湿気が多い梅雨や台風が多い時期などは、湿気対策を取っていても気が付くとカビが生えていることがあります。そんな時、カビを見つけても、放っておいていませんか?カビは、身体に影響を与えてしまうこともあるのです。カビによってもたらされる病気や症状について、どんなものがあるか解説します。

カビってなんでしょう?

きのことカビは仲間

カビは、微生物の仲間です。菌糸と胞子で増えるので、きのこの親戚といってもいいかもしれません。およそ10億前から地球に存在しているといわれています。カビには80,000以上の種類があるとされています。そしてまだまだ今も、毎年新しいカビが発見されているのです。

カビが発生するためには、栄養分・酸素・温度・水分・時間が必要です。非常に様々な物質を栄養源とする上、少しの酸素があればよく、人が快適な温度を好み、湿気がある場所でと増殖できる時間があれば、あっという間に発生してしまうのです。

カビは微生物なので、細菌と混同されてしまう場合がありますが、細胞核というものを持っているため別ものです。「真菌」と呼ばれます。

カビが病気の原因になることも!

カビの発生が引き起こすのは、悪いことばかりではありません。食べ物を発酵させるために使われたり、青カビの一種であるペニシリン医療の現場でも利用されています。しかし一般の人達はカビを利用することはできませんので、身近にあるカビはほとんどが害になると考えて良いでしょう。

カビの胞子は小さいので目で見ることができず、それを知らない間に吸いこんでしまっています。健康な状態であれば身体が繁殖を防いでくれますが、赤ちゃんや高齢者、また病気などで抵抗力が落ちている人は繁殖を防ぐことができず、カビによって病気が引き起こされる場合があります。

 カビが影響する疾患

白癬(水虫)

白癬菌というカビによって引き起こされます。足に生じるものが代表的ですが、爪や手、股、顔面など、他の部位にも起こる場合があります。ごくまれに、皮膚の中に入り込んで内臓の症状を起こすこともあります。

水虫に関しては、「あなたの足は大丈夫!? 足裏スキンケアで水虫を予防しよう!」で詳しく説明しています。

肺アスペルギルス症

アスペルギルスというカビによって起こります。カーペットやエアコンのホースなどが発生源となります。以前に肺の病気になったことがあり、肺が空洞になっていると、そこに発生しやすくなります。

症状が出ない場合もありますが、咳や胸痛、発熱、呼吸困難が起こることもあります。

クリプトコッカス症

鳩の糞などに見られるクリプトコッカス・ネオフォルマンスという真菌によって生じ、髄膜に感染して髄膜炎や肺炎を起こします。

髄膜炎を起こした時は、頭痛や錯乱などの症状が出ることがあります。肺炎では無症状の場合もありますが、咳や胸痛などを訴える場合があります。

過敏性肺炎

通常の肺炎のように細菌やウイルスが原因になるのではなく、塵やホコリにまぎれているカビによって起こります。いくつかの種類があります。発熱や咳などの症状に加え、呼吸困難が起こる場合があります。

  • 夏型過敏性肺炎:その名の通り、夏に多くみられる病気です。トリコスポロンというカビが原因で生じます。トリコスポロンは日当たりや風通しが悪くて湿気の多い場所で発生しやすいカビで、見逃しやすいのが畳の下の木などです。腐っていたら、このカビが発生しているかもしれません。
  • 農夫肺:酪農家に多い病気のため、この名前で呼ばれます。干し草の中にいる、好熱性放射菌というカビが原因となります。
  • 換気装置肺炎空調肺加湿器肺とも呼ばれます。エアコンや加湿器の清掃を怠っていると、その中のカビを吸い込んでしまい、肺炎を起こすことがあるのです。
  • 職業性の過敏性肺炎:様々な職業の人が、それぞれの仕事によってかかりやすい肺炎があります。例えば、キノコ栽培業者はキノコの胞子を吸入することで過敏性肺炎を起こしやすいです。

気管支喘息

気管支喘息の原因は様々ですが、アルテルナリアという黒色真菌が原因となる場合があります。水回りなど湿気の多い場所、壁の塗装面にも見られます。

呼吸困難や咳が症状で、酷くなると座らないと息ができなくなります。また呼吸をする度に、ゼイゼイやヒューヒューという音が聞こえる喘鳴が特徴です。

アレルギー性鼻炎

これもまた原因は様々ですが、アルテルナリアが関係していると言われています。くしゃみや鼻水、鼻づまりが主な症状です。アレルギー性鼻炎については、「鼻水、鼻詰まりを解消!アレルギー性鼻炎の治療法」をご覧ください。

食中毒

ほとんどの食中毒の原因は細菌とウイルスですが、アフラトキシンなどカビ毒といわれる毒素を作るカビによって生じるものがあります。穀類やナッツ類に多く、腹痛や下痢、吐き気や嘔吐などが症状です。

がん

カビ毒であるアフラトキシンには発がん性物質が含まれています。ただ、普段見られる程度の量では、ただちに人体に影響があるわけではありません。大量に摂取した場合に危険とされていますが、日本国内で生産された食べ物からは検出されていないので、それほど心配する必要はないでしょう。

身体にいる常在菌で起こるもの

澱風(でんぷう)

マラセチアという真菌が原因の、皮膚の病気です。マラセチアは身体に常にいる菌ですが、汗が多い人や抵抗力が落ちた人では発生しやすくなります。胸やわきの下、背中などに薄い褐色、白、黒などの発疹ができます。

カンジダ感染症

カンジダ菌は、皮膚や腸管、女性の生殖器などに存在する常在菌です。身体が弱った時や、抗生剤の使い過ぎなどで増殖し、皮膚や口、膣などに感染症を起こします。口の中に白いカスのような物がたくさんついたり、女性では白いおりものが多くなりかゆみが出ます。

免疫機能が低下している人では、放っておくと血液に乗って心臓や脾臓、腎臓、目などに広がり重症になれば失明したり、死に至ることもあります。

 まとめ

カビが原因の病気は、意外とたくさんあります。さらに、カビが原因と思われる病気はまだ増えているのです。家にいるカビは放っておくと増殖し健康を害することがほとんどなので、カビを見つけたら早めに対処しましょう。