毎日何気なく食事しているときに使っている自分の噛み合わせ。でも自分の噛み合わせが良いのか、悪いのか、わかっている人は以外に少ないのではないでしょうか?平成23年度の厚生労働省の統計によると12歳~20歳までの少なくとも40%以上の方の噛み合わせに異常が認められます。小さいころに歯が生え始め、徐々に完成していく噛み合わせなので、悪い噛み合わせでも気がつかないまま成長してしまうことが多いのです。今回は噛み合わせが悪いとどうなるのか、 そしてそのチェックポイントについて、歯科医師・岸本 佐智先生による監修記事でご紹介します。

目次

悪い噛み合わせとは?

噛み合わせが悪いことを不正咬合(ふせいこうごう)と呼びますが、不正咬合には以下のようにいくつかの種類があります。

  • 叢生(そうせい)…歯並びがでこぼこな状態
  • 反対咬合(はんたいこうごう)…前歯が反対に咬んでいる状態
  • 過蓋咬合(かがいこうごう)…上の前歯で下の前歯が見えない状態
  • 切端咬合(せったんこうごう)…上と下の前歯がちょうど合わさる状態
  • 開咬(かいこう)…前歯が咬まない状態
  • 上顎前突(じょうがくぜんとつ)…いわゆる「出っ歯」
  • 下顎前突(かがくぜんとつ)…下顎が前に出た状態

噛み合わせが悪いとどうなるの?

口2

噛み合わせが悪いことによる悪影響は数多くありますが大きなものとして、全身の健康への影響と虫歯や歯周病への関与、外見や発音への影響があります。

噛み合わせが悪いということはものを良く噛むことができません。口は消化器官の入り口の役割を果たしていますので、良く噛むことができないと胃や腸へ負担をかけてしまうことになります。また噛み合わせが悪いことで顎関節症肩こり腰痛の原因にもなります。イライラや集中力の欠如にも繋がります。近年ではアルツハイマー病と噛み合わせの関係も解ってきています。

噛み合わせが悪いことで起こるリスクはこれだけではありません。唾液の出る量が少なくなったり、口で呼吸をするようになったりすることで虫歯歯周病に罹るリスクも大きくなります。

歯の位置や顎の位置は顔の形に大きく影響を及ぼしますので外見的な影響を与えるほか、発音や滑舌にも大きな影響を与えています。

噛み合わせのチェック法

食いしばり

それではお家でできる簡単な噛み合わせのチェック法をご紹介しましょう。

チェック1

鏡の前に立って口を閉じ、上の唇と下の唇を軽く合わせてみましょう。このときに唇が閉じないで歯が見えてしまう人下の唇を上の前歯で咬んでしまう人上の唇が下の唇で隠れてしまう人は注意が必要です。

チェック2

次に奥歯でしっかりと咬んでみましょう。その状態で両方の人差し指を口の中に入れ頬を広げ歯が見えるようにしてみてください。このときに上の歯が下の歯よりも外側にあること、また上の歯と下の歯の間に隙間が空きすぎないことが大事です。部分的でも下の歯が外側にある場合や、舌が見える人ほど隙間がある人は噛み合わせが悪い可能性があります(ある程度の隙間があるのは正常な状態です)。

また、上の歯が外側にあっても、下の前歯がほとんど見えない人歯並びがでこぼこになっている人歯と歯の間の隙間が広い人も悪い可能性があります。

チェック3

割り箸を一膳用意してください。前歯で割り箸を横に咬んで鏡で見てください。このときに割り箸が水平になっているようであれば問題ありません。割り箸が傾いてしまうようであれば噛み合わせに問題がある可能性があります。

最後に

普段あまり意識しない噛み合わせですが、悪い噛み合わせは年齢とともにトラブルが多くなってしまいます。より美しくより健康で、美味しくいつまでも食事ができるように、今回のチェックで1つでも問題があった方は早めに歯科医院で検査してもらいましょう。