顎が痛いという悩みを抱えている人、結構多いですよね。でも顎のどこが痛いのでしょうか。顎といっても実は顎は意外に大きく痛む場所によってもその原因は 変わってきます。耳の前、エラ周辺、下の顎の先端、目の下の頬(ほほ)周辺、鼻の下。どこに痛みを感じますか?今回はそんな顎の痛みの原因と病気について、部位ごとにご説明します。

目次

顎はどこからどこまで?

皆さんは顎というと下顎のことを思い浮かべますよね。でも上顎っていう言葉も聞いたことがありますよね。下顎の範囲は下の顎の先端のオトガイという部位からエラを通ってちょうど耳の穴の前の部分までです。上顎は、ちょうど左右の目の横の位置から目の下、そして歯を支えている骨の部分のことをいいます。人の顔を正面から見ると上半分が頭の骨で下半分が顎の骨だと考えてください。ちょうどその真ん中に目がある感じです。

どこが痛いのかが大事!

顎が痛いといっても、顎は意外に大きいのでどこが痛いかによって原因が違います。顎が痛い場合は耳の前の痛み、耳の下でエラ周辺部分の痛み、下の顎の先端周辺の痛み、目の下の頬周辺の痛み、鼻の下の痛みなどに分かれます。

顎が痛い

耳の前が痛い場合考えられる病気

最も考えられる病気が顎関節症です。顎の痛みの中では有名な病気ですが、顎の関節からカクカクと音が鳴る、口が開かないなどの症状も起こることがあります。片側の関節が痛いことが多いですが、両側の関節に痛みが出ることもあります。これ以外には関節リウマチなども考えられます。

耳の下でエラ周辺部分の痛み

この場合いろいろな病気が考えられます。一つは歯が原因で起こる病気です。智歯周囲炎という、親知らずの化膿や顎の骨の中に嚢胞(のうほう)と呼ばれる膿の 袋ができてしまった場合などです。また顎下腺炎や耳下腺炎と呼ばれる唾液を作る場所に、何らかの原因で炎症が起きている可能性もあります。有名な病気が「おたふく」です。おたふくは流行性耳下腺炎と呼ばれ、ムンプスウィルスの感染により発症します。耳の下付近の腫れと痛みが特徴的ですが、人によってはあまり腫れが分からず痛みだけを症状とする場合もあります。

下の顎の先端周辺の痛み

下顎の先端周辺が痛くなることはまれですが、下の前歯の虫歯がひどくなった場合に痛みが出ることがあります。また、ぶつけやすい部分なので外傷によるものも多いです。特に小さい子供の場合、転んだときに手を付くことができずに下の顎の先端をぶつけてしまうことが多いので注意しましょう。

目の下の頬周辺の痛み

この場所もいろいろな原因が考えられる場所です。先ほど説明したように歯が原因の痛み嚢胞が原因の痛みも考えられます。また蓄膿症がひどくなって痛む場合も考えられます。蓄膿症は鼻の横や上にある副鼻腔と呼ばれる空洞に膿が溜まることで症状が出現します。目の下の頬周辺部だけではなく、額の周辺まで痛くなることもあります。さらにこの場所は三叉神経痛の可能性も考えられます。三叉神経痛は頬に触れた場合にビリッと電気が走ったような痛みが出ることが特徴的です。

鼻の下の痛み

ここは歯が原因で痛みが出ることがほとんどです。下の顎の先端周辺の痛みと同じで上の前歯の虫歯によって歯の根の先端に膿の袋ができてしまっている可能性があります。

歯科治療2

最後に

顎の病気は原因が様々で、何科を受診すれば良いのか迷うことが多いようです。一番多くの原因に対応できるのは歯科ですので、そこでしっかりと診断してもらうのが良いでしょう。どんな病気でも痛みが強くなってしまってからでは治療が難しくなってしまいます。病気によっては薬を飲むだけで治る可能性もありますので、痛みがあったら早めに受診されることをお勧めします。