ぎっくり腰になったら?今すぐできるセルフケアと治療法

ぎっくり腰になったら、とにもかくにも痛くて動けない、とても仕事や日常活動ができない状態になります。一日も早くぎっくり腰を治すために、私たちはどうすべきなのでしょうか。また、どのような治療法があるのでしょう。ここでは腰痛診療ガイドライン2012に沿って、ぎっくり腰になった時の対処法・治療法について、医師・小谷野 岳先生による監修記事で紹介します。

「ぎっくり腰=ベッド上で安静」はむかしの話です

ぎっくり腰になった直後の超急性期の時期には、痛みのため動く事もできない状況になっている場合もあります。その場合は、ベッドに横になって安静にするしかありません。痛みの少ない姿勢を見つけ、とりあえずは安静にします。

しかし、ここで注意しなければならないのはベッドで安静にする期間です。少しでも動けるようになったら、痛みの様子をみながら日常活動は続けることが後々の痛みの改善につながるという研究結果が報告されています。欧米のガイドラインではベッド上の安静が逆に痛みを悪化させるとも述べています。

以上のことから、数時間〜半日ベッドで様子をみて、少し落ち着けば動ける範囲で活動を開始しましょう。

<こんな風に動いてみてください>

ベッドから起き上がる時は、以下のようにすると腰がねじれないため、比較的痛みを感じずにすみます。

  1. 仰向けに寝た状態から膝を立てる
  2. 膝を倒しながら、ログロール(丸太ん棒のようにひとかたまりになって転がること)して横を向く
  3. 脚をベッドからおろし、それと同時に上になっている側の手でベッドの手すりを持つ。その状態から、下になっている側のひじでベッドを押しながら起き上がる

ベッドに手すりがない場合、椅子をベッドの脇に置いて手すりのかわりにすると良いでしょう。また、ベッドではなく布団で寝ている方は、ログロールから四つん這いになり、横に置いた椅子を支えにして起き上がってみてください。

痛みの少ない起き上がり方

<咳やくしゃみをする時の痛みはどうすればいい?>

腰痛患者さんにとって辛いのは、咳やくしゃみをするときの急な動きによる痛みです。

この痛みを防ぐためには、咳やくしゃみが出そうになったら机などに手を置き、上半身が動かないようにすると良いでしょう。痛みがひびきにくくなるはずです。

やはり頼りは痛み止めの薬!

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ぎっくり腰に対し、痛み止めの薬はよく効きます。各方面の研究結果でも急性腰痛に対する痛み止めの効果は認められています。

日本で多く用いられるのは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDsアセトアミノフェンです。NSAIDsとしてはロキソニンボルタレンエスタックイブ、アセトアミノフェンとしてはタイレノールなどが薬局で購入可能な商品です。

注意していただきたいのは、NSAIDsは副作用として胃潰瘍を起こす場合があるということです。腰痛の改善に使われることの多い湿布は、NSAIDsを皮膚から染みこませる薬です。このため、湿布を貼り過ぎると胃潰瘍を引き起こすおそれがあります。全身に大量に湿布を貼る患者さんもいますが、これは非常に危険なので絶対にやめてください。医師に指示された用法・用量を守り、正しく使いましょう。

温める?冷やす?どっちが効果的?

腰が痛い時には「温めるべきである」「冷やすべきである」どちらの意見もよく耳にします。実際のところ、どうなのでしょうか?

まず温める方については、急性腰痛に対し効果があったという研究結果があります。

では、冷やすのはどうなのでしょうか。ぎっくり腰はいわば腰の捻挫なので、足が捻挫した時と同じように冷やすべきだと述べているサイトもたくさんあります。捻挫して腫れて熱をもっている患部に、冷たい湿布をするとスッとして気持ちがよく痛みを引いたように感じますね。ですが残念ながら、冷やす方については信憑性のある報告はないようです。ただ、害があるわけではありません。気分的に楽になるのであれば冷やすことも1つの方法として取り入れても良いのではないでしょうか。

上記3つの方法で効果がない時は?

先述の3つの治療は急性腰痛に対する治療・対処法です。いつまでも痛みが軽減もしくは消失しない場合は、腰椎の捻挫や筋肉を痛めた以外の原因があり、他の治療が必要になります。その時は更に詳しい検査が必要ですので医師の指示に従いましょう。

まとめ

ぎっくり腰が起こってしまったら、以上3つの治療法が有効です。動けるようになるまで少し安静にしてその後は医療機関で症状にあった痛み止めをもらい服用すると、ほとんどの人は1~2週間で症状が解消します。その他、コルセットやリハビリ、運動療法などもありますが、急性腰痛に効果的とする根拠は現時点ではまだ乏しいようです。ただ運動療法については、起こった時の対処としては効果が期待できないにしても、予防という意味では有効です。日頃から腰部の周辺の腹筋や背筋を鍛えておくことで、ぎっくり腰を予防していきたいものです。

参照リンク

腰痛診療ガイドライン2012|予防(PDF)

Minds|腰痛診療ガイドライン

つらい腰痛、いつまで続く? 腰痛が長引きやすい人の特徴とは