喉は外から侵入してくる様々な病原体と触れる最前線です。環境の変化やストレスによって喉がイガイガすることも多いでしょう。
頻繁に発症するイガイガに対して、毎日の生活の中で自分が対処できることを試してみましょう。
今回は喉のイガイガとその治療法を、5つの項目に分けてご説明いたします。
喉のイガイガの原因は?
喉は外気に触れる場所なので、病原体が入りやすいところです。
喉が炎症を起こすと神経が刺激されて痛みを感じます。
喉の炎症の原因は、ウィルスなどの感染、物理的な刺激、胃液が逆流したことの刺激、食物アレルギー、心身症による影響など様々あります。詳しくは、「風邪?アレルギー?喉がイガイガする原因って?」の記事をご覧ください。
自分で治せる?
喉のイガイガを感じた時は早めに医療機関を受診する必要がありますが、症状緩和のために自分でできる努力を続けることも大切です。
5つの原因別に治療法をみていきましょう。
1.ウィルスなどの感染による炎症の場合
喉にウィルスなどが侵入して粘膜が炎症を起こしています。
ウィルスを撃退するために、身体の免疫機能を高めて不快な症状を和らげ、自然治癒を目指しましょう。
喉に良いことをする
- 声を出さず喉を休める
- 水分を多めにとる
- 加湿器やマスクをつけて喉が乾燥しないようにする
身体の免疫力を高めることをする
- 栄養バランスの良い食事をとる
- 睡眠を十分にとる
- 疲れやストレスを溜めない
2.物理的な刺激による炎症の場合
喫煙、アルコールの過度な摂取、声の出し過ぎといった物理的な刺激によっても喉は炎症を起こします。
煙草の煙は喉の粘膜を傷つけるので避けましょう。またお酒もほどほどにして喉を労わるようにしましょう。
喉に刺激が強いものは避けて、のどごしが良く消化の良い物を食べるようにしましょう。
喉に刺激があるものを避ける
- 辛いもの
- 苦いもの
- 酸っぱいもの
- 熱いもの
- 冷たすぎるもの
喉に刺激がないものを選ぶ
- ゼリー、ポタージュスープ
- おかゆ、煮込みうどん
- 煮た野菜
- 茶碗蒸し、豆腐、白身魚
3.胃食道逆流症による炎症
胃の中のものが食道に逆流して食道の粘膜を傷つけます。
食道と胃の繋ぎ目の筋肉の働きが弱くなったこと、ヘルニアの症状によるもの、お腹の圧力の上昇によるもの、不規則な食生活などによって起こると考えられています。
胃は袋の形をしていて、左から右へと曲がり腸へ繋がっています。胃とお腹の動きを意識しながら、食生活を改善しましょう。
■改善のためのチェックポイント
- 食べ過ぎない
- 寝る前の食事は控える
- 甘いもの、脂っこいもの、刺激の強いものを控える
- 食べた後にすぐ横にならない
- ベルト、ガードルやコルセットなどでお腹をしめつけない。
- 横向きに寝るときは、右を下にして消化を促す
4.口腔アレルギー症候群による炎症
食物アレルギーの一種である口腔アレルギー症候群は、アレルギーの原因となる食べ物を食べた時に、喉や口に炎症が起きます。
まずは医療機関で原因となる食物を診断してもらうことが大切です。食物アレルギーの基本は、原因食物を取り除くことです。
セルフケアのポイント
アレルギー日記をつける
いつ、何を、どれだけ食べたか、現れた症状などの項目を残しておきましょう
疑わしい食物を除去する
原因となる食べ物が分かれば、避けるようにしましょう。ただし、栄養が偏らないように、必要最小限の除去を心掛けましょう。
加熱処理をすることで抗原性がなくなり、食べてもアレルギー反応が起きない場合もあります。しかし、加熱処理をしても重篤な症状が現れることもあるので、治療の基本は避けることにあります。
5.心身症による影響
強いストレスにさらされることで、身体に不調が現れます。喉の違和感、息苦しさなどの症状は自律神経の弱まりによって起こることもあります。
現代人はストレスとは無縁ではいられません。ストレスを上手に逃がす方法を身につけましょう。キーワードは、「非日常」と「おきかえ」です。
非日常って?
いつもと違うことをしてみましょう。毎日仕事で外を飛び回っている人は、休日は家でのんびり休みましょう。いつもと少し違うという感覚が心のリラックスに繋がります。
おきかえって?
仕事が忙しくてストレスが溜まっている人は、休日に長時間ジョギングをしてみましょう。
身体は疲れても気持ちは軽くなっています。
仕事上の精神的ストレスが、走り疲れるという肉体的ストレスにおきかわったことになります。
■ストレスを上手に逃がす方法
- 適度な運動
- 快適な睡眠
- 入浴などでリラックス
- 自分なりの「非日常」と「おきかえ」
他の症状はありませんか?
喉がイガイガするとき、咳が止まらない、痰が出るといった他の症状はありませんか?また、喉に違和感がある症状として、「喉のかゆみ」を感じることもあるかもしれません。症状によっては咳止めのくすりや痰を切る薬などが市販されているので、薬局で薬剤師さんに相談してみましょう。なお、あまりにも症状が長く続く場合には医療機関を受診するようにしましょう。
まとめ
喉のイガイガを感じたら、安静にして十分な休養、睡眠、栄養をとって症状が進まないようにしましょう。
普段から十分な睡眠をとり、バランスの良い食生活を意識し、ストレスを溜めない生活を心掛けていれば、身体の抵抗力がついて、軽い症状で終わらせることができます。
自分でできることには限界があるので、重症化する前に早めに医療機関を受診することも大切です。