日本人はの5人に1人睡眠障害センターより)は何らかの睡眠障害を持っているといわれており、睡眠薬を服用している方もいます。

睡眠を十分にとることができないと、日中の生活に支障をきたすことも多々あり、睡眠薬の必要性を感じる方も多いかと思います。そこで今回は睡眠薬の中でもよく処方されている「フルニトラゼパム」について詳しく見ていきたいと思います。

目次

「フルニトラゼパム」ってどんな薬?

フルニトラゼパムは薬の一般名なのであまり聞いたことがないといった方も多いと思いますが、フルニトラゼパムの商品名には「ロヒプノール」「サイレース」などがあり、この名前なら知っているといった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

フルニトラゼパムは睡眠薬であり、ベンゾジアゼピン系の薬です。

体内にあるベンゾジアゼピン受容体に結合して、催眠・抗不安作用を発揮します。

「フルニトラゼパム」の作用時間は?

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は消失半減期によって、超短時間作用型・短時間作用型・中間作用型・長時間作用型4種類に分類されますが、フルニトラゼパムはその中の中間作用型に属しています。

フルニトラゼパムの消失半減期は24時間であるため、就寝前に服用してから翌日の朝までしっかり効きます。そのため睡眠障害の中でも、寝つきの悪さ、中途覚醒というよりも早朝に目が覚めてしまったり、しっかり寝た感じがしない方によく用いられます。

作用時間が長い分、翌朝にまで眠気やふらつき、倦怠感などが残る場合があるため注意が必要です。

「フルニトラゼパム」の副作用は?

フルニトラゼパムのようなベンゾジアゼピン系の薬はその安全性や使いやすさからよく使用されていますが、それでも副作用は存在します。主な副作用を以下に記しました。

依存性

必要以上に大量に服用することで薬物依存を生じる可能性があります。医師の指示通りの量を服用して、自己判断で服用量を増やさないようにしてください。

一過性前向性健忘

服用前後で一時的に記憶がなくなり、自分が何をしていたかわからない状態になることがあります。必ず就寝直前に服用して、睡眠の途中で一時的に起きなければいけない場合は服用を避ける必要があります。

呼吸抑制

中枢を抑制する作用や、筋肉を弛緩させてしまう作用により、まれに呼吸も抑制してしまうことがあります。特に呼吸器疾患の患者や高齢者に注意が必要です。

眠気や集中力の低下

翌朝への持ち越し効果により、日中にも眠気が生じたり、集中力・注意力の低下か生じる恐れがあるため、自動車の運転や危険な作業などは避ける必要があります。

「フルニトラゼパム」服用時の注意点

寝酒-写真

就寝前に寝酒といってアルコールを摂取する方がいます。しかし、フルニトラゼパムとの併用により、より副作用が出やすくなる恐れがあるので併用は避けてください。

また規則的な時間に服用して、服用後はすぐ就寝する、そして使用量などは医師の指示通りに服用して自己判断で中止したり増量したりしないでください。

とくに連用している場合、急に薬を中止することで不眠が悪化する可能性があります。そのため中止するときは1日おき、2日おき等に服用をするなどの対策が必要となるため、医師の指示に従ってください。

まとめ

睡眠薬はよりよい睡眠をとるために、現代の日本人としては必要なものとなりつつあります。しかし睡眠薬だけではなく生活習慣からも不眠を改善することもできます。

  • 就寝前4時間のカフェイン摂取を控える
  • 夜は明るすぎない照明にして、朝は日光をしっかりと浴びる。
  • 寝る前のアルコールは一時的に眠たくなりますが、途中で起きてしまったり良質な睡眠をとれるわけではないので、寝酒は控えましょう
  • 寝る前には自分なりのリラックス法、ぬるめの入浴や音楽を聴くなどを実施する。
  • 寝る直前までテレビや携帯を見ない

以上の生活習慣の改善で、不眠が解決することもよくあります。

睡眠時間は人それぞれなので、日中に眠気が出ないようなら短い睡眠時間でも十分に睡眠をとれているということも知っておきましょう。