喉は外気と直接触れ合う場所なので、異物が侵入しやすいところです。喉はかゆくても手が届く場所ではないので、直接掻くことができません。我慢できないほどの喉のかゆみにはどのように対処すれば良いのでしょうか。今回は喉がかゆいときに日常生活でできる対処法についてご説明いたします。
喉のかゆみの原因は?
喉のかゆみの原因は、主に花粉やハウスダストなどのアレルギーによるものと細菌やウィルスなどによる炎症によるものに分けられます。いずれも、原因となるものが、口の中や喉にはり付いたことによってかゆみをもたらしているのです。原因別に対処していきましょう。
喉のかゆみには何をするのが効果的?
アレルギーによるもの

1.花粉から身体を遠ざける
花粉が体内に入ることによって、アレルギー反応を起こし喉がかゆくなることがあります。花粉のシーズンは、できるだけ窓を閉めて花粉を部屋の中に取り込まないようにします。花粉の飛散が多い日や時刻はできるだけ外出を控えるのも効果的です。
外出の際は、マスクやメガネをつけて花粉から身を守り、帰宅後はコートなどについた花粉を振り落としましょう。洗顔、うがいをする習慣をつけて、花粉を室内に持ち込まないようにすることが大切です。
2.ハウスダストアレルゲンを減らす
室内には、カビ、ダニ、ペットの毛など目に見えないごみが沢山あります。これらがアレルギー症状を引き起こす原因の一つと考えられています。ハウスダストを減らすために、掃除を頻繁に行いましょう。掃除機をかけるときは、排気でホコリをまき散らさないように、換気をしたり、床に掃除機をかける前に乾拭きをしたりするなど気を使いましょう。
また、ダニは高温多湿を好むので、布団は天日に干したり、乾燥器にかけたりしてダニを死滅させましょう。その後、ダニの死がいを掃除機で吸い取ると効果が高まります。
3.食物アレルギーの原因となる食べ物を食べない
特定の食べ物を食べることでアレルギー反応を起こし、口や喉がかゆくなることがあります。原因となる食品は、年齢によって変化することがあります。アレルギー専門科を受診し、原因食物を特定しましょう。医師と相談をしながら除去する食物の種類や程度、方法、期間などを打ち合わせして、食事療法を行います。栄養が偏らないように正しい診断が必要です。
細菌やウィルスによるもの

1.口の中の乾燥を防ぐ
鼻が詰まることによって口呼吸になり、喉が乾燥します。喉が乾燥すると粘膜の働きが弱まるので、雑菌などが喉に張りつきやすくなります。
口の中の乾燥を防ぐために、マスクを着用したり、加湿器をつけたりして保湿を心掛けるようにしましょう。また、就寝前のアルコールの取り過ぎは脱水しやすいので、お酒はほどほどに楽しむのが良いですね。
2.唾液の分泌を活発にする
口の中が乾燥すると、唾液の分泌が減ります。唾液は殺菌や抗菌作用があるので、唾液が減ると喉の防御機能が弱まり、細菌やウィルスなどの感染リスクが上がってしまいます。また、ストレスや緊張を感じると、交換神経が刺激されて唾液が少なくなります。口で呼吸をしているときも唾液が蒸発してしまって口が渇きます。
唾液を正常に分泌させるには、ストレスが少ない生活を送ることと口呼吸をしないことです。また、水分を積極的に補給するのも唾液分泌に効果的です。
3.うがいをする
喉は外気と触れあう場所なので、様々なウィルスや細菌などの感染リスクが高いところです。うがいをすることによって、口の中や喉についた細菌などを減らしましょう。うがいは、初めに口うがい(ぶくぶくうがい)をしてから、喉うがい(ガラガラうがい)をします。口うがいを先にする理由は、口の中に細菌がいる状態で喉うがいをすると、口の中の細菌が喉に行ってしまうからです。
4.バランスの取れた食事をする
風邪は身体の抵抗力が落ちたときに発病するといわれています。喉に炎症が起こっていてもすぐに治るように、栄養を十分にとりましょう。
鼻や喉の粘膜を強くするのはビタミンAです。緑黄色野菜、レバーやチーズに多く含まれています。免疫力を強化するのは、ビタミンCで、レモン、苺やピーマンが供給源です。
免疫物質を作るのはタンパク質なので、大豆製品、卵、魚類、肉類を毎日の食事でとりましょう。バランスの取れた食事を意識することが大切です。
5.質の良い睡眠をとる
睡眠が不足すると疲れが十分に取れないので、体力が低下します。体力が低下すると、免疫の力も弱まります。
夜に寝ている間に、身体の中では風邪の菌と戦う免疫や抗体が沢山作られています。細菌をやっつけるためにも質の良い睡眠をとり、身体を十分に休めましょう。
まとめ
アレルギーの原因となる物質や細菌などが喉に接触することによって、喉がかゆくなることがあります。喉がかゆいときは、原因となるものが分かっていれば取り除きましょう。口の中が乾燥していると、花粉や雑菌などが入りやすいので、保湿を心掛け、かゆみに負けない身体を作ることも大切です。日ごろから栄養バランスを意識した食生活を送り、質の良い睡眠をとって身体の粘膜と免疫機能を高めるようにしましょう。