大勢の前で話したり、好きな人の前にいると緊張して胸がドキドキすることがありますね。心拍は、交感神経と副交感神経からなる自律神経によって、コントロールされています。不安、緊張、ストレス状態にあると、交感神経の働きが高まり、筋肉が緊張し、血圧や心拍があがり、呼吸が浅くなります。逆に副交感神経が活発になると、体は緩み、血圧や心拍もさがり、リラックスした状態になります。

しかし、とくに緊張する場面ではなく日常時に頻繁に動悸がする場合は、心臓、肺、あるいはココロの病気である可能性があるので、自分の状態をチェックし、対処法をみていきましょう。

目次

動悸の原因

過剰な興奮や緊張状態

緊張したり、不安な気持ち、恥ずかしい思いをしたときに心拍数が上がることがあります。
この時は、交感神経の働きが高まっていることで起こっているので、このような原因の時は特に心配ありません。

カフェインやアルコールの飲み過ぎ

カフェイン、アルコール、ニコチンは、自律神経を刺激し、血圧を変化させて脈拍を速める作用があります。
摂取しすぎに気をつけ、嗜む程度に。

動悸の原因となる主な疾患

主な原因は心臓病が多く、その他に甲状腺に関する疾患、精神疾患などが考えられます。

薬の副作用

低血圧、狭心症の治療として血管を拡張する薬や、腸の働きを抑えるために副交感神経を弱める薬を服用していると、動悸の症状を引き起こします。
そのほかには、糖尿病の治療のためにインスリンを過剰に投与すると、低血糖になり動悸を引き起こすことがあります。

動悸を伴う疾患

考えられる主な病気 病気の概要
不整脈 心拍動が、標準値(1分間に60~100回程度)を超えて、
拍動が多すぎたり、少なすぎたり、心拍動のリズムが乱れる
狭心症
心筋梗塞
心臓の筋肉に血液を送り込む血管が動脈硬化
(動脈内の壁が硬くなった状態)によって、
狭くなったり詰まったりして、血流が不足し心臓が
酸欠状態になる病気
低血糖症 血糖値の異常な低下(通常50mg/dl以下)によって
引き起こされる
バセドウ病
(甲状腺機能亢進症)
甲状腺ホルモンの過剰分泌によって、
全身のエネルギー代謝が異常に高まる病気
貧血 鉄分の不足などが原因で、酸素と結合して酸素を体の
隅々まで運ぶヘモグロビンが減少し、血液中の濃度が
薄くなった状態。
更年期障害 閉経の前後、約10年間をさす更年期を迎えると、
女性ホルモンバランスが急激に変化し、心体に
さまざまなトラブルを引き起こす
精神疾患 パニック障害うつ病、適応障害、心気症などの
精神疾患が原因となっている場合がある

 出典:タケダ健康サイト、厚生労働省の情報をもとにいしゃまち編集部作成

動悸の対処法まとめ

リラックス

こころと体を安静に

動悸が起こったら、まずは体を休めて安静にし、一時的に様子をみてください。
深く深呼吸をしたり、息こらえをすることで、治まる場合もあります。

ただし、動悸だけでなく、胸の痛み、呼吸困難を伴う場合は、すぐに医療機関を受診して下さい。

病院で診察を受ける

安静にしていて、動悸が起こるのは、心臓か内分泌ホルモンに問題がある可能性があります。
もともと心臓に病気を抱えている場合は、かかりつけ医に行き、医師の診断のもと適切な検査を受けましょう。

発作が起こった時は、できるだけ脈拍数、脈拍の強さをチェックし、医師に伝えられるようにしましょう。