おならの臭いで悩んでいる人は少なくないようです。しかし、おならの臭いは治すことが可能です。おならの臭いに悩んでいる人におならの治し方について解説します。

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なぜおならは出るの?

おならはなぜ出るのでしょう?おならは腸内細菌が食物を分解する際に出す副産物です。ただし、腸内細菌は免疫力の向上に役立ったり、ビタミンを作ってくれたり、ホルモンの生成に関与したりと、私たちの身体には欠かすことのできない大切なものでもあります。腸内細菌がおならの原因だからといって、毛嫌いしてはいけません。「わたしたちの身体」と「腸内細菌」は、「イソギンチャク」と「クマノミ」のように共生関係にあるのです。

では、シャンパンに例えておならを考えてみましょう。ブドウの糖分を酵母菌に食べさせるという発酵の過程を経て作られたのがシャンパンです。酵母菌が糖分を食べた際に、アルコールとガス(二酸化炭素)ができます。これをアルコール発酵といいます。シャンパンの泡は、アルコールが出来た際にできたガスを抜かずに封じこめたもの。シャンパンの泡は、栓を開けることで水に溶けていた“菌のおなら”が、ブクブクと噴き出しているものなのです。私たちの腸内細菌も、エサを食べる発酵という過程でガスを出します。これがおならです。

もちろん発酵にも、乳酸発酵や酢酸発酵などいろいろな種類があり、体内でアルコール発酵が起こる頻度はそう多くはありません。
多くはありませんが、体内でアルコール発酵を多くしてしまう人も存在します。このような体質の人は、「自家醸造症候群」「酩酊症」と呼ばれており、アルコールを飲んでいなくても食後に顔が赤くなったり、ガスが多く出たりするなどの症状が出現します。

おならの臭いの原因は食べ物と腸内細菌

おならの臭いの原因は食べ物腸内細菌です。「うんち博士」で有名な理化学研究所特別招聘研究員の辨野義巳(べんのよしみ)先生は、(野菜など他のものは食べずに)40日間肉だけを食べるという人体実験を自ら行いました。かなり過酷な実験だったようですが完遂した結果、便がコールタールのように黒くなり、臭いもすごくきつくなったそうです。

この実験前後で便の状態を調べてみたところ、糖類を分解して乳酸やアルコールを生成する「善玉菌」が減り、タンパク質やアミノ酸などを分解して硫化水素やアンモニアを生成する「悪玉菌」が増加し、「善玉菌」と「悪玉菌」の比率が逆転したそうです。いろいろな研究結果から考えても、食べ物と腸内細菌が臭いの原因であることは間違いありません。

おならの臭いを改善する「菌活」のススメ

おなか-写真

「婚活」や「朝活」を行っている人はいるかもしれませんが、「菌活」を行っている人は少ないのではないでしょうか?「菌活」とは腸内に良い働きをする菌や食物を積極的に取り入れ、腸内の善玉菌を育てて腸内細菌を整えることです。

腸内細菌を育てるには、ヨーグルトなどの発酵食品や食物繊維を積極的に摂るように心がけると良いでしょう。逆に腸に悪影響を与える肉やアルコールは控えるようにしましょう。ストレスも腸内細菌のバランスを崩すということが明らかになっていますので、ストレスを避け規則正しい食事を心がけましょう。

また便秘をすると腸内で発酵が進みすぎ、便やおならの臭いがきつくなります。朝はキチンと食事をとってトイレに行く習慣をつけましょう。空腹時間の長い朝は「胃・大腸反射」といって、まとまった食事による胃の刺激で、便意がもっとも起こりやすい時間帯です。朝トイレに行く習慣がないと腸に我慢するクセがつき、便秘体質になります。朝の排便習慣はとても大切です。

ちなみに、「うんち博士」の辨野義巳先生も以前は、肉が大好きで野菜とヨーグルトは嫌いだったそうです。そして家族からは、「お父さんの後のトイレは臭い」といわれるほどの悪臭で悩んでいました。しかし、積極的に野菜とヨーグルトを食べて肉食を控えた結果、トイレの悪臭がきれいになくなったそうです。しかもさらに良いことに体重が10キロも減ったとか。腸内細菌恐るべしですね。

まとめ

どうですか?おならの臭いは、食生活や生活習慣を変えることで改善することは可能です。おならの臭いのみならず、身体の健康のためにも、「菌活」はじめてみてはいかがでしょうか?