急にフラーッとなる立ちくらみ…日常的に経験しないことなので、一度起きるとなんで起きたのか不安になる人も多いのではないでしょうか?今回は、心配しなくてもよい立ちくらみと注意すべき立ちくらみの見分け方について解説します。
まったく心配する必要のない立ちくらみは?
まず、放っておいても大丈夫な立ちくらみの特徴を紹介します。
実際、立ちくらみの多くはこの部類に含まれるので、以下の条件にあてはまる場合は心配ありません。
立ちくらみを起こした時に、
- 立っていた
- 極度に緊張した状況、暑さ、痛みなど、ストレスのある環境にいた
- 汗をかいたり吐き気を催したり、このままでは倒れてしまいそうという感覚があった
- 2~3分寝ていれば回復した
このような立ちくらみは、血管迷走神経反射といいます。基本的に病院を受診する必要はありませんので、このままでは倒れそうと思ったらすぐに横になる、安静にするといった対応をとりましょう。
注意すべき立ちくらみは?
ここからは、病気の可能性のある立ちくらみについてお話しします。
不整脈
以上の条件に当てはまる場合は、不整脈によるものが多いです。不整脈は様々な原因で起こるので、全てが危険というわけではありませんが、重大な心疾患やその他の病気が隠れている場合があります。なので、病院へ行って心電図や心エコーの検査をしてもらいましょう。
貧血
貧血が原因で立ちくらみが起こることがありますが、中でも急な貧血の原因の一つとして消化管出血が挙げられます。
このような条件が見られる場合、消化性潰瘍による消化管出血が原因となっている可能性があります。血液検査や消化管内視鏡検査など、病院での精査が必要となります。
自律神経障害
- 排尿障害や便秘といった症状や、寝ている状態から起き上がるときに立ちくらみを起こす
- 糖尿病があり、足の感覚が鈍くなったりしびれたりする(糖尿病性ニューロパチー)
- 視力低下やこむらがえり、しびれなどの症状が出現し、1~2週間で良くなるが、また悪くなり、その後良くなったり悪くなったりを繰り返す(多発性硬化症)
- じっとしているときに手足が震えたり、歩こうとすると足がすくんだり、動作が遅くなったりする(パーキンソン病)
以上の病気はすべて自律神経の障害によるものです。自律神経に障害があると、血圧の調節がうまくできなくなるため、特に寝ている状態から急に起き上がるときに立ちくらみを起こしやすくなります。
上記のような病気で立ちくらみが引き起こされている場合、まずはこれらの病気の治療が必要です。
また、低血圧を防ぐため、下肢ストッキングや塩分の摂取も行うとよいです(ただし、塩分摂取は心不全などの合併症がある場合は、心不全症状を悪くしてしまうため、お医者さんに相談してください)。
一過性脳虚血発作
このような場合、一過性脳虚血発作の可能性があります。この病気は、脳梗塞の一歩手前の状態であり、脳梗塞へ移行する危険があります。上記のような症状が見られた場合は、速やかに病院へ行きましょう。
特に、一過性の視力低下は特徴的な症状です。病院では、どのような症状が起きたか、どれくらい症状が持続したかなどをお医者さんに詳しく伝えると、早く診断に結びつくことがあります。
最後に
今回は、注意すべき立ちくらみについてお話してきました。
実際のところ、圧倒的に多いのは血管迷走神経反射なので、そんなに神経質になる必要はありません。しかし、立ちくらみの中には怖い病気が隠れていることもあるので、上記のいずれかに当てはまる症状がみられた場合は、ためらわずに病院で検査をうけましょう。