深く爪を切ってしまう、足に合わない靴を履いている、など日常のライフスタイルが原因となって起こるのが陥入爪です。以前は手術によって治療を行っておりましたが、最近は手術以外での治療も行われるようになりました。今回は、巻き爪・陥入爪の治療についてご説明します。

巻き爪・陥入爪についての症状などは、「巻き爪・陥入爪の原因と予防法2つ!」をご覧ください。

目次

巻き爪陥入爪の受診の目安は?何科に行けば良い?

足の爪の痛みが強いときや炎症を起こしているときは、足の専門外来、皮膚科や形成外科を受診しましょう。

セルフケアはできる?

巻き爪-陥入爪セルフケア方法-図解

巻き爪の症状が軽いうちは、応急処置として自宅でも痛みを和らげる方法があります。

コットンパッキング法

爪の先が2ミリ程度空いていれば、コットンを米粒くらいの大きさに丸めて、皮膚と痛みのある爪の間に挟みます。コットンが小さいと効果が現れず、大きすぎると反対に痛むことがあるので、ちょうど良い大きさになるように何度も調整をしましょう。

テーピング法

爪の先が1ミリ程度しか空いておらず、コットンを挟むことが難しければ、皮膚と痛みのある爪の間をテーピング用のテープやばんそうこうで広げて、痛みを緩和させます。

  1. 5、6ミリ程度にカットしたテープの端を爪の横ぎりぎりに貼る
  2. 爪と皮膚の間を広げるように強く引っ張りながら指の腹を通して反対側へ回す
  3. 指の腹から回したテープを指の上に斜めに回しながら引っ張る
  4. 反対側も爪の横から同じように貼る

病院での治療は?

症状が進むと応急処置だけでは対処できなくなるので、医療機関を受診するようにしましょう。以前は、爪の横の部分を切る手術療法が行われていましたが、炎症が起きたり爪の形が変わるという問題が起こったので、現在は手術を行わない保存的治療が行われるようになってきました。爪を少しずつ矯正していく方法です。歯の矯正と同じように時間はかかりますが、痛みも少なく効果が現れる方法だといわれています。

超弾性ワイヤー法

爪が指先から2ミリ程度伸びたら治療を始めます。

  1. 爪の先端に2か所穴をあけて特殊な超弾性ワイヤーを通す
  2. 特殊な形状記憶ワイヤーがまっすぐに戻ろうとする力で巻き爪の形を少しずつ改善させる

超弾性クリップ法

爪が薄くワイヤー法で治療をすると爪が割れてしまったり、矯正され過ぎてしまう人に向いている治療法です。

  1. 爪の先に形状記憶合金製のクリップを差し込む
  2. クリップが爪の中央を支点として両端を持ち上げる
  3. クリップが落ちないように、テープなどで覆う

アクリル樹脂人工爪療法

深爪や陥入爪の症状の緩和のために行います。爪の上にアクリル樹脂でできた人工爪を付けて爪が伸びた状態を作り、爪の食い込みや皮膚の盛り上がりを改善させます。

ガタ―法

爪が皮膚に強く食い込んで溝(ガタ―)のようになった時に、行うのがガタ―法です。医療用プラスチックチューブを陥入爪の側面に差し込んで固定し、爪と炎症のある皮膚の間に空間を作って爪の食い込みを防ぎます。とがった爪を保護することで、炎症と痛みの症状を緩和します。

まとめ

巻き爪や陥入爪の症状が軽いときは、セルフケアで対処することができますが、症状が進むと医療機関による治療が必要となります。従来は爪を切除する手術療法が行われていましたが、現在は矯正による保存療法が行われるようになりました。ただ、爪の矯正治療を行う医療機関はまだ多くはありません。爪の症状が酷くなる前に皮膚科、形成外科やフットケア専門外来などを受診するようにしましょう。