痛風は、風が吹くだけでも痛いという意味に由来してその漢字が当てられています。

とにかく痛そう!というイメージが強い病気ですが、実際にはどのような症状が見られるのか、また食事で予防は可能なのかどうか、医師・吉田 啓先生による監修記事で説明していきます。

目次

痛風について

症状

痛風は体の中に尿酸が溜まり、それが結晶となって激しい関節痛を伴う病気です。

放置すると激しい痛みを繰り返し、体のあちこちに結節ができたり、腎臓機能を悪化させてしまいます。

よく発生する部位としては、足の親指の付け根、くるぶし、肩、かかと、手首、ひじなどが挙げられます。

原因

痛風発作が起こる前には多くの場合、高尿酸血症が見られます。血液検査で尿酸値が7.0mg/dl以上であれば痛風になる可能性が高くなるので、注意が必要です。

尿酸値が高くなる原因としては、暴飲暴食やストレス、運動不足などがあります。

痛風にならないための生活とは?

痛風では、高尿酸血症によって引き起こされていた発作の頻度が段々と短くなってきます。

そのため、尿酸値が高いと診断されたときに早めに対処しておかなければなりません。

高尿酸血症を予防するポイントとしては、

  • アルコールを控える
  • 適度に運動をする
  • 食事に気を付ける

などが挙げられます。

その中でも一番重要なのが食事についてです。次の項では、痛風を予防する食事においてのポイントについて説明します。

痛風を予防する食生活のポイントとは?

痛風

痛風の原因になるのは、食べ物の中に含まれるプリン体という物質です。

プリン体は肝臓で代謝され、最終的に尿酸となります。尿酸は一定量であれば、汗や尿、便として排泄されていくため身体に悪影響は及ぼしません。しかし、過食・大量飲酒・肥満・ストレスなどが原因で急激に血中尿酸濃度が上昇したり、温度の低い環境などにより尿酸が血液中に溶けにくかったりすると、尿酸の結晶化が起こりやすくなります。

尿酸が溜まりすぎると血液中で結晶化して関節などに沈着、炎症反応を起こし、激痛を引き起こします。これが「痛風」です。

食べ物の中に含まれているものというイメージが強いプリン体ですが、食事由来のプリン体は3割にすぎず、7割は体内で合成されます。細胞が新陳代謝を行う過程や、細胞がエネルギーを産生する過程で副産物としてプリン体が合成されます。

痛風を予防するためには、プリン体の摂取量を少なくすることに加え、海藻や野菜・果物などのアルカリ食品を摂取して血液をアルカリ化すること、水分摂取を多くすること(目安として1日1.5L以上)が重要になります。

プリン体を多く含む食べ物

  • レバー・・・210~320mg/100g
  • 白子・・・300mg/100g
  • エビ、イワシ、カツオ・・・210~270mg/100g

その他、魚の干物、タコ、干椎茸、大豆、かまぼこ、パセリ、アボカドなど

■ お酒に含まれるプリン体の量 (100ml中)

ビール 4.35~6.86mg
発泡酒 2.84~3.83mg
日本酒 1.18mg
焼酎 0.03mg
ワイン 0.4mg
ウイスキー 0.1mg
低アルコールビール 7.06mg

プリン体の多い食品はなるべく控えるように気をつけましょう。

1日のプリン体の摂取量は400mgまでです。

まとめ

痛風にならないようにするためには、まずは血中の尿酸値に気をつける必要があります。健康診断などで少し高めだなと気が付いたら早めに対処しましょう。

普段の生活から食生活に気をつけ、暴飲暴食を避け規則正しい生活を送れるように意識をしましょう。