炭水化物は、私たちが生命活動を行ううえで欠かせない栄養素であり、体を動かすエネルギーのもととなります。
主にご飯や麺類、パンなどの主食となる食品に多く含まれていますが、野菜や肉・魚など食品にも少しずつ含まれています。
炭水化物は太りやすいから食べないようにしているという方もいますが、炭水化物もまたからだにとって必要な栄養素のひとつです。炭水化物がどうして体に必要なのか、不足するとどのような症状がみられるのかを説明します。

目次

炭水化物のはたらき

炭水化物は、脂質・たんぱく質と同じく、三大栄養素とよばれています。これは私たちが活動を行う上で必要なエネルギーを作り出してくれる栄養素であるためです。

ビタミンやミネラルは、体の機能を調整するはたらきはありますが、エネルギーとはなってくれません。そのため、ダイエットをしているからといってカロリーの少ない野菜サラダばかりを食べていると、体力が低下し、すぐに疲れる身体になってしまいます。

炭水化物には、体内でエネルギー源になる糖質の他にも、体内の消化酵素では消化しきれない食物繊維があります。

食物繊維は独立して一つの栄養素と考えられることが多いですが、実は炭水化物の仲間なのです。

過剰摂取と摂取不足について

炭水化物

どの栄養素でも適量を守るという基本的なことが一番大切なのですが、炭水化物においても同じことがいえます。

炭水化物をとりすぎたり制限しすぎたときにはどのような症状が見られるのかまとめました。

過剰摂取

炭水化物はご飯や麺類に多く含まれていますので、食事を簡単に済ませたいときには単品で満足できるようなアレンジが効くことが多く、丼物やチャーハン、麺類などは炭水化物のとりすぎに繋がることもよくあります。

炭水化物を過剰摂取してしまうとエネルギーとして消化しきれず、余分な糖質は中性脂肪として蓄積され生活習慣病や肥満の原因となります。

摂取不足

炭水化物は脳や神経に対してもエネルギー共給を行っています。

したがって脳が糖分不足になってしまうことで頭がボーっとする、あくびが出やすい、集中できない、疲れやすいなどの症状が出ることがあります。

また、過剰に制限してしまうと意識障害を引き起こし命の危険にさらされたり、エネルギー源として筋肉が分解されてアミノ酸を使うので体力が低下するなど、身体の様々な箇所に問題が生じてきます。

炭水化物の必要量は?

どの食品にも炭水化物は含まれていることがほとんどですが、特にご飯やパン、麺類、芋類の量に気を付けていれば過剰摂取は防げます。

炭水化物は1日の摂取エネルギー量の50~60%が目安です。

例えば、30~49歳女性、身体活動レベルが「普通」であれば必要カロリーは2,000kcalであるので、1,000~1,200kcal分の炭水化物を摂取しましょうということになります(厚生労働省より)。

目安として、白米には100gのエネルギー量が168kcalで、ご飯茶碗一杯分を150gとすると約240kcalです(農林水産省より)。1日3食、毎食白いご飯を食べると、それだけで720kcalものエネルギー量になります。

また、ごはんといっしょに食べるおかずにも気を配る必要があります。炭水化物は他の食材にも含まれていることがあり、特に芋類やカボチャ、コーンなどの野菜は含まれる炭水化物の量が多めの食材です。

まとめ

炭水化物は私たちの活動のエネルギーの素となり、生きていく上では欠かせない栄養素です。しかし、適量を守らないと様々な症状が現れてくるため、多過ぎても少な過ぎてもよくありません。

コンビニ弁当や外食などが多くなると、丼や麺類などの炭水化物がメインになるような料理が増えてきます。炭水化物が多いなと感じるときは少し残すなど、自分でコントロールできる力を身につけましょう。