40代を過ぎると、若い頃と同じ生活をしていても、太りやすい体質になってきたと感じる人が多くなります。

加齢とともに体質が変化し、何らかの原因により太ってしまうことを中年太りと呼びますが、これは白髪や老眼などと同じく老化現象の一種です。

中年太りは外見に影響するだけでなく、生活習慣病を起こしやすくなるため、健康にも害を与えます。では、実際に私たちの体内ではどのようなことが起こっているのでしょうか。中年太りが起こる仕組みを説明していきます。

目次

原因その①筋肉量の低下

人は、何もせずに寝ているだけでもエネルギーを消費しています。

呼吸や体の様々な機能が活動するために消費しているエネルギーを、基礎代謝といいます。基礎代謝は筋肉量に比例し、筋肉量が多ければ高く、少なければ低い傾向にあります。

そして基礎代謝が高い人は痩せやすく、たくさん食べても太りにくい体質となっており、反対に基礎代謝が低い人は痩せにくく太りやすい体質であることが多いのです。

基礎代謝量は20歳手前でピークを迎えて徐々に低下していき40代頃からガクッと落ちてしまいます。つまり、若い頃と同じような生活習慣をずっと続けていると、それだけで中年太りの原因となってしまうのです。

原因その②運動量の低下

中年太り

ほとんどの人は大人になると、若いときと比較して運動する機会が減ると思います。学生時代は体育の授業や部活動などで定期的に体を動かす機会があっても、成人してからは自分でそのような機会を作らないと、なかなか運動をすることもありませんよね。

国民栄養調査によると、1回30分以上の運動を週に2回・1年以上継続している人の割合は40代〜50代男性で2割程度、女性では1割〜2割弱となっています。60代〜70代になるとその割合は3割以上に回復しますが、これは時間に余裕が持てるようになったことと健康に対しての意識が高まっているためといえるでしょう(厚生労働省|平成26年「国民健康・栄養調査」の結果より)。

前述のように、私たちの身体は歳を取ると筋肉が減り、結果として基礎代謝が落ちてしまいます。運動量は若い頃と変わらないのに体重が増えていくのは、このためです。

筋肉量を低下させないためには、運動をすることが何よりも大切です。ウォーキングの習慣を付けてみたり定期的にジムに通ったりするなど、自分にできそうなことを探してみましょう。

原因その③食生活

人によって1日に必要なエネルギー量は異なり、性別や年齢、活動レベルによって変化していきます。

基本は基礎代謝量に活動レベルの係数を乗じて求められるのですが、加齢とともに筋肉量が低下していくことから、必要エネルギー量も加齢とともに低下していきます。

なかには生活環境や健康面の変化から食事に対しての嗜好や食生活、食べる量が変化する人もいますが、若いときの食生活をそのまま続けている人も大勢います。

基礎代謝は加齢とともに低下していきますが、若いときと同じような食生活をして余分なエネルギーを摂取する生活が続いていけば、肥満を避けることは難しいのです。自分の食生活を見直し、必要エネルギー量に見合った食事がとれるように管理していくことが必要となります。

まとめ

中年太りは誰にでも起こるわけではありませんが、若いときと同じ生活を続けていれば起こる確率は確実に高まってしまいます。

肥満は生活習慣病などの様々な病気の原因に繋がることも多く、日常的に意識して防ぐ必要があります。

太ってきたなと感じたら、もう一度自分の運動習慣や食習慣を見直してみましょう。中年太りの解消法について詳しくは、「中年太りを解消しよう!30代後半からの食生活のポイント3つ」をご参照ください。