グラタンやピザなどに使われるチーズ。チーズには牛乳の栄養成分が凝縮されており、カルシウムやタンパク質が多く含まれています。また、うま味成分のグルタミン酸や、お腹の調子を整える乳酸菌も含まれており、様々な面から健康にアプローチできますよ。

しかしその一方で気になるのがカロリーのこと。カロリーが気になるから控えているという人も多いのではないでしょうか?チーズの種類や食べる量を心がければ、ダイエット中でも食べることはできます。栄養豊富なチーズを上手にとり入れて、健康づくりに役立てましょう。

目次

 

チーズってどんな食品?

チーズは、牛などの家畜の乳を原料に、発酵・凝固させた加工食品です。ナチュラルチーズと、ナチュラルチーズを粉砕し、加熱処理して加工するプロセスチーズに分けられています。以下に代表的なチーズ5種類のカロリーと栄養成分をまとめてみました。

各種チーズ100gあたりの食品成分

ナチュラルチーズ プロセスチーズ
カッテージ カマンベール クリーム モッツァレラ
エネルギー(kcal) 105 310 346 276 339
タンパク質(g) 13.3 19.1 8.2 18.4 22.7
脂質(g) 4.5 24.7 33.0 19.9 26.0
ナトリウム(mg) 400 800 260 70 1100
カルシウム(mg) 55 460 70 330 630
鉄(mg) 0.1 0.2 0.1 0.1 0.3
レチノール(μg) 35 230 240 280 240
ビタミンB2(mg) 0.15 0.48 0.22 0.19 0.38
ビタミンB12(μg) 1.0 1.3 0.1 1.6 3.2

出典:農林水産省「食品成分データベース」を元にいしゃまち編集部が作成

種類が多いのが特徴で、含まれる栄養素は種類によってそれぞれ異なりますが、基本的にはタンパク質脂質カルシウムなどからできています。脂質が多いものや、タンパク質が多いものなど、種類によって違うので、目的によって選び分けていきたいですね。

チーズに含まれる栄養素とその働き

カルシウム

カルシウムは体の中に約1kgほど存在し、99%は歯や骨の構成成分として体を支える働きをしています。残りの1%は細胞や血中に存在し、心臓や全ての筋肉が正常に収縮するのを保つ働きをしています。その他にも、神経の刺激が正常に伝達されるように保つ働き、血液凝固、酵素の活性化など、様々な働きを持つ重要なミネラルです。

カルシウムは吸収率が低く、ビタミンDアミノ酸を一緒に摂ったり、マグネシウムとのバランスも重要だと言われています。しかし、牛乳を始めとする乳製品に含まれるカルシウムは割と吸収がよく、効率よくカルシウムを摂取でき、骨粗鬆症の予防にも役立ちます。

レチノール

レチノールは動物性のビタミンAと言われるビタミンのことです。レチノールは目の網膜で光を感じる物質であるロドプシンを作ります。また、皮膚や消化管などの上皮の機能を守り、ウイルスなどの侵入を防ぐ働きもあります。その他にも、体の成長を促し、細胞の増殖と分化をコントロールする働きもあります。

ビタミンB2

補酵素として、糖質や脂質の代謝に関わる栄養素です。エネルギー産生経路で働くので、エネルギーの消費量が多い人では必要量が増えます。また、皮膚や粘膜の健康維持にも役立ち、欠乏すると成長が止まってしまうことから、ビタミンG(glowth)とも呼ばれていたこともあります。

チーズの上手な選び方

チーズの盛り合わせ-写真
チーズは栄養が濃縮されているので、牛乳よりも栄養価が高く、1切れ(10g)で牛乳100ml相当のタンパク質が摂れます。乳糖が分解されているため、牛乳でお腹がゴロゴロしてしまう乳糖不耐症の人でも安心して食べられますよ。

チーズは牛乳と同様、コレステロールはそれほど多くはありません。ですが、どうしても脂肪分が気になる人は、低脂肪タイプのものや、カッテージチーズなど、脂質の少ないものを選んでくださいね。

また、家庭でよく食べられるのはプロセスチーズですが、ナトリウムが多く、塩分が高めです。高血圧や腎臓疾患で塩分に注意しなくてはならない人はモッツァレラチーズやクリームチーズなど、ナトリウムの少ないナチュラルチーズを選んでみましょう。

食事バランスガイド農林水産省:食事バランスガイド)では、牛乳・乳製品の1日の目安量は2SV(1SV=カルシウム100mg)とされています(2200±200kcalの人の場合)。 固形チーズなら1かけ、スライスチーズなら1枚が1SVの目安量です。

まとめ

牛乳の栄養成分が凝縮されたチーズは、カルシウムだけではなく、様々な栄養素を摂ることができます。種類によって特徴が違うので、自分に合った種類を見つけ、脂質が多いものは量に気をつけながら効果的に摂り入れましょう。