最近の体組成計では、基礎代謝まで計算できるものがあります。
体重を気にし始めた人や、減量中の人では自分の基礎代謝が気になる方もいるのではないでしょうか?
この記事では、基礎代謝とは何なのか、また、基礎代謝量を上げることはできるのかについて見ていきたいと思います。
基礎代謝ってなに?
私たちは何もせずじっとしている時でも、生命維持のためにエネルギーを消費し続けています。この、心身ともに安静な時にも消費される最小限のエネルギー代謝のことを基礎代謝といいます。
1日のエネルギー消費量のうち約60%は基礎代謝によるもので、実はかなりの量のエネルギーを毎日安静にしていても消費しているのです。
ちなみに、エネルギー消費量の内訳の残りは食事による代謝(食事誘発性熱産生)が約10%、身体活動によるエネルギー消費が約30%となっています(厚生労働省より)。
自分の基礎代謝量はどれくらい?年齢・性別ごとの目安
自分の基礎代謝量を測る方法として、まず市販の体組成計を利用する方法があります。基礎代謝も計測できるものを購入し、利用しても良いでしょう。
体組成計のない家庭では、年齢・性別ごとに決められた基礎代謝基準値が利用できます。
これは体重1kgあたりの基礎代謝量の代表値であり、
基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)×自分の体重(kg)
で、自分の基礎代謝量の推定値を求めることができます。
日本人の基礎代謝基準値は、以下の表の通りです。
男性 | 女性 | |
1-2歳 | 61.0 | 59.7 |
3-5歳 | 54.8 | 52.2 |
6-7歳 | 44.3 | 41.9 |
8-9歳 | 40.8 | 38.3 |
10-11歳 | 37.4 | 34.8 |
12-14歳 | 31.0 | 29.6 |
15-17歳 | 27.0 | 25.3 |
18-29歳 | 24.0 | 22.1 |
30-49歳 | 22.3 | 21.7 |
50-69歳 | 21.5 | 20.7 |
70歳以上 | 21.5 | 20.7 |
(厚生労働省 e-ヘルスネットをもとにいしゃまち編集部作成)
例えば35歳で52kgの女性の場合、基礎代謝基準値は21.7であるため、
21.7×52=1128.4
となり、一日で約1130kcalを基礎代謝として消費していることがわかります。
ただし、この計算で求められる数値は、あくまで目安と考えましょう。
なぜなら脂肪よりも筋肉の方が基礎代謝は大きいため、同じ体重でも、筋肉量の多い人の方が基礎代謝量は大きくなるからです。
通常、女性よりも男性の方が基礎代謝量は大きくなる理由には、筋肉量も関係しています。
筋トレで基礎代謝量を上げることはできる?
基礎代謝量を上げたい、と考えている方の目的はダイエットや体づくりだと思います。
体重を重くすれば基礎代謝量も確かに上がりますが、増えたのが脂肪では健康的ではないですし、締まりのない見た目になってしまいます。
健康的に基礎代謝をアップさせる方法としては、筋力トレーニングが挙げられます。
脂肪よりも筋肉の方が基礎代謝量が大きいため、筋肉量をアップすれば基礎代謝を上げることができるといわれているのです。
ただし、筋肉1kgの基礎代謝量は13kcalとされています。
つまり、筋肉を1kg増やせたとしても、1日あたり13kcalの基礎代謝量アップにしかなりません。
さらにトレーニングの結果、体重が減ってしまうとその分の基礎代謝が下がるため、1日の基礎代謝量を劇的に上げるのは難しいといえます。
しかし脂肪が1kgあたり4.5kcalの代謝量であるため、体重あたりの基礎代謝量は大きくなっている状態です。
また、筋力トレーニングそれ自体のエネルギー消費量、そして、体が軽くなり負担の強い運動もできるようになることを考えると、基礎代謝とは別の部分で一日の消費エネルギーが増えることが予想されます。
さらに、基礎代謝量は10代をピークにして、その後は加齢とともに少なくなっていきますが、加齢に伴う基礎代謝の低下は、筋肉量の低下が大きな原因ではないかといわれています。
筋力トレーニングを続けることによって、加齢による基礎代謝量の減少を防ぐ効果が期待できます。
まとめ
基礎代謝量を上げたいと考えている方の中には、ダイエット目的の方が多くいらっしゃると思います。
ですが体重が重いほど基礎代謝量も大きくなるため、筋力トレーニングによって減量しつつ基礎代謝量を上げるということはなかなか難しいことかもしれません。
ただ、適度な運動がダイエットに繋がることは間違いなく、筋肉量が増えることによって運動の強度を上げることもできるようになってきます。