なんだかゾクゾクとする不快な症状の寒気寒気の原因には発熱に関連したものとそうでないものがあります。詳しくは記事「何だか寒気がする…熱?それとも他の病気?寒気の原因とは」をご参照ください。

高熱が出る前に現れる寒気は、その原因となる病気として感染症脳疾患がんなどが考えられます。一方、明らかな発熱はないのに寒気が起こる場合は、生理周期更年期障害などの女性ホルモンとの関連や心因性のストレスとの関連が考えられます。

目次

寒気がするときは何科を受診すればいい?

高熱や感染症症状がある場合

寒気の後に高熱が出て、や呼吸困難などの呼吸器症状、下痢や嘔吐などの消化器症状、また排尿時痛や残尿感などの尿路感染症症状がある場合は、それらの感染症が疑われます。また、熱以外の症状がない高熱も何らかの感染症が疑われますので、まずは総合的な検査、診療が可能な一般内科を受診しましょう。

内科で問診、血液検査や尿検査、レントゲン検査などが行われ、感染症が明らかとなれば、その治療が行われます。しかし、発熱が顕著でない場合や、検査の結果によって感染症の可能性が否定されるケースでは、ほかの疑わしい病気がないか、問診や検査を進めながら経過観察となります。

発熱との関連や発熱以外の症状の有無が診断の手がかりとなりますので、受診の際はこれらを医師に正確に伝えましょう。

女性特有の生理周期症状がある場合

生理前に起こる倦怠感頭痛下腹部の張り浮腫み精神的なイライラなどは月経前症候群(PMSの症状であり、女性ホルモンの影響によって起こる寒気もその症状のひとつです。

また、更年期障害の代表的な症状であるホットフラッシュは、急なほてり、発汗とその反動で寒気を生じます。

これらの特徴的な症状がある場合は、産婦人科を受診することが有用です。

女性のライフステージに起こる様々な症状や悩みについては、産婦人科医が専門的にサポートします。詳しくはこちらの記事「産婦人科のかかりつけ医をお持ちですか?」をご参照ください。

寒気の対策はどうすればいいの?予防はできるの?

前述のように、高熱や感染症症状がある場合は速やかに受診することが必要です。原因となる感染症や病気が特定され、その治療を受けることで症状は改善します。

こうした感染症などの病気が原因となる寒気は一過性のものですが、発熱を伴わないのに寒気が続いたり、周期的に繰り返したりする場合は、女性ホルモンの影響や心因的なストレスの影響が考えられます。生活習慣の改善やストレスをコントロールすることで、寒気を改善・予防しましょう。

寒気の元凶は身体の冷え

寒気を感じやすい人は血流が滞り、身体が冷えた状態(いわゆる冷え性)になっています。

冷たい外気や冷房が効きすぎた環境は直接的に身体を冷やしますが、こうした直接的な原因以外にも身体を冷やす原因が生活習慣の中に潜んでいます。

身体を冷やす危険な生活習慣

1.栄養が偏りがちなダイエット

カロリーを制限するダイエットは、熱を効率的に産生する栄養素であるタンパク質の不足を招きます。また、酵素を取り入れることで注目されているローフード(野菜や果物の生食)も身体を冷やしやすいとされています。

特定の食品や栄養素を摂ることだけでは、健康な身体を作ることはできません。高タンパクで女性ホルモンに近い働きをするイソフラボンを豊富に含む大豆もまた、過剰摂取をするとホルモンバランスの乱れを起こします。

食事は活動量に見合ったカロリーを、できるだけ多くの栄養素から過不足なく取ることが理想的です。バランスよく取ることを心掛け、極端なダイエットは控えましょう。

2.シャワーで済ませてしまう

入浴は身体を直接温め、血行を促進する効果があります。またゆっくりと湯船に浸かることで心身のリラックス効果があり、自律神経のバランスを整えます。シャワーの場合、こうした湯船に浸かることで得られる効果は少なく、季節や浴室や脱衣所の環境によっては、シャワー後に身体が急激に冷えてしまいます。たまにはゆっくり湯船に浸かることも冷えにくい身体を作ることに繋がります。

3.コーヒーや冷たい飲み物が欠かせない

冷たい飲み物は直接身体を冷やしますが、身体を冷やすのは冷たい飲み物だけではありません。コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインは、交感神経を刺激し、血管を収縮させます。これによって血流が悪くなり身体が冷えてしまいます。ノンカフェインの飲み物(ほうじ茶・麦茶・ごぼう茶)も多くありますので、カフェインの摂りすぎにはくれぐれも注意し、飲み物の種類を変えて楽しみながら冷えを解消しましょう。

4.薄着や身体のラインが出る服装が好き

素足や薄手のストッキングの足元や広く開いた胸元や肩の露出などで、直接冷たい外気に当たると血管が収縮し血行が悪くなります。むやみに厚着や重ね着をする必要はありませんが、身体の血管に近い場所である首、足首、手首が冷えないような服装を心掛けましょう。

血流の改善には身体を締め付けないことも重要です。補整力の強い下着や伸縮性のないスリムジーンズの長時間の着用は、血流を阻害する原因となります。必ず身体に合ったものを正しく着用しましょう。

また足の浮腫みや血流を改善する圧縮タイプのソックスやタイツも、間違った着用により逆効果となる場合があります。サイズが合ったものを着用し、ねじれやヨレ、シワがないよう着用し、長時間の使用は控えましょう。

5.夜更かしや睡眠不足になりがち

夜更かしや睡眠不足、就寝時間がまちまちなどの習慣は、自律神経やホルモンバランスの乱れに繋がります。照明や空調によりゆっくりと休める環境を整え、できるだけ決まった時間に就寝し、起床するようにしましょう。

特に冬場は布団が冷たく足先が冷えて、なかなか寝付けないことがあります。あらかじめ保温具などで温めておきましょう。就寝時に靴下を着用することは賛否両論ありますが、血流や発汗などの新陳代謝を阻害しないよう、自然素材(コットンやシルク)でゴムなどの締め付けのないゆったりとしたデザインのものがおすすめです。

毛布に包まるねこ

まとめ

寒気には感染症などの発熱に伴って起こるものと、女性の生理周期やストレスによるホルモンや自律神経の乱れによって身体が冷えてしまうことによって起こるものがあります。なかでもホルモンや自律神経の乱れにいる身体の冷えは、様々な生活習慣の影響を受けています。

生活習慣の改善やストレスをコントロールすることで、寒気を改善、予防しましょう。