日本人の主食であるお米。私たちの生活にとってなくてはならない食べ物ですよね。お米は、私たちが体を動かすためのエネルギー源となる大切な主食です。しかし、毎日食べるものであるからこそ、その栄養について、知らない部分もあるかもしれません。

この記事では、お米にはどのような栄養素が含まれ、どんな働きがあるのか。また、白米よりも健康に良いとされる玄米についても解説していきます。

目次

お米ってどんな食べ物?

お米は、日本人の主食であり、食文化を築く基礎となったもので、歴史とも密接に関係があります。近年では消費量は減少してきていますが、それでも「日本人といえばお米」という概念に変化は見られません。

昔は玄米が主流だったのですが、徐々に白米へと移り変わってきました。白米は、玄米から糠層を取り除いたもので、ビタミンミネラルの量は減少してしまいます。この糠層に色々な栄養素がたっぷりと含まれているので、栄養面では玄米の方が優れています。それでも、玄米が主流にならないのは、白米よりも風味が劣ることや、消化に負担がかかることが理由として考えられています。

白米と玄米の食品成分の比較(100gあたり)

精白米 玄米
エネルギー(kcal) 168 165
タンパク質(g) 2.5 2.8
脂質(g) 0.3 1.0
炭水化物(g) 37.1 35.6
マグネシウム(mg) 7 49
鉄(mg) 0.1 0.6
ビタミンB1(mg) 0.02 0.16
ビタミンB2(mg) 0.01 0.02
ビタミンB6(mg) 0.02 0.21
葉酸(μg) 3 10
食物繊維(g) 0.3 1.4

出典:農林水産省「食品成分データベース」を元にいしゃまち編集部が作成

このように比較してみると、不足しやすいビタミンやミネラルなどの微量栄養素や、食物繊維は、白米よりも玄米の方が高いことがわかります。

お米に含まれる栄養素とその働き

ビタミンB1

ビタミンB1は、糖質の代謝に関わっています。ビタミンB1は、糖質からエネルギーを作り出す時に必要なので、不足すると代謝が上手くいかず、疲労やだるさなどの原因となります。さらに、脚気の原因ともなり、最近ではインスタント食品の利用増加による、ビタミンB1不足からの脚気が増加しています。

脚気は、全身の倦怠感、食欲不振、足のむくみや痺れなどが見られる病気で、江戸時代から昭和初期には多くの死者を出しました。江戸時代には、地方の武士が江戸に滞在して白米を食べることで脚気を患い、地方に帰るとコロッと治るということで「江戸わずらい」とも呼ばれていたそうです。

貧血に関わる栄養素として知られているですが、これも白米より玄米の方が含有量は高くなっています。ビタミンCと一緒に摂取すると、鉄の吸収率が高まるので、野菜や果物も一緒に摂取できるとより効果的です。

食物繊維

表を見てわかるように、玄米には精白米の4倍以上の食物繊維が含まれています。食物繊維は便秘の改善肥満予防、血糖値の上昇を穏やかにしたり、脂質の吸収を抑制する効果もあります。

玄米を上手にとり入れよう

玄米

近年では、肥満解消や、糖尿病のリスクを下げるとして、玄米の栄養価が注目されています。ただ、玄米は白米よりも硬く、食べにくいので、少しずつ慣らしていくのがオススメです。最初は白米の中に混ぜてみる、おかゆにするなどして、少量からスタートしてみましょう。また、玄米は水分が少ないため、チャーハンやピラフなどにしても、美味しく食べられます。

まとめ

玄米と白米は、それぞれメリットやデメリットがあります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った調理法を選択し、とり入れてみましょう。