加工食品やインスタント食品などの便利な食べ物が増えてきた近年、生活習慣病である高血圧の患者数は昔に比べて増加しており、WHOの調査によると、世界では25歳以上の約1/3が高血圧であるといわれています(日本生活習慣病予防協会より)。
食生活と高血圧は密接な関係にあり、食生活を見直すことが高血圧の改善に繋がります。
高血圧とは、どのような病気で何が原因で起こるのか。
今回は、高血圧を改善するヒントについて探っていきましょう。
高血圧ってどんな病気?
高血圧とは、最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上の状態が常時続いている状態をいいます。
日本での現在の患者数は約4300万人といわれています。
しかし、その中で治療を受けている患者は半数程度しかおらず、さらにその中でコントロールができている患者は男性で約30%、女性で約40%と少ない割合に留まっています(大日本住友製薬より)。
高血圧は血圧が少し高いくらいでは症状があまり出ないので気が付きませんが、進行していくと以下のような症状がみられるようになります。
- 頭痛
- 耳鳴り
- めまい
- 動悸
- 呼吸困難
- 胸痛
- むくみ
高血圧の原因は?
高血圧の原因としては、はっきりと原因が分かるものを2次性高血圧、分からないものを本態性高血圧といいます。
実は、はっきりと原因が分からない本態性高血圧が約9割と多く、気が付かないうちに高血圧になっている可能性があります
2次性高血圧
- 腎臓の病気(糖尿病性腎症、糸球体腎炎など)
- 内分泌の異常(原発性アルドステロン症、甲状腺機能亢進症など)
2次性高血圧の場合は、原因となる疾患の治療が必要です。
本態性高血圧
- 食生活
- 運動習慣
- 家庭環境
- ストレス
- 飲酒
- 喫煙
上記のような環境的因子と遺伝的因子が発症に関与していると考えられております。
高血圧自体が原因で死に至ることはありませんが、高血圧になると様々な合併症が現れます。
心筋梗塞や脳梗塞など、重大な疾患を引き起こす原因となる可能性もありますので、健康寿命を延ばすという目的でも高血圧を予防し、合併症にかかるリスクを減らすことが重要です。
治療のポイントは食生活にある!?

高血圧は生活習慣病ですので、規則正しい生活を送り、食生活を整えることも大切です。
塩分の摂取量が高いと血圧が上がることは昔からよく知られており、毎日の食事から摂取する塩分をできるだけ控えることが大切です。
現在の日本人の1日あたりの食塩摂取量は平均11.2g(平成18年国民健康・栄養調査)ですが、約半分の6gに制限することで高血圧の改善が期待できます。
高血圧を改善するためのポイント
- うどん・そば・ラーメンなど麺類の汁は飲まない
- 焼き魚は塩を使わずにレモンや香辛料を使用する
- 佃煮・漬物はあまり食べないようにする
- 刺身・寿司にはあまり醤油を使わない
- 丼ものを食べないようにする
- 味噌汁は1日1回にする
- 惣菜などは栄養成分の表示をチェックするように意識する
まとめ
高血圧を改善することで、重大な病気にかかる リスクを減らすことができます。
1日の塩分摂取が6gというのはなかなか簡単なものではありませんが、目に見える結果が期待できますので是非目標として目指してほしいところです。
料理の味付けを薄くするということを基本とし、上記の減塩のポイントを実行していけるように心掛けましょう。