチアというカビの一種(真菌)
皮脂腺から出た皮脂中のトリグリセリドは、カビによって遊離脂肪
きちんと治療をしないと、繰り返して慢性化するので、
何が原因で悪化するの?
シャンプーなどの刺激による外的な要因と、ストレスなどの身体の不調による内的な要因によって症状が悪化します。
洗髪
髪を洗うときに古い皮脂が十分に取り除かれないと、
反対に、洗浄力の強いシャンプーなどは頭皮に必要な皮脂までも取り除いてしまうので、乾燥を招きます。頭皮が乾燥すると抵抗力が弱くなり、刺激を受けやすくなります。
睡眠不足と栄養のかたより
寝不足だと睡眠中に分泌されるメラトニンの量が減ります。メラトニンは強力な抗酸化力を持っているので、不足することによって皮脂の毛穴が詰まり、フケが多く出るようになります。
また、食べ物から得られる栄養は、血液が頭皮に運びます。しかし、栄養が偏っていると頭皮に十分な栄養が行き届かなくなり、頭皮の免疫力を下げてしまいます。結果として、頭皮環境が悪化してフケの原因菌となるカビも増やしてしまいます。
ストレスとホルモンバランスの乱れ
身体が強いストレスにさらされると、
また、
さらに、
まとめ
フケの症状の他に、地肌の赤みやかゆみなどの炎症があれば脂漏性皮膚炎を疑いましょう。不十分な洗髪、ストレスや栄養の偏りなどで症状が悪化します。脂漏性皮膚炎は再発しやすいのが特徴です。重症化する前に医療機関を受診して、生活スタイルを見直し根気強く治していきましょう。