口を開け閉めするたびに痛みが出たり、口が開かなくなったりと、顎関節症は本当につらいですよね。顎関節症は一生の間に二人に一人は経験する病気だと言われています。もしかしたらあなたにも起こるかもしれません。今日はそんな顎関節症に対する治療法と対処法を紹介します。

目次

顎関節症はどんな病気?

顎関節症の状態は4つに分類されています。カクンカクンと音が鳴る状態、口が開かなくなる状態、関節には異常がなく顎を動かす筋に痛みが出ている状態、顎関節の骨自体が変形してしまっている状態の4つです。最初の2つの状態が顎関節症患者さんの全体の60%を占めます。詳しくは「顎が痛い・口が開かない!その原因・顎関節症かもしれません!」をご参照ください。

顎関節症はどうやって治すの?

顎関節症の治療器具

顎関節症の治療法で最も一般的な治療法がスプリントを用いた治療法です。これはプラスチック製のマウスピースのようなもので、上下どちらかの歯列に使います。これを使うことで関節にかかる負担が軽減されると言われています。

このスプリントは基本的に夜寝ている間に使用するもので、日中は使用する必要はありません。ただ人によっては日中に食いしばりがある方もいますので、日中も使用することもあります。

現在ではほとんどがこのスプリントを用いた治療法ですが、稀に外科的な処置が必要な場合もあります。外科的な治療法には関節鏡を使った方法と切開を入れて関節を直接見えるようにして行う手術があります。特に手術を必要とする場合は、口腔外科などの専門的な機関でのみ治療が行えます。

家でできる対処法

氷

市販の鎮痛剤を内服する

痛みがひどい場合は鎮痛剤を飲んでください。顎関節症では痛みをコントロールすることが重要です。

急性期は冷やす慢性期は温める

急性期か慢性期かで対処の方法が異なります。

急性期の場合は、炎症の拡大を防ぐために冷やします。顎関節の痛む部分に氷を入れたビニールをタオルで包んで冷やしてください。10分間冷やしたら 口を開いたり閉じたりして顎関節を動かす運動をゆっくりしてください。

これを一日に数回繰り返します。長時間冷やしすぎることは関節の筋肉を収縮してしま いますのでやめてください。

慢性期には、血行をよくするためにもしっかりと温めると良いでしょう。

固いものや何回も咬む必要のある食品を控える

乾燥肉やするめ、フランスパンなどの何度も咬む必要のある食品を控えるようにしてください。どうしても食べたい場合は、小さく切って食べたり調理法を工夫して食べたりすることを心がけてください。また大きく口を開ける動作も厳禁です。

マッサージ

関節の痛みが軽減した場合もしくは顎関節症の予防としてマッサージが有効です。人差し指と中指で関節部を軽く押さえゆっくりと円を描くようにマッサージしてください。絶対に強く揉まないようにしてください。

その他の予防法

痛みが無くなり顎関節症が治ったと思っても再発をすることがあります。また痛みは無くてもカクンカクンと音が鳴っている人も注意が必要です。再発を防止するために以下のことに気を付けましょう。

  • 咬み合わせを治す
  • 日常のストレスを少なくする
  • 頬杖をやめる
  • 睡眠時の姿勢に気を付ける(うつぶせ寝や手枕など)
  • 高い枕の使用をやめる
  • 日中の食いしばりをしない
  • 片側の咬み癖をやめる

最後に

顎関節症はいろいろな要因が重なって発症する病気です。そしてその要因の多くが日常の生活の中にあります。いつもの癖を改善することで顎関節症の予防につながります。すぐにでも取り入れてみてください。

もしおかしいなと思ったら一度歯科医院を受診することをお勧めします。