身体に発疹が出てかゆがるなど、水疱瘡(みずぼうそう)を疑う症状がみられたらすぐにかかりつけの小児科を受診しましょう。水疱瘡は感染力が強いので、周りの人にうつさないための配慮も必要な病気です。今回は水疱瘡にかかったときの治療についてご紹介します。水疱瘡がどのような病気かについては、「身近な子供の病気・水疱瘡(水痘)。どんな症状?予防接種は有効? 」をご参照ください。

目次

病院で行う治療

水疱瘡は空気感染で感染が広がることもあるため、周囲への予防を配慮することが重要です。そのため医療機関を受診するときはあらかじめ電話をし、水疱瘡の可能性があることを伝えます。待合室で他の人に感染させないように、別の入口から案内されることもあるからです。

基本的には、薬による治療を行います。処方された薬は、医師の指示に従って必ず飲みきるようにしましょう。

ウイルスの増殖を防ぐ

かゆみが強い場合には、外用薬のかゆみ止めが処方されます。水疱を破らないように気を付けながら、一つ一つの水疱に丁寧に塗り込んでいきましょう。水疱中にはたくさんのウイルスが潜んでいることも知られています。そのためもし水疱が破れていたら、手で直接触らるとさらに皮疹がひろがることになります。そのため水疱が破れた部位に対しては、綿棒を使って薬を塗ります。

かゆみを和らげる

かゆみが強い場合には、外用薬のかゆみ止めが処方されます。水疱を破らないように気を付けながら、一つ一つの水疱に丁寧に塗り込んでいきましょう。もし水疱が破れていたら、手で直接触らないように、綿棒を使って薬を塗ります。

細菌感染を防ぐ

水疱瘡ではかゆみを伴う発疹ができるため、皮膚をかきむしったときに、細菌感染によって化膿することがあります。その場合、抗生物質を使って治療を行う場合もあります。

熱を下げる

熱がひどい場合には、解熱剤を用いる場合もあります(ただし、子供の水疱瘡ではそこまで重症化することは多くありません)。

解熱剤は、自己判断では使用しないで

アスピリン系の解熱剤を用いると脳症を引き起こしてしまうことがあるため、自己判断で市販の解熱剤や風邪薬は使用しないでください。解熱剤の使用に関して不安がある場合にはかかりつけの先生に相談するようにしましょう。

家庭で行うセルフケア

家をのぞく子供

自宅では、発疹をなるべくかきむしらないで清潔に保つ工夫を行います。また、水疱があるうちは、他の人への感染力を持っています。全ての水疱がかさぶたになるまで登校も禁止されているため、家の中で他の家族との接触を避け、外出を控えるようにしましょう。またタオルや箸などの共有も避けるようにしましょう。

爪を短くする

発疹や水疱をかきむしらないようにするために、お子さんの爪は短く切っておきましょう。かゆみが酷くかかずにはいられないときは、手袋をつけることも有効です。発疹をかきこわすと、手に水疱瘡のウイルスがついてしまう場合があるので、よく手洗いをして清潔にしておきましょう。

清潔を保つ

水疱があるうちは、かきむしった傷から他の細菌に感染する可能性があります。そのため、水疱は破らないようにして、清潔に保ってください。体力の消耗や脱水を防ぐため熱がある間の入浴は控え、清潔を保つためにシャワー等でさっと身体を洗うことを心がけてください。

また、水疱が破れると中の液体が出てくるので、衣類や寝具が汚れます。身に着ける下着、パジャマ、枕カバーやシーツなどは、こまめに洗って替えるようにします。

食事はのどごしの良いものにする

口の中に発疹ができているとしみて痛くなるので、熱いものや刺激物は避けて、ゼリー、ヨーグルトや麺類などやわらかくのどごしの良いものを用意しましょう。食欲があるようであれば、何を食べても構いません。

学校や保育園にはいつから行ける?

赤ペン

集団生活の場である学校や保育園・幼稚園での感染拡大を防ぐために制定されているのが、学校保健安全法です。水疱瘡はこの法律によって第2種の感染症に規定されており、すべての発疹がかさぶたになるまでは出席停止とされています。

ただし、病状によって学校医やその他の医師が感染のおそれがないと認めたときにはこの限りではありません。学校に行けるかどうかは、学校医や、かかりつけの医師に相談をするようにしましょう。

まとめ

水疱瘡はウイルス性の感染症のため、基本的には抗ウイルス薬を使って治療をします。かゆみが酷いときは、かゆみ止めの外用薬を処方されることもあります。
家庭で行えるセルフケアとしては、できた水疱のかゆみを抑えて身体を清潔に保つことです。感染力が強いので、家族内での接触に気を付け、外出も控えて回復に努めましょう。