季節の変わり目や体調を崩したときなど、喉に違和感があったり、かゆくなることはありませんか。喉のかゆみの他に熱などの症状があれば風邪が疑われますが、他の症状がなければ、アレルギーによって喉がかゆくなっているのかもしれません。また、喉とは関係がない場所の病気の可能性もあります。今回は喉のかゆみの原因についてご紹介します。

目次

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喉はどんなはたらきをしているの?

喉には消化器、呼吸器、免疫機能などの役割があります。

消化器

喉は口の下の後ろの方にあり、食べ物を食べて飲み込み、味わう働きがあります。食べ物を食べることは、特に意識しなくても自動で始まり食べ終わるまで続きます。

呼吸器

空気は、鼻と口から入り、喉を下って声帯がある喉頭を通り、気道から肺へと入っていきます。鼻が詰まっているときは、口で呼吸ができるようにします。

免疫機能

外部から侵入してくる病原体を感知するために、喉の入口の奥にリンパ組織が多く集まっています。炎症を起こしやすい臓器のため、風邪をひくと腫れたり、腎炎を起こす原因となったりもします。

なぜ喉がかゆくなるの?

喉は食べ物と空気を通しながら、外敵の侵入を知らせる役割があります。身体が疲れていると、喉の粘膜の抵抗力が弱まり、細菌などが喉にはりつき、喉のかゆみや違和感の原因となります。

アレルギーが原因のもの

草

アレルギーのもとになるアレルゲンが喉の粘膜に付き、身体が排除しようとして過剰に反応を起こしてしまい、喉のかゆみをもたらします。

1.季節性アレルギー性鼻炎

花粉症のことです。原因となる花粉の飛散時期だけ症状が起こります。花粉が喉にはりつくことによって、アレルギー症状を起こし、喉がかゆくなります。

その他に、くしゃみ、鼻づまりなどの鼻の症状、目のかゆみ、充血、涙目などの眼の症状、皮膚のかゆみなどが現れることがあります。

2.通年性アレルギー性鼻炎

ダニなどのハウスダスト、ペットの毛などが喉に接触することによって、アレルギー反応が起き、喉がかゆくなります。起こる症状は季節性アレルギー性鼻炎と同じですが、花粉の飛散時期だけではなく、原因となるアレルゲンがある限り、ずっと症状が起こります。

ぜんそくやアトピー性皮膚炎などを合併することもあります。

3.口腔アレルギー症候群

原因となる食物を食べたあとに、口の中や喉の粘膜が腫れたりかゆくなったりする疾患です。新鮮な果物、野菜、ナッツ類にアレルギー反応を起こします。

そのほか、シラカバの花粉症になったあとに、口腔アレルギー症候群を発症することがあります。鼻づまり、鼻水などの鼻の症状、涙、目の充血などの眼の症状、腹痛、おう吐、下痢などの消化器症状、ぜんそくやじんましん、重症のときは、アナフィラキシーと呼ばれるショック状況に陥ることもあります。

ウィルスや細菌が原因のもの

アレルギーが原因ではなく、ウィルスや細菌などが呼吸器につくことによって喉が炎症を起こし、かゆくなることがあります。

1.風邪

ウィルスや細菌などの病原体が喉、鼻、気管支や肺などの呼吸器に感染して起こります。風邪にかかると、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、喉のかゆみなどの呼吸器症状、発熱、頭痛、食欲不振などの全身症状、おう吐、下痢などの消化器症状が現れます。

2.副鼻腔炎(急性慢性)

鼻の穴に繋がっている副鼻腔に風邪のウィルスが入って炎症を起こします。細菌が副鼻腔で増えて、鼻水や鼻づまりの症状を起こします。鼻水が喉に流れて、喉のかゆみや咳の症状を起こします。

副鼻腔炎蓄膿症と呼ばれるものですが、鼻水が絶えず出る、鼻が詰まる、口で呼吸をする、匂いが分からない、頭痛などの症状が現れることもあります。

その他

検査をして咽喉頭部に原因となる疾患が見つけられなかったけれども、喉に違和感やかゆみがある場合は、咽喉頭異常感症の可能性も考えられます。

咽喉頭異常感症は、逆流性食道炎、甲状腺の異常、全身疾患の貧血、糖尿病や精神的なストレスなど、様々な原因で起こります。喉の症状がきっかけで喉にばかり意識が集中して、ますます喉に違和感を抱くようになる症状です。

また、アレルギー性鼻炎に似た症状が現れるものとして寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)があります。しかし、アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が原因で症状が出るアレルギー性鼻炎と異なり、寒暖差アレルギーでは明確な原因がなく、目や鼻のかゆみはほとんど出ないという特徴があります。そのため、喉のかゆみの原因としては考えにくいかもしれません。

喉のかゆみとともに、咳が止まらないときは…

喉のかゆみがある場合、咳が止まらないという症状にも悩まされることが多いようです。咳は、ウイルス性感冒(風邪)気管支炎肺炎結核などの感染性の病気が原因である場合と、アトピー咳嗽咳喘息などの非感染症疾患が原因である場合があります。咳が出ているときは、その咳がどの程度の期間続いているか、痰が出ているかといった要素から、原因を特定します。

喉のかゆみといっしょに咳の症状も抱えている方は、「咳が止まらない時の原因は!?考えられる病気の3つの見分け方」の記事が充実しています。

まとめ

喉は食べ物を食べる、呼吸をする、外敵の侵入を感知するという3つの役割があります。外気に触れる場所なので、アレルゲン、ウィルスや細菌などが侵入しやすいところです。喉のかゆみの原因は、アレルギー性鼻炎、口腔アレルギー症候群などアレルゲンに反応して発症するものと、風邪や副鼻腔炎など細菌やウィルスが体内に侵入して発症するものに分けられます。原因が分からないけれども、かゆみが続くときは、咽喉頭異常感症が疑われることがあります。