風が吹くだけでも痛いと比喩される痛風。痛風は生活習慣病の一つで、日頃の食生活が深く関連しています。痛風はプリン体が原因とはわかっていても、実際にどのような食品に多いか知らないという方もいるのではないでしょうか。

この記事ではプリン体の多い食べ物や含まれる量について紹介し、痛風の食事のポイントについて詳しく解説していきます。

目次

プリン体ってどんなもの?

プリン体は核酸の主成分であり、代謝によって尿酸となります。プリン体は核酸の主成分であるアデニングアニンとして存在するため、ほとんどの食品に含まれています。

体内には食べ物から取り込まれるプリン体以外にも新陳代謝によって合成されたものがあります。プリン体は肝臓で代謝され、尿酸となって体外に排泄されますが、代謝が追い付かず血液の中に尿酸がたまってしまう状態を高尿酸血症といいます。

痛風は尿酸が結晶化したものが関節に沈着し、急性関節炎を起こしたものをいいます。関節以外にも腎臓尿路に沈着してしまう場合もあります。

プリン体の多い食品とは?

プリン体は細胞数の多い食品には多く含まれ、レバー魚介類などがあげられます。アルコール飲料ではビールに多く含まれています。

「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」ではプリン体の含有量が100g中200mg以上のものを「多い」としています。

プリン体が多く含まれる食品と100gあたりの含有量

食品名 含有量(mg)
肉類 豚レバー 284.8
牛レバー 219.8
鶏レバー 312.2
魚介類 カツオ 211.4
マイワシ 210.4
大正エビ 273.2
オキアミ 225.7
マイワシ
(干物)
305.7
マアジ
(干物)
245.8
サンマ
(干物)
208.8
カツオブシ
(干物)
493.3
煮干し
(干物)
746.1
白子 305.5
野菜類 干し椎茸 379.5

参照:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版を元にいしゃまち編集部が作成

 

乾燥品の干し椎茸や魚の干物は水分量が減っているため相対的に高い数字になります。その場合は原材料と比較して考えましょう。一度の使用量が少ないカツオブシなどはそれほど影響は大きくないと考えて良いでしょう。

ビールはメーカーによって差がありますが、大体3.0〜7.0mg(100ml)と他のお酒よりも高い値となっています。

痛風の食事のポイント

痛風は昔から「贅沢病」とも呼ばれ、患者の多くは肉食・大酒・肥満の特徴があり、脂質異常症や糖代謝異常などを伴っている場合が多いです。プリン体の過剰摂取を控えるとともに、カロリーコントロール飲酒、十分な飲水が必要です。

肥満は体内でのプリン体の合成を促進し、食べすぎによってプリン体の摂取も増えています。肥満がある人はまずは減量を試みて、肥満ではない人は糖尿病の食事療法に準じた摂取エネルギーのコントロールが必要です。

プリン体の制限は、肉の摂取が多くならないようにすること、プリン体が多く含まれる内臓や肉汁を控えることが大切です。あれもこれもと厳しい制限をするのではなく、食事全体の量が多くなりすぎないように気をつけながら、プリン体の多い食品に気をつけていきましょう。

飲酒習慣のある人はお酒の量を見直し、節酒や禁酒を心がけましょう。1日の目安量はビールなら500ml、日本酒は1合(180ml)です。さらに週に2日以上の休肝日を設けましょう。

さらに水分をしっかり摂ることも大切です。ジュースや牛乳などではなく、できれば水を1日2リットル以上飲むようにしましょう。飲水量が多くなれば尿量が増え、尿酸の排泄を助けてくれます。

まとめ

食事制限を厳しく行うと長続きしません。無理のない範囲で行い、自然と良い習慣づくりができるように取り組んでいきましょう。