性器に違和感があったら…性感染症にかかっているのか、パートナーに話したら嫌われてしまうのではないか、うつしてしまうのではないかと不安な気持ちを抱くと思います。性器ヘルペスは、一度発症するとストレスや疲労がきっかけで再発する可能性があります。一人で悩まずに、まずは医療機関を受診するようにしましょう。今回は性器ヘルペスについてご紹介します。

目次

1度治っても再発する可能性が…性器ヘルペスとはどんな病気?

性器ヘルペスは、性的な接触によってウイルスに感染する性感染症の一つで、主に単純ヘルペスウイルス1型、2型に感染することによって、性器やお尻の周りに水ぶくれができる病気です。比較的若い世代に多く、女性の患者が多いとされています。感染して免疫ができても外傷や体力の低下などが誘因となって再発を繰り返すことがあります。

性器ヘルペスはどのようにしてうつる?

性器ヘルペスの原因の単純ヘルペスは、人との接触によって感染します。ただし症状がでないことがあり、その場合は感染に気が付かないこともあります。

性器ヘルペスに初めて感染する場合の主な原因は性行為です。性行為の相手の性器にできていたヘルペスがうつったり、口唇ヘルペスのウイルスが性器に感染して発症したりすることもあります。口唇ヘルペスを発症しているときは、オーラルセックスも避けた方が安全です。

ウイルスがついたタオルやトイレを共有することで感染することもありますが、お風呂からうつることはほぼないと考えられています。

症状が出ていないときでも、性器の粘膜や皮膚にウイルスがでている場合があり、症状の自覚がないまま感染源となっていることが多いです。

どんな症状が現れるの?

性器ヘルペスの特徴は、性器のブツブツした水ぶくれです。初めて感染したときは、発熱や強い痛みがあらわれることが多いのですが、再発したときは軽い症状ですむことが多いようです。

初感染の症状

  • 性行為をしてから2~10日程度の潜伏期間をおいて発症する
  • ひりひりした痛み、灼熱感、むずがゆさなどを感じる
  • 赤いブツブツができて水ぶくれになる。水ぶくれが破れると穴が空いたような潰瘍(かいよう)ができる
  • 激しい痛みがある(女性は排尿時に痛みを感じる)
  • 発熱、だるさ、リンパ節の腫れが感じられることもある

女性は、外陰部、膣の入口やお尻に発症し子宮頸部に及ぶこともあります。男性は、ペニスの先端、包皮や陰茎体部、お尻に発症します。

再発の症状

  • 灼熱感
  • ひりひりした痛み
  • むずがゆさ

初感染からしばらくして、再び感染部位に症状が現れることがあります。多くの場合は、初感染のときよりも軽く、痛みもあまり強くありません。一般的には、小さい水疱が数個できる程度ですが、悪化することもあります。再発の原因は、身体に潜んでいたヘルペスウイルスが何かのきっかけによって暴れ出すことです。他の人からうつったものではありません。

再発の誘因

  • 疲労
  • 睡眠不足
  • 長時間のストレス
  • 他の性感染症
  • アルコールの飲みすぎ
  • 強い日光にさらされたこと
  • 免疫力の低下
  • 性行為による皮膚の摩擦や損傷
  • 女性の場合は月経前

など

性器ヘルペスは再発を繰り返す特徴があるので、心身の安静を心掛けることが大切です。あまり神経質になると、再発していないのに再発と思い込んでしまうこともあります。

再発の前兆として、むずむず、ひりひり、軽いかゆみなどを感じる人が多いようです。症状を感じたら早めに医療機関を受診して正しく診断をしてもらいましょう。性器ヘルペスは、早く治療すれば軽い症状に抑えることができる病気です。

性器ヘルペスの担当科は?

女医-写真

性器ヘルペスが疑われたら、専門医(性感染症内科(性病科)、産婦人科、泌尿器科、皮膚科)を受診しましょう。正確な診断のために、血液検査をしたり、水ぶくれの部位を綿棒で取ったりして単純ヘルペスウイルスの有無を調べます。初めて感染したときに、痛みが激しく排尿ができなかったり、頭痛や高熱などが続いたりする場合には、病院に入院して治療することが必要となります。重症でない場合は、通院で治療を行います。

治療には抗ヘルペスウイルス薬を使います。抗ウイルス薬は、ウイルスが入りこんだ細胞だけに働き、細胞の中でウイルスが増殖するのを抑えて、健康な細胞にウイルスが感染するのを防ぎます。その他は症状に応じて、痛み止め、ビタミン剤、抗生物質などが処方されます。性感染症は、パートナーと共に検査や治療を行うことが重要です。

まとめ

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスが原因となって起こる病気です。性行為の後2~10日程度の潜伏期間をおいて発症します。主な症状は、性器の周りの赤いブツブツした水ぶくれ、むずかゆさ、灼熱感などです。ヘルペスウイルスは一度感染しても心身の疲労などが原因となって再発することがある病気です。普段から健康的に過ごすことが予防にもなります。