朝起きたら顎が痛い、口が開かない。顎関節症は突然症状が現れることもあります。自分は大丈夫と思っていても、意外と顎関節症予備軍の人も多いのです。症状が現れる前に自分は大丈夫なのかチェックしてみましょう。今回は顎関節症についてその原因と自分でできるチェック法についてご紹介します。

目次

どうして顎関節症になるの?

以前は顎関節症になるのは噛み合わせが悪いからといわれていました。しかし、最近の研究によると顎関節症は一つのことが原因ではなく色々な要因が合わさることで発症するという考えが有力です。顎関節症を発症させる要因としては以下のことが挙げられます。

  • もともとの顎関節の顎や筋肉が構造的に弱い
  • 噛み合わせが悪い
  • 精神的緊張や不安な気持ち、気分の落ち込みが持続してしまう人
  • 外傷・日常的な癖(頬杖、電話の肩ばさみ、携帯電話の長時間操作、下あごを前に突き出すなど)
  • 食事(固いものを好んで食べる、ガムをいつも咬む、片側での咬み癖など)
  • 睡眠(歯ぎしり、高い枕や固い枕の使用、うつぶせ寝など)
  • 楽器演奏(特に吹奏楽器)
  • 長時間のコンピューター作業  など

さらに顎関節症患者さんの約8割の人が、口を閉じているときに上下の歯がかんでいる(接触させている)ということが解っています。通常であれば、必要がないときにはくちを閉じていても歯は接触しませんが、常に歯がかんでいる状態が続くと少なからず負担となります。このようなことが積み重なり最終的に顎の痛みや口が開かないという状態に繋がってしまいます。

顎関節症になるとどうなるの?

煎餅

 

顎関節症は4つの病態に分類されます。

1つ目は関節円板というクッションの役割を果たしている線維性結合組織が前にずれることで、口を開けたときに“カクン”と音が鳴るようになります。

2つ目としてはその状態がさらにひどくなることで痛みが出たり口が開かなくなります。

3つ目は顎関節自体には問題が無く、下あごを動かす筋肉に炎症が起こっている場合があります。

4つ目は顎関節の骨自体が変形してしまっている状態です。このタイプは高齢の方に認められることが多いです。

1番目と2番目のタイプが顎関節症の6割を占めるといわれています。

顎関節症の4つのチェックポイント

顎

顎関節症は一度症状が出ると治りにくく、再発しやすい病気です。症状が出る前にチェックをして予防を心がけましょう。ここでは自分でできる顎関節症のチェック法をご紹介します。

1.ちゃんと口・顎が開きますか?

口を大きく開いた時、人差し指から薬指まで並べて3本入りますか?

全部入る人は問題ありません。ほとんど入らない人や全く入らない人は顎関節症の可能性があります。

2.口・顎の開閉時、痛みなどはありますか?

次に口を大きく開け閉めしてください。この時、少しでも顎に痛みがありますか?これはいつもいたくなくても時々痛む場合でも顎関節症の可能性があります。痛みの無い方は問題ありません。

3.顎は、まっすぐに開閉しますか?

次は鏡の前に立ってゆっくりと口を大きく開け閉めしてください。この時に下の顎がまっすぐに開きますか?右や左にずれている方はいませんか。たまに曲がってしまう場合にも注意が必要です。曲がったほうの関節の動きが悪くなっている可能性があります。

4.かたいものを食べたとき、痛みなどはありますか?

最後に干し肉やするめ等の固いものを食べたときに顎に痛みがありますか?この時注意してもらいたいのは歯に痛みが出るかではなく、顎に痛みがあるかということです。歯に痛みがある場合には虫歯の可能性も考えられますので治療をしてもらいましょう。固いものを咬んでたまに痛みが出る方も顎関節症の可能性があります。

以上4つの項目で全て問題ない方は大丈夫ですが、1つでも引っかかった方は顎関節症の症状が出る前のいわゆる予備軍の状態かもしれません。この他にも歯並びが悪い方や歯ぎしりのある方、睡眠時の体勢が悪い方なども顎関節症の予備軍の可能性があります。

まとめ

顎関節症は一度発症すると治りにくく、再発の多い病気です。発症の原因も日常生活での要因も多くありますので予防できる所は自分で心がけて予防しましょう。