忘年会や新年会、送別会などお酒を飲む機会はたくさんあります、そして飲みすぎて次の日がつらい…といった方も多いのではないでしょうか?実は漢方にもこの二日酔いを改善してくれる薬があるのです。
今回は、二日酔いの強い味方である漢方「五苓散」について詳しく見ていきたいと思います。
「五苓散」ってどんな薬?
五苓散は「ごれいさん」と読み、余分な水分を排出する効果のある漢方です。飲む人の体力の差で使う漢方が違ってきたりしますが、この五苓散においてはあまり気にせずにどんな人も服用できることになっており、使いやすい漢方であるといえます。
漢方というのは色々な生薬が組み合わせて構成されており、五苓散においては以下のような生薬が含まれています。
- 猪苓(ちょれい)
- 茯苓(ぶくりょう)
- 白朮(びゃくじゅつ)もしくは蒼朮(そうじゅつ)
- 沢瀉(たくしゃ)
- 桂皮(けいひ)
猪苓を主とした5種類の生薬で構成されているため、五苓散と呼ばれています。
「五苓散」の効き目は?
五苓散は余分な水分を排出する利尿作用を持ち合わせています。
漢方では、飲み物などに含まれる水分を飲み吸収して体の中で必要な形にしてうるおしてくれるものを「水(すい)」と呼びますが、五苓散ではこの「水(すい)」が体内で過剰になっているときに、体の機能を高めて「水(すい)」を外に排出する効果を持っています。
そのため不要な水分が体内にたまっておこるむくみ・浮腫なども改善してくれるのです。
またこの過剰な「水(すい)」というのは浮腫以外にも様々な弊害を起こすため、以下のような症状にも五苓散には効果があります。
- むくみ、浮腫
- 口の渇き
- 頭痛
- 下痢
- 悪心、嘔吐
- 暑気あたり(夏バテ)
- 二日酔い
「五苓散」はなぜ二日酔いにも効くのか?

五苓散には利尿作用があることが分かりましたが、ではなぜ二日酔いにもきくんだろう?と疑問に思われる方もいると思います。
漢方において二日酔いというのは、自身が処理できる範囲以上の水分(お酒)などを飲んでしまったために、体内に過剰・余分な「水(すい)」が存在してしまう事が原因と考えられています。
その過剰な「水(すい)」が顔をぱんぱんにしたり、二日酔いで良くある頭痛やだるさ、吐き気などを引き起こすとされており、五苓散はこの過剰な「水(すい)」を尿として外に排出することができ、また体を温めることで血行をよくして、頭痛などを伴う二日酔いに効果的であるとされています。
「五苓散」に副作用はあるの?
五苓散は副作用は比較的少ないですが、発疹・胃のむかつき・食欲不振がおこることがあります。次第に慣れていくことが多いので、様子見して服用しても良いでしょう。
しかし高齢者の方や妊婦の方は慎重に服用する必要があるため、市販の薬ではなく病院に行って、医師に処方してもらうのが良いでしょう。
まとめ
二日酔いというと市販のドリンクや、頭痛には痛み止め等を使う方も多いと思います。漢方で二日酔いが改善するとはあまり聞いたことがなかったのではないでしょうか?
漢方は西洋薬と比べると副作用が少ないため、服用しやすいです。また頭痛薬などは痛みそのものをとめるだけですが、五苓散では痛みのもとから改善してくれる効果があるため、頭痛だけではなく吐き気、むくみなどにも効果があり、二日酔いの時などは重宝すると思います。
けれども二日酔いが起きるということは自分の処理能力を超えたお酒を飲んでいるということなので、少なからず体に負担をかけているということです。頻繁に二日酔いになる方はお酒の量を調整するなどの対策を取る必要があるでしょう。