糖尿病の食事療法の1つに「食品交換表」を使用するやり方があることはご存じですか?
食品をグループに分け、「単位」という方法を用いて献立を組み立てていく方法です。

1単位を80kcalとし、設定エネルギーを80kcalで割ることで自分に必要な単位数を算出することができます。

これだけを聞くと難しく感じるかもしれませんが、食品交換表の考え方を利用すると、何をどのくらい食べていいかが分かりやすくなり、大変だと思われがちな糖尿病の食事療法が簡単に行えるようになります。

食品交換表の使い方を説明いたしますので、ぜひコツをつかんで是非実践してみて下さい。

目次

食品のグループ分け

食品交換表では様々な食品が表1から表6までのグループに分けられており、それぞれ1単位にあたる80kcalのグラム数が示されています。

それぞれのグループから何単位ずつ選ぶのかを決めることで、何をどのくらい食べたらよいかが分かり、またそうすることで自然とバランスの良い食事を摂ることができます。

表1から表6までの分類

表1 主に糖質を含む食品 ご飯・パン・麺類、炭水化物の多い野菜・豆類
表2 果物
表3 主にタンパク質を含む食品 魚介類、肉類、卵、チーズ、大豆、大豆製品
表4 牛乳・乳製品
表5 主に脂質を含む食品 油脂、脂質の多い食品
表6 主にビタミン・ミネラルを多く含む食品 野菜、海藻、きのこ、こんにゃく
その他 調味料 味噌、砂糖、みりんなど

出典:日本糖尿病学会|糖尿病食事療法のための食品交換表を元にいしゃまち編集部が作成

単位の配分の仕方

糖尿病と診断を受けると、通常は医師から摂取してよいカロリーの指示があります。
これは病状や体格などによって算出されたものであり、人によって異なります。

ここで算出されたカロリーを80(1単位)で割ることで自分の単位数が分かります。

(例)
1600kcalの場合
1600÷80=20単位

この場合、合計20単位分を摂取してよいことになります。
次に、ここで求められた単位数を使って食品交換表の各グループに単位を配分していきます。
配分の割合は、医師の指導に従ってください。

次の表は炭水化物60%の方の例で、腎臓の機能に問題ない方(腎症2期より前)はこれより炭水化物の割合が少なく指導されることもあります。

20単位(1600kcal)の場合の単位配分の例(炭水化物60%)

  1日の単位数 朝食 昼食 夕食 間食
1 10 3 3 4  
2 1 1
3 4.5 1 1.5 2  
4 1.5 2
5 1 1  
6 1.2 0.4 0.4 0.4  
その他 0.8 0.8  

1日の単位数の合計(灰色の部分を足した合計)がぴったり20になっていますね。

表1、3、6は朝食、昼食、夕食で摂りたい単位数が決まっています。
表2、表4は朝食、昼食、夕食、間食のどのタイミングで摂っても構いません。
表5、その他(調味料)は1日分で記されています(味付け等を考えて、1日分が指定量を超えなければOKです)

こちらはあくまでも参考例なので、多少のズレがあっても構いません。
朝昼夕の時間や単位数により配分を変えて調整をしてください。

食品交換のルールとは?

食品交換表

食品交換表という名前の通り、同じ表の食品同士は交換(入れ替え)して使用することができます。

例えば、オレンジの部分(表1)にはご飯50g食パン30g(6枚切り1/2枚)があります。
ご飯を150g(3単位)として立てた献立があった場合、その主食を食パン90g(3単位)と入れ替えても良いというルールとなっています。

食パンを60g(2単位)にしてジャガイモを100g(1単位)追加することも可能です。
表1の中では他にもうどんやそば、スパゲティなどと交換できます。

赤色の部分(表3)では魚と肉を入れ替えたり、肉の量を減らして豆腐を組み合わせたり、使いたい食材の量を考慮しながら食品を組み合わせて献立を立てていきます。

食品の分類と1単位あたりの量に関しては下記のリンク先に詳しく書いてあったので参考にしてください。

ハル薬局|食品交換表

また、糖尿病学会が発行している本がありますので、実際に家庭で食品交換表を使いたい方は1冊持っておくと便利かもしれません。

食品交換表 第7版

食品交換表 活用編 第2版

まとめ

食品交換表は糖尿病の食事療法を行う上でとても役に立ちます。
各表の食品をまんべんなく摂取することで色々な栄養素を摂取することができ、栄養管理が無理なく行えるのです。

使い方を覚えるまでは難しく感じることもあるかもしれませんが、慣れてしまえばとても便利なものです。
食品交換表のポイントを正しく理解し、是非あなたの健康管理に取り入れてみてください。