近年、救急車の出動件数・搬送人数はともに増えており、救急隊の現場到着までの時間も平均8.3分と遅くなっています。
救急車は限りある資源です。

救急車を安心してみんなで利用することができるよう、救急車を呼ぶべきかどうか判断に困ったときなどに、活用できる「救急車を呼ぶべき症状」と「救急車を呼ぶ時の5つのポイント」をご紹介します。

目次

救急車を呼ぶべき部位別の項目は?

Ⅰ.成人の場合(15歳以上)

1.頭

  • 突然の激しい頭痛
  • 突然の40℃を超えるような発熱
  • 支えなしで立てないくらいのふらつき

2.顔

  • 顔半分が動きにくい、または痺れがある
  • にっこりと笑うと口や顔の片方が歪む
  • 呂律が回りにくく、うまく話すことができない
  • 視野が欠損する(見え方が黒い部分があったり、見えない部分があったりする)
  • 物が突然2重に見える
  • 顔色が青白く、血色が悪い
  • 吐血をしている(血を吐く)

 3.胸や背中

  • 突然の胸痛
  • 急な息切れがある。呼吸するのが苦しい
  • 胸が締め付けられるような、または圧迫されるような痛みが2~3分間以上続く
    (糖尿病の持病がある場合、背中に痛みが出たり、肩こりが強くなるように感じたりすることもある)
  • 痛む箇所が移動する

 4.腹

  • 突然の激しい腹痛
  • 持続する激しい腹痛
  • 下血がある。そして量が多い

5.手足

  • 突然手足が痺れる
  • 突然、片方の手や足に力が入らなくなる

 6.その他

  • 意識の障害がある(返事がない、または話している内容がおかしい)
  • けいれんがある
  • 冷や汗を伴うような強い吐き気。または嘔吐をしている
  • 食べ物が喉に詰まり、唇が青く呼吸が苦しい
  • 大量の出血を伴うけががある
  • 広範囲のやけどがある
  • 高所から転落し、頭を打った

Ⅱ.小児の場合(15歳未満)

小児

1.頭

  • 頭を痛がっており、けいれんがある
  • 頭を強くぶつけて出血が止まらない
  • 意識がない

 2.顔

  • 唇の色が紫色で呼吸が弱い

3.胸

  • 激しい
  • 呼吸がゼーゼーしている
  • 呼吸が苦しく、顔色が悪い

4.腹

  • 激しい下痢や嘔吐で水分が取れない
  • 食欲がなく、意識がハッキリしていない
  • 激しい腹痛・嘔吐が止まらない
  • 便に血が混ざっている

5.手足

  • 手足が硬直している

6.その他

  • 意識の障害がある(返事がない、または話している内容がおかしい)
  • けいれんがある
  • 虫に刺されて全身に蕁麻疹が出て、顔色が悪い
  • 冷や汗を伴うような強い吐き気、または嘔吐をしている
  • 変な物を飲み込んだ形跡がある
  • 大量の出血を伴うけががある
  • 広範囲のやけどがある
  • 高所から転落し、頭を打った
  • 交通事故などで強い衝撃を受けた

救急車を呼ぶ時の5つのポイントとは?

1.救急車を呼ぶときの番号は「119番」

もし呼ぶかの判断に困ったら、お住まいの市町村に救急相談窓口があります。

成人の場合、「#7119」で救急相談窓口があります。

小児の場合、「#8000」で小児救急相談ができます。

2.救急車が到着するまでの時間の応急処置が命を救う

応急手当が必要な場合、消防本部から指示されます。

大切な人を救うために、普段から正しい応急処置を身につけておくといいです。

3.応急手当をする以外にも人手を集めよう

応急手当をしている人以外の人は、救急車が来そうなところまで案内に出ると、到着が早くなります。

4.救急車を呼んだら、こんなものを用意しておこう

  • 診察券や保険証
  • お金
  • 普段飲んでいる薬

乳幼児の場合、上記に加えて母子手帳・紙おむつ・哺乳瓶・タオルを用意しましょう。

5.救急車が到着したら伝えてほしいこと

  • 事故や具合が悪くなった状況
  • 救急隊員が到着するまでの状態の変化
  • 行った応急処置内容
  • 持病や具合の悪い情報
  • かかりつけ医
  • 普段飲んでいる薬

救急医療は「本当に必要な方」のためのもの

救急車や救急医療は、緊急で医療を必要とする方のための限りある資源です。
「便利だから」「交通手段がないから」「病院で待つのが嫌だから」といった理由で呼ぶべきものではありません。

いざという時に本当に救急医療を必要としている方に適切な医療が行き渡るよう、本当に救急車を呼ぶべき症状のポイントを知っておいてください。

まとめ

いつもと違う症状が出現したり、おかしいと感じたりしたら救急通報で救急車を要請しましょう。ただし、軽症や判断に悩むときは、お住まいの市町村の救急相談窓口に相談してください。

また、救急の助けが周りに必要な人がいるかもしれません。その際に必要な正しい応急処置を身につけておきましょう。
応急処置を行う以外の人も、人手がいることを理解して協力するようお願いいたします。