パーソナリティ障害とは気分の波が激しくなってしまう人格構造の障害のことです。感情をコントロールできずに対人関係に支障をきたしてしまい、自傷行為をしてしまうことすらあります。

人格障害の中でも境界性パーソナリティ障害は若い女性に多く見られます。この記事では、境界性パーソナリティ障害の症状を表す人の特徴と、障害を持つ方に対して実際にどう対応すべきかを分かりやすく解説します。

目次

そもそも境界性パーソナリティ障害とは?

まず、パーソナリティ障害とはどのようなものかご存じでしょうか?
だれにでも個性があり長所や欠点がありますが、成長するにつれてそれをうまくコントロールすることを学びます。子供のころにわがままで強情、泣いたりわめいたりなどが激しかった人も大人になると大抵落ち着いて、うまく人間関係を築いていけるものです。しかし、パーソナリティ障害の方は自分の衝動や感情をうまくコントロールできず、極端な行動に出てしまいます

そんなパーソナリティ障害の一種類が境界性パーソナリティ障害で、ボーダーラインとも呼ばれています。極端な気分の変動が特徴で、激しく怒ったり悲しんだりします。幼い時に充分な愛情を感じられなかった患者さんが多く、見捨てられることに敏感です。患者さんのほとんどは女性で、年齢を重ねることで症状が軽減され、安定する傾向があります。

境界性パーソナリティ障害の特徴

境界性パーソナリティーの方には以下のような特徴が見られることが多いです。

1.見捨てられることに敏感

自分に充分な愛情を注いでもらえていない、見捨てられたと感じると、どうにかして相手から見放されないように努める、あるいは周囲との関係を自ら断ってしまいます。

2.他人への評価がコロコロ変わる

人を善か悪かで極端に判断してしまいます。慕っている人、丁寧に接してくれる人に見放されそうになると、途端にこき下ろすなど、対人関係が安定しません。

3.理不尽な激しい怒りや悲しみ

激しい感情の起伏はたいてい数時間続き、数日続くことは稀です。

4.危険な行動を衝動的にしてしまう

自殺行為、自傷行為や、高額のものを見境なく買う、過食、薬物乱用などの衝動をおさえられません。

5.妄想現実感の消失

他人が自分に対して悪い計画を持っていると疑います。また、自分が世界から離れているような感覚(解離症状)におそわれます。

境界性パーソナリティ障害の人への対応

手を繋いだカップル-写真

境界性パーソナリティ障害の人が起こす非常識的な行動は、一般の人にはなかなか理解できませんし、ともすれば相手の感情や衝動に操られてしまうことがあります。医師や看護師などであっても境界性パーソナリティ障害の患者への対応は難しいとされています。同僚や友人、家族にこの障害を抱える人がいる場合、どのように対応するのがベストでしょうか。

まずは、難しいかもしれませんが症状について理解し、受け入れること。そして一人で抱え込まないことです。精神科医や臨床心理士に相談し、治療を任せましょう。

現在、境界性パーソナリティ障害の治療で効果的と言われているのは、心理カウンセリングや力動的心理療法、認知行動療法などの方法によって、正しい思考や行動のパターンを訓練していく方法です。

以下に、境界性パーソナリティ障害を抱える人への対応の仕方をまとめましたので参考にしてみてください。

  1. すぐに良くなることを期待せず、根気強く対応し長い目で見守りましょう
  2. 感情を傷つけるような厳しい言い方や口論を避け、あくまで冷静に敵対しているわけではないことを示しましょう。
  3. 問題のある行動に対しては、それが間違っていること、受け容れられないことをはっきりと伝えましょう。同じ問題を繰り返さないようルールを決めておきましょう。
  4. 医師や心理カウンセラーなど専門家のアドバイスを求めましょう。

まとめ

境界性パーソナリティ障害は、対人関係に大きく影響します。この障害を抱える人とうまく付き合っていくのは難しいというのが現実です。しかし根気強く接し、相手の感情を受け入れる一方で、間違った行動をはっきり認識できるように伝えることが対応の秘訣です。知人にこの障害の症状を表す人がいるならば、ぜひ参考にしていただければ幸いです。