照り焼きや煮物など、色々な食べ方で楽しむことのできるぶりは、代表的な出世魚で、コクのある味わいが人気の青魚です。産卵直前の冬に、一番脂ののる旬を迎え、ビタミンやミネラル、必須脂肪酸などを含んでいます。ぶりに含まれる栄養素やその働きを知り、健康づくりに役立てましょう。

目次

ぶりってどんな魚?

ぶりはアジ科の魚で、成長するにつれて名前が変わる出世魚です。多くの地方名を持ち、大きさによって呼び名が変わるという特徴があります。日本沿岸で季節回遊をしますが、冬のぶりは「寒ブリ」と呼ばれ、脂がのって美味しいとされています。出世魚は縁起の良い魚として、特に関西や北陸地方において、正月や端午の節句などの祝膳には欠かせない食材とされています。
稚魚を捕獲して養殖しており、養殖のものは天然のものよりも約3倍の量が出回っています。養殖は脂が多く、身の色が天然のものよりも白っぽいという特徴があります。

ぶり100gに含まれる食品成分

エネルギー 257kcal
たんぱく質 21.4g
脂質 17.6g
カリウム 380mg
1.3mg
0.08mg
ビタミンD 8.0μg
ナイアシン 9.5mg
ビタミンB6 0.42mg
ビタミンB12 3.8μg

出典:日本食品標準成分表を元にいしゃまち編集部が作成

ぶりはその口当たりからもわかるように、脂質が多く、白身魚に比べるとカロリーは高めなので、ダイエット中やカロリーが気になる人は要注意です。ですが、ビタミンやミネラルは様々な種類が含まれており、非常に栄養価の高い魚であるということができます。

動脈硬化の予防にもなる!?ぶりに含まれるアブラの働きとは?

ぶりには脂質が多く含まれるのですが、この脂にこそ、健康の秘密が隠されています。脂には色々な種類がありますが、大きく分けると飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。飽和脂肪酸肉類やバターなどに多く含まれ、摂りすぎると肥満コレステロールの増加を引き起こすといわれています。一方、青魚に多く含まれる脂は、不飽和脂肪酸といって、コレステロールを減らしたり、血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化の予防になる成分として注目を集めています。青魚に含まれる不飽和脂肪酸は次の2種類です。

  • DHA(ドコサヘキサエン酸)・・・血流改善、脳の活性化、視力の回復、アレルギー予防、精神安定
  • EPA(エイコサペンタエン酸)・・・生活習慣病の予防、炎症抑制、感染症予防

これらの脂肪酸は、体の中では作ることのできない必須脂肪酸なので、食品からとり入れてあげなくてはなりません。ぶりはカロリーが高めの魚なので、頻度や量に気を付けながら、バランス良く食事にとり入れましょう。

効率アップのとり方

ぶり

ぶりは、DHAやEPAが豊富に含まれており、適量を食べれば生活習慣病予防などに有効で、DHAやEPAを有効にとり入れたいときは刺身で食べるのがおすすめです。ぶりの血合い部分には肝機能の向上に効果的なタウリンも豊富に含まれています。ぶりは捨てる部分が少ない魚で、頭やアラ、皮の部分まで食べることができます。部位に合った調理法で、いろいろな料理を楽しみましょう。

まとめ

ぶりは、動脈硬化の予防に役立つDHAやEPA、肝機能の向上に効果的なタウリンを含んでおり、不足しがちなビタミンやミネラルをたっぷりと摂ることができます。旬の冬の時期は、栄養価も高くなる傾向にあります。ぶりを食卓にとり入れて、健康づくりに活かしましょう。